1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. セネシオ‘エンジェルウィングス’はシルバーリーフが魅力! 特徴や育て方を詳しく解説

セネシオ‘エンジェルウィングス’はシルバーリーフが魅力! 特徴や育て方を詳しく解説

  • 2024.1.13

セネシオ‘エンジェルウィングス’は、細かい産毛に覆われたシルバーグリーンの茎葉をもつ、カラーリーフプランツの一種です。この記事では、基本情報や特徴、名前の由来・花言葉、種類、育て方のポイントについて詳しく解説していきます。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の基本情報

セネシオ‘エンジェルウィングス’
Elena Rostunova/Shutterstock.com

植物名:セネシオ‘エンジェルウィングス’
学名:Senecio candicans “Angel Wings”
英名:Sea Cabbage、Angel Wings
和名:セネシオ‘エンジェルウィングス’
科名:キク科
属名:セネシオ属
原産地:南米チリ
分類:宿根草(多年草)

セネシオ‘エンジェルウィングス’の学名は、Senecio candicans ‘Angel Wings’(セネシオ・カンディカンス‘エンジェルウィングス’)で、キク科セネシオ属の多年草。ガーデニングで人気の高いシロタエギクの仲間で、フェルトのような柔らかな触り心地のシルバーグリーンの茎葉が特徴です。常緑性のため、一年を通して美しい葉色を楽しめます。原産地は南アメリカのチリで、乾燥した気候に自生してきたため、高温多湿が苦手。一方で寒さには強く、戸外で越冬できます。草丈は20〜50cmほどです。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の花や葉の特徴

セネシオ‘エンジェルウィングス’
Peter Turner Photography/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:5〜7月
草丈:20〜50cm
耐寒性:強い
耐暑性:弱い
花色:黄色

細かい産毛に覆われたシルバーグリーンの茎葉は、平たく大きいのが特徴。柔らかくてフェルトのような触り心地も魅力です。初夏に黄色い花が咲き、茎葉とのコントラストが美しいのですが、葉の観賞を目的とするなら、株が消耗するのを防ぐためにつぼみのうちに摘み取るとよいでしょう。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の名前の由来や花言葉

セネシオ‘エンジェルウィングス’
Peter Turner Photography/Shutterstock.com

セネシオは学名のSenecioがそのまま流通名となったもの。ラテン語の「senex」を由来としており、老人という意味を持っています。エンジェルウィングスは品種名です。

花言葉は、「いつも喜んで」。

セネシオ‘エンジェルウィングス’とシロタエギクとの違い

セネシオ‘エンジェルウィングス’とシロタエギク
左がセネシオ‘エンジェルウィングス’、右がシロタエギク。simona pavan、Volodymyr Zakharov/Shutterstock.com

セネシオ‘エンジェルウィングス’は、シロタエギクの仲間ですが、見た目には大きな違いがあります。シロタエギクは葉に多数の切れ込みが入ってレースのような繊細な葉姿が特徴的ですが、セネシオ‘エンジェルウィングス’は対照的に葉には切れ込みが入らず、大きな楕円形のぽってりとした姿をしています。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の栽培12カ月カレンダー

開花時期:5〜7月
植え付け・植え替え:通年(真夏を除く)
肥料:3〜5月、9~10月

セネシオ‘エンジェルウィングス’の栽培環境

セネシオ‘エンジェルウィングス’
Ballygally View Images/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所で育てます。日当たりが悪い場所では、ヒョロヒョロとか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびするので注意しましょう。ただし、高温多湿には弱いので、真夏は西日の当たらない半日陰のほうが管理しやすいです。鉢植えの場合は半日陰に移動するとよいでしょう。

【日当たり/屋内】一年を通して屋外で管理します。

【置き場所】自生地はほとんど雨が降らない乾燥した気候のため、水はけのよい土壌を好みます。鉢植えの場合、梅雨~夏にかけては、雨が当たらない半日陰に移動するとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

高温多湿の暑い夏を苦手とし、特に蒸れに注意が必要です。耐寒性はマイナス5℃程度と寒さには強いため、戸外で越冬できます。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土中粒6、腐葉土4を混合し、さらに元肥として緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。

水やり

水やり
Osetrik/Shutterstock.com

セネシオ‘エンジェルウィングス’は細かな産毛を株全体にびっしりまとっています。そのため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので水やりの際には注意してください。株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えるようにしましょう。

真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。

土の表面が十分に乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やり忘れに注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。

施肥

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

土づくりの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。追肥はほとんど必要はありませんが、夏を除く3〜10月の生育期に株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。ただし、夏に肥料が残っていると株にダメージになるので控えめに。

注意する病害虫

アブラムシ
nechaevkon/Shutterstock.com

【病気】

セネシオ‘エンジェルウィングス’が発症しやすい病気は、ほとんどありません。

【害虫】

セネシオ‘エンジェルウィングス’に発生しやすい害虫は、アブラムシやナメクジなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ナメクジは花やつぼみ、新芽、新葉などを食害します。体長は40〜50mmほどで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や落ち葉の底などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に不快な粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺するか、ナメクジ用の駆除剤を利用して防除してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の詳しい育て方

苗の選び方

葉色が美しく、株元がしっかりした苗を選びます。葉が黄色くなっていたり、株元がぐらついているようなものは避けましょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
OlegDoroshin/Shutterstock.com

植え付けは一年を通して行ってよく、苗を購入したら早めに植え付けてください。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも一回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。

庭植えの場合は、環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにして構いません。

【鉢植え】

苗を単植するなら、鉢のサイズは、5〜6号鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をほぐして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。

日常のお手入れ

はさみ
Aleksei Golovanov/Shutterstock.com

【つぼみの除去・花がら摘み】

セネシオ‘エンジェルウィングス’は小さな黄色い花を咲かせますが、どちらかというとシルバーリーフの茎葉を主に観賞します。花を咲かせると株が消耗してしまうので、茎葉の観賞を重視するならば、つぼみがついたら早めに摘み取りましょう。

また、セネシオ‘エンジェルウィングス’の花を楽しむなら、終わった花は、適宜摘み取りましょう。まめに傷んだ花を摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まってしまうので注意しましょう。

切り戻し

草姿が乱れてきたら、適宜切り戻して株の若返りをはかります。草丈の半分くらいまでを目安に、深めにカットしましょう。梅雨前に行うと、株が蒸れやすくなるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。

増やし方

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

セネシオ‘エンジェルウィングス’は、株分け、挿し芽で増やすことができます。

【株分け】

セネシオ‘エンジェルウィングス’の株分けの適期は5〜6月か10月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げ、数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽できないものもありますが、セネシオ‘エンジェルウィングス’は挿し芽で増やせます。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の挿し芽の適期は、5〜6月か10月頃です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります(挿し穂)。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

夏越し・冬越し

マルチング
Anton Starikov/Shutterstock.com

●夏越し

【地植え】

近年、日本は温暖化が進んで夏の暑さが大変厳しくなっています。高温や強光線によって株が弱るのを防ぐために、一日中チラチラと木漏れ日が差す程度の落葉樹の足元や朝のみ日が差し込む東側などに移植するか、遮光ネットを張って対策するとよいでしょう。

【鉢植え】

セネシオ‘エンジェルウィングス’は産毛に覆われているせいで蒸れやすいため、長雨が続く時期は軒下など雨の当たらない場所に移動するとよいでしょう。また、真夏の高温多湿の環境を苦手とするので風通しのよい半日陰など、涼しい場所で管理します。

●冬越し

【地植え・鉢植えともに】

寒さには強いので、暖地なら戸外で越冬できます。その際は、株元にバークチップなどを施してマルチングをし、凍結対策をしておくのがおすすめです。

セネシオ‘エンジェルウィングス’が枯れる原因と対処法

セネシオ‘エンジェルウィングス’
Elena Rostunova/Shutterstock.com

セネシオ‘エンジェルウィングス’が枯れる原因の一つと考えられるのは、水の与えすぎです。自生地は乾燥した気候のため、日本のように雨の多い気候は苦手。庭植えでは水はけのよい土壌をつくっておくこと、鉢栽培では土が乾き切った頃に水やりする程度の頻度で水やりすることがポイントです。また茎葉が産毛で覆われているために、水がかかると蒸れやすくなるので、水やりの際は表土に水を注ぐようにしましょう。

セネシオ‘エンジェルウィングス’購入時の注意点

セネシオ‘エンジェルウィングス’
Paul and Studio/Shutterstock.com

セネシオ‘エンジェルウィングス’は、チリとの交流をきっかけに認可され、岩手県八幡平のみで生産されています(2022年調べ)。人気が高いながらも流通量は少なく、インターネットでの販売が中心です。正規に生産されている苗は‘エンジェルウィングス’のブルーのラベルが目印。ラベルのないものは不正に増殖されている可能性があるので、購入時には注意が必要です。

木立性セネシオとは

木立性セネシオ
Vipul1989/Shutterstock.com

「木立性セネシオ」の名で流通する草花がありますが、セネシオ‘エンジェルウィングス’とは別属で、キク科ペリカリス属に分類されています。花も葉も姿は全く異なり、花はサイネリアに似ています。花色は紫、ピンク、青、白があり、冬から春にかけて開花します。

セネシオ‘エンジェルウィングス’の白く愛らしい姿を楽しもう

セネシオ‘エンジェルウィングス’
DRIMOROND/Shutterstock.com

寄せ植えなどでは、主役の草花の引き立て役として重宝するセネシオ‘エンジェルウィングス’。常緑のため、冬でも輝くような美しい葉姿を保つのもいいですね。カラーリーフプランツとして、ベランダや庭に迎え入れてはいかがでしょうか。

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

元記事で読む
の記事をもっとみる