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神々のつどう国。海が素晴らしい【界 出雲】で神話の世界を体験する

  • 2024.1.14

2022年11月に開業した星野リゾートの温泉旅館【界 出雲】では、八百万(やおよろず)の神様たちが集まる出雲大社など、神話にまつわる日本の文化を体験できます。出雲松島とも呼ばれる美しい海と、純白の灯台を望む2タイプの客室を用意。神々のつどう国で、神話の世界に触れられます。

出雲の海を望む温泉旅館

その土地の歴史や文化に触れられる星野リゾートの温泉旅館「界」。日御碕(ひのみさき)のほぼ先端にある【界 出雲】は、大山隠岐国立公園にあって、日本海に面した景勝地に建つ宿です。日御碕神社や出雲日御碕灯台なども近くです。

神々のつどう国。海が素晴らしい【界 出雲】で神話の世界を体験する

▲観光にも便利な立地です

出雲大社へは車で約20分ほど。宿のすぐ横には出雲日御碕灯台が立つほか、徒歩5分ほどの場所には日本の夜を守る日御碕神社が置かれます。

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▲スタッフの制服には、襟と袖に地域の図柄があしらわれます

日本神話では、出雲に降り立ったスサノオが詠んだ「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」が日本初の和歌と言われます。ヤマタノオロチから救出したクシナダヒメを妻に向かえ、立派な家を建てる、と願うようにも読め、出雲を象徴する図柄として「八雲」が描かれています。

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▲エントランスの壁には古来の技術が宿ります

真っ青な壁は、出雲の海とそこに沈む夕日がモチーフ。古来から良質な砂鉄の産地として知られる島根県東部では、日本刀の原材料となる「玉鋼(たまはがね)」が伝統技法によって精製され、その過程で出る不純物「ノロ」を円形に飾り、壁に陰と陽を表現しています。この中に1つだけ玉鋼が隠れているので、ぜひ探してみてください。

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▲「ご当地楽広場」

大浴場に向かう途中にある広々としたロビーラウンジ「ご当地楽広場」は、出雲の海を眺めながらゆったり過ごせるフリースペース。温泉の効果的な入浴方法を教えてくれる「温泉いろは」や地域の伝統芸能「石見神楽」を披露する「ご当地楽」の会場にも使われます。どちらも無料なので、ぜひ参加してみましょう。

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▲ご当地楽広場のベンチにも島根の伝統が息づきます

ベンチには、島根県をはじめ山陰地方でよく目にする赤褐色の石州瓦(せきしゅうがわら)が使われ、反った形は波を表します。伝統工芸品などでしばしば耳にする石州とは、古墳時代から続く島根県の西半分を占める石見国(いわみのくに)の別名です。

全ての部屋から海が見えます

界 出雲では、全客室39室すべてがその土地の個性を活かした「ご当地部屋」です。西向きの部屋は出雲日御碕灯台ビュー、東側は “出雲松島” とも称されるリアス式の海側ビュー。どちらの客室も海が見られるテラスつきで、それぞれ異なる海の情景を楽しめます。

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▲灯台ビューのご当地部屋「彩海の間」

日本海に面した西向きの客室ではきれいな夕日が見られます。こちら側のリビングカラーは夕日の補色の藍色を採用。陽の光が壁になじむことなくきれいに見えるシックな藍色が選ばれています。

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▲ご当地作家のアート作品を飾ります

ヘッドボードの作品は、左右異なる作家が日本海の水平線をイメージ。左が8世紀初頭から続く石州和紙、右は江戸時代からはじまった筒描(つつがき)藍染で、部屋ごとに作品も異なります。

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▲クッションを彩る土地の色

黄色のクッションカバーは草木染め。青は藍染で海のキラめきを表現します。

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▲パウダールームとシャワーブース

大浴場があるため、一部の客室を除きほとんどの客室にはバスタブのないシャワーブースを備えます。

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▲灯台ビューの客室からは夕日がきれいに見えました

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▲海側(出雲松島ビュー)の客室

海側客室からは、天気のいい日は朝日が見られます。壁は朝日をモチーフに、ベンガラ色に染めた和紙を使用。季節や天候、時間によって色見が変わるので、時と共に移ろう壁色を楽しめるのもポイントです。

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▲海側客室からの眺め

東向きの客室からは、宮城県沿岸の景勝地「松島」に似ていることから “出雲松島” と呼ばれる眺望を楽しめます。

滞在を楽しむための客室備品

地域の伝統工芸品をはじめ、施設ごとに色の異なる風呂敷や景色を楽しむためのカードなど、滞在が楽しくなる小物たちにも注目です。“神は細部に宿る” という言葉があるように、滞在の楽しみもさり気ない箇所に現れます。

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▲日の出と日の入りの時刻を記したカード

チェックイン時に渡されるカードは灯台の形にくり抜かれていて、なんともお洒落。出雲松島向きの客室では日の出と朝焼け、灯台向きの客室からは日の入りと夕日が見えるので、自然が織りなす美しい光景をぜひ楽しんでみてください。カードも旅の記念になりますね。

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▲島根県江津市の「石州(せきしゅう)嶋田窯」の茶器

「石見焼」は島根県江津市を中心に江戸時代から造られ、昭和中ごろまで水瓶や塩壷として全国に出荷されました。「石州嶋田窯」は今も登り窯で作る石見焼の窯元で、宿の売店でも販売しています。

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▲アメニティの入った風呂敷

「界」ブランドの旅館では、施設ごとに違う色の風呂敷を用意。歯ブラシやヘアブラシなどのアメニティが入っています。大浴場や食事など、小物を入れて持ち運ぶときにも役立ちます。そして色違いの風呂敷を集めるのも “界巡り” の楽しみです。

開放感抜群!絶景を楽しむ大浴場

大浴場に引かれた温泉は特別感たっぷり。海を思わせるほど塩分濃度の高い強塩泉を「清めの塩」に見立て、神社にお参りする前に身体を清める “禊(みそぎ)風呂” として、これ以上はない温泉です。夜は露天風呂からイカ釣り漁の灯りや星空を望み、翌日は日の出を見ながら朝風呂を楽しめます。

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▲お風呂が楽しくなる「温泉いろは」

予約なしで気軽に参加できる「温泉いろは」は、ロビーラウンジ「ご当地楽広場」で毎日16時から。温泉の泉質や効果的な入浴方法が楽しく学べて、お風呂に浸かって実践できる湯治体操も習えます。お風呂の前におすすめのアクティビティです。

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▲大浴場入口には「筒描(つつがき)藍染」の暖簾がかかります

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▲昼間は出雲松島の眺望が楽しめます

濃厚な塩分を含む温泉は、界 出雲の敷地内から湧く「ナトリウム-塩化物強塩泉」。お風呂あがりに塩分を真湯でサッと流すのがおすすめの入り方です。

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▲壁から流れ落ちるぬる湯で禊(みそぎ)

内風呂の一番奥には、壁から流れ落ちる源泉かけ流しで37度ほどのぬる湯があります。まずここに入ってお湯に慣らし、出雲大社にお詣りする前の “禊の湯” として身体を清めるのが界 出雲流です。

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▲女湯の露天風呂

露天風呂は男女とも開放感抜群で、寝湯も用意。海一望の景色をゆったり楽しみながら湯あみを楽しみました。

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▲湯上りドリンクも!

湯上りドリンクとして、出雲産の麦を使った「出雲麦茶」と、出雲で有名な出西生姜を使った「出雲生姜ドリンク」を用意。生姜ドリンクはちょとピリ辛で蜂蜜とレモンでさっぱり。身体も内側から温まります。

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▲地元のアイスキャンディーも!

湯上りに食べたいアイスキャンディーは、「大山こだわりミルク」、「大山濃い抹茶」、「白バラコーヒー ミルクバー」と、お隣の鳥取県にある大山乳業のご当地アイス3種類を用意。「白バラコーヒー ミルクバー」はさっぱりした味わいでとても美味しかったです。

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▲界のお宿巡りが楽しくなる「お湯印帳」

宿ごとに地域や歴史などをモチーフにした御朱印を押してもらえる「お湯印帳」。古代出雲大社と出雲日御碕灯台が描かれたスタンプを押印してもらいました。泉質や説明も書いてあるので旅の思い出にもなります。

|神々が降り立つ出雲の海

界 出雲で景色を楽しみながらのんびりとした時間を過ごすなら、おすすめの場所はトラベルライブラリー。海を見ながら、ゆったりとしたソファでコーヒーを楽しめるほか、さらに眺望をダイナミックに楽しめるテラスも用意。神話の時代から続く悠久の時の流れに身も心もゆだねてみてはいかがですか。

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▲トラベルライブラリーには島根の文化を紹介する書籍をはじめ、絵本などもそろえます <画像提供:星野リゾート>

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▲海一望のカウンター席がある「かわたれテラス」 <画像提供:星野リゾート>

出雲の海を一望する「かわたれテラス」は、日の出の時刻にも訪れておきたいです。

驚きと興奮の「石見神楽」

その土地の伝統芸能や工芸品、歴史などに触れられる界の「ご当地楽」。界 出雲では島根に伝わる「石見神楽(いわみかぐら)」が、宿のスタッフにより演じられます。演目は出雲大社の起源とされる神話「国譲り」。豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに=日本)の譲渡をめぐり、二人の神が戦う勇壮な物語です。

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▲宿のスタッフが演じる「石見神楽」に感動

毎晩21時30分からはじまる「石見神楽」は、とてもドラマチックで驚くほどのスピード感。そのうえ至近距離で観れるので迫力満点。戦いの途中で衣装が早替わりするので、瞬きは厳禁です。

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▲「ご当地楽広場」には石見神楽の衣装が飾られています

金糸を織り込んだ神楽の衣装は手縫いで作られ、絢爛豪華。龍の顔は立体的に作られていて、1着30kgもあるものも。面をしているので気づきませんが、この日は女性スタッフも戦いのシーンを演じていました。

出雲の神秘を感じる朝の体操

「界」では毎朝「現代湯治体操」がおこなわれ、その土地に合わせた振付を用意します。界 出雲の体操は、稲佐の浜に降り立った八百万の神々が、出雲大社へと向かう様子をモチーフに、弁天島を探す動きや日本海の荒波を表した動きなど、独特の動作を楽しめます。

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▲「稲佐の浜 神の渡り体操」で清々しい1日をスタート。空には八雲が!

温かい季節になると庭で体操をおこなうので、刻一刻と移り変わる空の様子を堪能。時には雲の切れ間から光の柱が延びる薄明光線、別名“天使のはしご”が見られることも。この日の朝は、まさに神々に近づくような気分を味わうことができました。

出雲文化に彩られた神々の世界に触れられる【界 出雲】。同じく島根県内にある「界 玉造」では美肌の湯として有名な温泉と、島根発祥とされる日本酒を用意。さらにご当地楽の神楽では、界 出雲は国譲り、界 玉造ではヤマタノオロチと、異なる演目を楽しめます。界 出雲から界 玉造の順に巡るのがおすすめだとか。ぜひ2つの界を楽しんでみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:界 出雲 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiizumo/>

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