1. トップ
  2. 恋愛
  3. 『マイノリティのカップルもみんなと一緒』性別適合手術を終えた彼との結婚式を控えて、感じたこととは

『マイノリティのカップルもみんなと一緒』性別適合手術を終えた彼との結婚式を控えて、感じたこととは

  • 2024.1.14

「みんながする毎日の重ね方を、私達沢山のマイノリティのカップルもしてる。」 東京都で美容師を務めながら、SNSを通じてトランスジェンダーであるパートナーとの日常を発信するあいたむ(@aitam1691)さん。 現在は、性別適合手術を終え、戸籍を男性に変更した彼と入籍し、結婚式を控えています。 そんなあいたむさんご夫婦に、結婚までの経緯やウエディング業界について感じることを聞いてみました。

彼との出会いは、職場で……

恋愛jp

あいたむさんが務める美容室に、お客さんとして訪れた彼。 あまりにもタイプな容姿を見て、彼の担当者に「かっこよくない?」と思わず声をかけてしまったといいます。 「ご飯行っちゃいなよ」という担当者の軽い一声から、2人で飲みに行くことに。 意気投合した2人は、そこから頻繁に合うようになり、とんとん拍子で付き合うことになります。 あいたむさんというパートナーができたことで、彼は「入籍をしたい、男性として結婚したい」という気持ちが強くなったと言います。 そして、戸籍を男性へ変える治療を考える彼に対し、あいたむさんも「一緒に頑張る」覚悟をしていたのだとか。 そうした当時のお互いへの気持ちを振り返るように語ってくれました。

プロポーズは、戸籍上女性のまま……

恋愛jp

およそ1年前、胸の手術3日後の彼からプロポーズを受けたあいたむさん。 しかし、性別適合手術の第一歩を踏み出した彼は、まだ戸籍上‟女性”でした。 それでも想いを早く伝えたくて、術後の辛い時期にも関わらず、長時間の運転を経てグランピングを実行。 満月の下で手紙を渡し、「今は結婚できないけれど、結婚できるようになったら、結婚してください」という言葉で、あいたむさんにプロポーズ。 法律上、性別をかえるために子宮を取る必要があったけれど、アレルギーも持っていた彼。 「本当に子宮卵巣摘出してもいいのか?」「男性になれるか?」など不安と葛藤もあったそうです。 それでも彼は、胸の摘出手術をしたこのタイミングで、どうしてもあいたむさんに早く気持ちを伝えたいという思いから、予定より1か月早いプロポーズをしたと話してくれました。 そんな彼に対して、言葉にならないほどの感動を覚えたあいたむさんでしたが、 「言われたのが寝る前だったので、素敵な写真を撮ることができず、そこだけはあとで文句を言った」とのこと。 彼も「とても緊張してしまい、プロポーズのタイミングを逃しまくった」と照れ笑いをしながら振り返っていたのが印象的でした。

結婚を決意し、周りの反応は……?

親に「性別を変えたい」と伝えた時、「なんでそんなに変えたいのか」と、理由を問われたという彼。 そこで真剣に「結婚したい、男性として生きていきたい」と正直な気持ちを伝えると、「そうなんだ!やっぱそうだったんだね」と話を聞いてくれたのだそうです。 「おそらく反対はされないけれど、心配はされるだろうな」 「女の子として育ててきてくれた分さみしい部分もあるかな?」 など、両親へ本心を伝える際に「不安も多かったけれど、受け入れてくれて本当に良かった」と話してくれました。

恋愛jp

両親への結婚の報告では、もともとお互いの実家を行き来していたこともあり、すぐに「おめでとう」と祝福の言葉が。 インタビュー中、何度もお互いの意思を確認し合うお二人からは、初対面のMOREDOOR編集部員でさえ強い絆と愛情を感じるほど。 お二人のそうした普段の様子を見ていたら、「こんなに心強いパートナーはいない」と両親も確かな信頼を寄せていたのではないでしょうか。

結婚式の準備中、あいたむさんが感じたこと

当事者の友達も多いあいたむさん。 結婚式の準備を進める中で、「これは嫌だと思う人もいるだろうな」と感じるケースもあるのだそうです。 例えば、「新郎新婦」と書かれたアンケートや、トイレ問題、またフロアを男女別で使い分けることなど。 特にトイレでは、「男女兼用のじゃないと、“結婚式が終わるまでトイレにいけない”状態になることもある。とても辛かった。」と、あいたむさんの彼自身も困った経験があるようでした。 あいたむさんは、そのほかの結婚式場での配慮に関して、 「100%こうしてほしいなどはありません。けれど、同性カップルかな?と感じた時に『全力でやりますが、なにか失礼があったらぜひ言ってください』など少し声かけがあるだけでも印象が違うのでは」とも話してくれました。

マイナビウエディングの取り組みについて

最近LGBTカップルの中でも、ウエディングフォトを撮ったり、プロポーズをする人たちが増えています。 結婚式は、その次のステップとしてありますが、実際に式場にいくのは怖いという声も。 そんな中でマイナビウエディングは、『すべてのカップルにふたりらしいウエディングを』というポリシーをもとに、LGBTQ+の方々の結婚式を応援する指針となるハンドブックの制作や特設サイトの開設、企業向けセミナーなどを通じて理解増進を図っています。 当事者の一員であるあいたむさんたちは、このハンドブック制作を手伝うことに。 このようなマイナビウエディングの取り組みを『安心できる材料の1つだ』と感じているようでした。

同性同士の結婚式は勇気がいるけれど……

恋愛jp

戸籍上の性別を変える中で友達や家族に支えられてきたと語るお二人。 だからこそ、結婚式を「みんなに感謝を伝える場にしたい」と話しました。 最後に、あいたむさんたちと同じような悩みを抱えるカップルにどのような言葉をかけたいか聞きました。 『私たちは「the」に憧れていました。女性同士では結婚できなかったけれど、皆みたいに結婚できたのが嬉しかったから、私たちも「the結婚式」をあげてみたかったんです。だから、結婚式をあげることにしました。同性同士で勇気がいることだけれども、もっと『結婚式をしたい』という気持ちを軽く持ってもいいかも。『結婚式なんて……』『指輪お揃いでつけて満足だよね』と自分の気持ちを押し殺しているのなら、みんなと同じようににやっていいんだよと伝えたいです。』 性別に関係なく、愛するパートナーと堂々と生きる姿を発信し続けるあいたむさん。 彼女の発信は、今もどこかで悩んでいる人の励みになっていることでしょう。 次回は、LGBTQ+フレンドリーな結婚式場を運営する株式会社ベストブライダルのインタビューをお届けします! (MOREDOOR編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる