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【両国】すみだ北斎美術館 特別展「北斎サムライ画伝」でサムライに出会った!

  • 2024.1.15

北斎と刀剣のコラボ展示も

すみだ北斎美術館で開催中の特別展「北斎サムライ画伝」[2023年12月14日(木)〜2024年2月25日(日)]を見てきました。

平安時代末期、平清盛により台頭してきたサムライたち。中世から戦国期を経て近世・江戸幕府が幕を閉じるまで約700年間、日本の政権を司りました

江戸時代、葛飾北斎(かつしかほくさい)と一門が、身近に見ていた町中のサムライや、歴史上のサムライなど、江戸の人々のサムライのイメージが見えてくる展覧会です。 刀剣博物館所蔵の《刀 銘 津田越前守助広/延宝九年八月日》と北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》のコラボ展示も見どころです。

※特別な許可を得て撮影しています。企画展示室内は撮影禁止です。

 

出典:リビング東京Web

すみだ北斎美術館 特別展「北斎サムライ画伝」

北斎と一門が描く江戸のサムライ、歴史上のサムライ

北斎が挿絵を描いた《画本狂歌 山満多山(えほんきょうか やままたやま)》上

北斎と一門が絵師として活躍した江戸時代は、260年間、戦のない時代でした。 サムライは帯刀(たいとう)が許されており、江戸市中に2本差しのサムライの姿が見られることも日常の風景だったそうです。

葛飾北斎《画本狂歌 山満多山》上。飛鳥山(あすかやま)のお花見で酔っぱらい、羽織もはだけた2人のサムライが描かれています。

前のサムライは小唄(こうた)か都々逸(どどいつ)でしょうか。気持ちよさそうに歌っています。後ろのサムライは、担いだ酒樽の底を鼓(つづみ)代わりに打つ仕草。2人とも腰には刀を帯びています。

現代にも通じるお花見を楽しむサムライの姿です。

 

出典:リビング東京Web

葛飾北斎 画本狂歌 山満多山 上巻(通期展示)※半期で同タイトルの作品に展示替え すみだ北斎美術館蔵

旅するサムライ《冨嶽三十六景 従千住花街眺望ノ不二(ふがくさんじゅうろっけい せんじゅはなまちよりちょうぼうのふじ)》

参勤交代(さんきんこうたい)で国元へ帰る大名行列のサムライたちの姿が描かれています。千住宿は、奥州街道や日光街道の宿場町。

附袋(つけぶくろ)に入れた鉄砲を担いだサムライたちは、整然と隊列を組みながらどこか和やかでのんびりした表情。 田園風景が広がる彼方に、サムライたちを見送るように富士山がそびえます。

 

出典:リビング東京Web

葛飾北斎 左上 冨嶽三十六景 従千住花街眺望ノ不二 天保2年(1831)頃 大判錦絵(通期展示)※半期で同タイトルの作品に展示替え、右下『絵本庭訓往来』初編 文政11年(1828)頃 半紙本(通期展示) 全てすみだ北斎美術館蔵

歴史上、名うてのサムライ『北斎漫画(ほくさいまんが)』五編 源頼朝

常日頃から、身近にサムライを見ていた北斎と一門は、江戸時代、武勇や義信で名うてのサムライも描いています。

『北斎漫画』五編、鎌倉幕府を開いた源頼朝が烏帽子(えぼし)、狩衣姿(かりぎぬ)で描かれています(右ページ下)。 源氏の家紋・笹龍胆(ささりんどう)文様の狩衣で、海岸沿いに立ち遠くを見つめる凛々しい姿。背景の海岸は、由比ガ浜でしょうか。

 

出典:リビング東京Web

葛飾北斎 『北斎漫画』五編 源頼朝 文化13年(1816) 半紙本(通期展示) すみだ北斎美術館蔵

戦国のサムライ《加藤清正図(かとうきよまさず)》、《東照宮図(とうしょうぐうず)》《『秀雅百人一首』 今川義元(いまがわよしもと) 今川氏真(いまがわうじざね)》

正面左側、虎退治で知られる戦国武将《加藤清正図》。右側は、《東照宮図》ですが…、徳川家康(とくがわいえやす)に似ているでしょうか…。

左側、展示ケースには、《『秀雅百人一首』 今川義元 今川氏真》。 甲冑を着た今川義元。和歌に優れていたという紙と筆を手にした氏真。有職故実(ゆうそくこじつ)にも明るかったことから今川家は、徳川幕府の高家(こうけ)として仕えたそうです。

 

出典:リビング東京Web

正面左 抱亭五清 加藤清正図 文政(1818-30)末期~天保(1830-44)中期頃 絹本着色一幅(前期展示)、正面右 北僲 東照宮図 年代未詳 紙本着色一幅(前期展示)、左ケース内 葛飾北斎/歌川国芳 『秀雅百人一首』 今川義元 今川氏真 嘉永元年(1848) 中本(通期展示) 全てすみだ北斎美術館蔵

江戸時代のイメージで描かれた戦うサムライ

錦絵の武者絵シリーズ《鎌倉の権五郎景政 鳥の海弥三郎保則(かまくらのごんごろうかげまさ とりのうみやさぶろうやすのり)》

《鎌倉の権五郎景政 鳥の海弥三郎保則》。画面を縦に貫くように青白く光る太刀。 甲冑姿で組み合う2人。ぎょろりと大きな目で鳥の海弥三郎保則をにらみすえて、組伏せる鎌倉の権五郎景政。

北斎は、甲冑姿の武者(サムライ)を、戦いの緊張感と躍動感を感じさせる姿で自由に描いています。

 

出典:リビング東京Web

上段 鎌倉の権五郎景政 鳥の海弥三郎保則 天保(1830-44)初期 大判錦絵(前期展示)、下段右 『絵本魁』初篇 鎌倉権五郎景政勇力 天保7年(1836) 半紙本(通期展示)、下段左 『絵本魁』初篇 木曽の膳正義賢討死 天保7年(1836) 半紙本(前期展示) 全て葛飾北斎、すみだ北斎美術館蔵

源平合戦のサムライ《『絵本武蔵鐙』下 那須の与市宗高(なすのよいちむねたか) 扇の的のほまれ》

海中で馬上、弓をつがえる那須与一宗高。狙うのは遠く波間に見える平家の兵船に掲げられた扇の的。《『絵本武蔵鐙』下 那須の与市宗高 扇の的のほまれ》(左)。

弦音(つるね)とともに放たれた矢は見事扇の的を射抜き、源平双方から喝さいがあがったとか。

頭上高く弓を打起し(うちおこし)、的を見据えて左右へ引分け(ひきわけ)る馬上の与一。 矢を放った場面ではなく、打起しから引分けを縦向きに描いた与一の弓には緊張感と華やかささえ感じられます。

画面の都合上、平家の兵船は矢先に描いてあると思うように、と北斎の注意書きがあるとか。北斎の最初のデッサンがあれば見てみたいものです。

 

出典:リビング東京Web

左側平置き 『絵本武蔵鐙』下 那須の与市宗高 扇の的のほまれ 天保7年(1836) 半紙本(通期展示)、右側 畠山重忠 文政5年(1822)頃 摺物(前期展示) 全て葛飾北斎、すみだ北斎美術館蔵

サムライの刀剣は降魔(ごうま)の剣《『絵本魁』初篇 隠岐の次郎左ヱ門広有(おきのじろうざえもんひろあり)内裏に召れ化鳥(けちょう)を退治す》

武力だけでなくサムライには魔を払う降魔の力があると信じられていたそうです。 《『絵本魁』初篇 隠岐の次郎左ヱ門広有内裏に召れ化鳥を退治す》。『太平記』に、怪鳥退治のサムライとして出てくる隠岐広有(おきひろあり)は、鎌倉末期から室町初期のサムライ。

京の内裏に「いつまで、いつまで」と鳴く怪鳥が現れ、皆が恐れていたところ、広有が弓で射止めて退治した、とあるそうです。 北斎の『絵本魁』初篇では、片膝をつき薙刀(なぎなた)を構えて怪鳥に立ち向かう広有の姿が描かれています。

 

出典:リビング東京Web

葛飾北斎 『絵本魁』初篇 隠岐の次郎左ヱ門広有内裏に召れ化鳥を退治す 天保7年(1836) 半紙本(通期展示) すみだ北斎美術館蔵

サムライの得物、刀剣と北斎の最高傑作《冨嶽三十六景 神奈川沖波裏》波の共演

世界的にも知られる葛飾北斎の傑作中の傑作《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》。押し寄せる波のような形状の刃文・濤瀾刃(とうらんば)が特徴的な《刀 銘 津田越前守助広/延宝九年八月日》との共演です。 武者絵ではなく波を画題にした北斎の最高傑作が、江戸時代一世を風靡した、津田越前守助広が創始した刃文・濤瀾刃の刀と並ぶ異色のコラボは必見。

因幡藩主池田吉泰(いけだよしやす)が、八代将軍徳川吉宗(とくがわよしむね)より拝領した池田家伝来の太刀、重要文化財《太刀 銘 信房作》も同時に展示です。

 

出典:リビング東京Web

葛飾北斎 左側 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 天保2年(1831)頃 大判錦絵(通期展示)※半期で同タイトルの作品に展示替え すみだ北斎美術館蔵、右側 刀 銘 津田越前守助広/延宝九年八月日 延宝9年(1681) 刀(通期展示) 刀剣博物館蔵

展覧会関連イベント&ミュージアムグッズ

ARで北斎が描いたサムライたちと記念写真を撮ろう!

会期中は、関連イベントも開催されます。 ARで北斎が描いたサムライたちと記念写真を撮ろう!を3階ホワイエで開催。 会場のQRコードをスマートフォンで読み取りフォトスポットにかざすと、北斎と弟子によるサムライたちが集まってきます。

北斎が見つめた名のあるサムライや、太平の世の名もなきサムライたちと記念撮影が楽しめます。 すみだ北斎美術館、特別展「北斎サムライ画伝」は2月25日(日)まで。是非お出かけください。

期間:2023年12月14日(木) 〜 2024年2月25日(日) 料金:無料(ただし、特別展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要) ※AR体験に掛かるインターネット通信料は自己負担。

 

出典:リビング東京Web

ARで北斎が描いたサムライたちと記念写真を撮ろう! すみだ北斎美術館

特別展「北斎サムライ画伝」公式図録&ホログラムシール

本展の作品が全て収録された『特別展「北斎サムライ画伝」公式図録』(2,600円)。作品解説や担当学芸員によるコラムなど特別展をより楽しめる内容です。

また、後期展示が始まる2024年1月23日(木)~2月12日(月・振休)の期間に特別展を観覧すると、特別展「北斎サムライ画伝」ホログラムシールのプレゼントがあります。ホログラムシールは2種類。(各先着500名、無くなり次第終了。絵柄は日替わり。詳細はHPをチェック。)

 

出典:リビング東京Web

左から 特別展「北斎サムライ画伝」公式図録、同展ホログラムシール すみだ北斎美術館

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、特別展「北斎サムライ画伝」会期限定グッズの高札付箋(770円)、戦国家紋名鑑ファイル(440円)を購入。

また、すみだ北斎美術館とフェリシモ「ミュージアム部」のコラボアイテム『新形小紋帳』靴下藍鼠(1‚760円)もゲットしました。北斎のデザインによる江戸小紋が粋な靴下です。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ すみだ北斎美術館

〇すみだ北斎美術館 URL:https://hokusai-museum.jp/ 住所:〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号 TEL:03-6658-8936(9:30-17:30 休館日除く) 交通:都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分、JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分、都営バス「都営両国駅前」より徒歩5分、墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)停留所」からすぐ

〇特別展「北斎サムライ画伝」 会 期:2023年12月14日(木)〜2024年2月25日(日) ※前後期で一部展示替えを実施 前期:2023年12月14日(木)~2024年1月21日(日) 後期:2024年1月23日(火)~2024年2月25日(日) 開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで) 休館日:毎週月曜日 ※開館:2月12日(月・振休) 休館:2月13日(火) 会場:3階企画展示室、4階企画展示室 観覧料:一般 1,200円、高校生・大学生 900円、65歳以上 900円、中学生 400円、障がい者 400円、小学生以下 無料 ※団体での来館は当面の間受付しないとのこと ・中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証の提示が必要です ・65歳以上の方は年齢を証明できるものの提示が必要です ・身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで障がい者料金で拝観可(身体障害者手帳などの提示が必要です)。 ・観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可

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