1. トップ
  2. エンタメ
  3. なぜハリーの両親は殺された? 映画『ハリー・ポッター』徹底考察。闇の魔法使い・ヴォルデモートの意外な動機とは? 解説

なぜハリーの両親は殺された? 映画『ハリー・ポッター』徹底考察。闇の魔法使い・ヴォルデモートの意外な動機とは? 解説

  • 2024.6.29
  • 3634 views

世界中で愛され、今なお多くの人々の心を魅了し続ける『ハリー・ポッター』シリーズ。作中では、闇の魔法使いヴォルデモートの魔の手により、ハリーの代わりに両親が命を落としてしまう。彼らはなぜ死ななければならなかったのか。今回は、米を参考に、ヴォルデモートがハリーの両親を殺害した理由について解説しよう。

なぜハリーの両親は犠牲にならなければならなかったのか

映画『ハリー・ポッターの賢者の石』主演のダニエル・ラドクリフ
映画『ハリー・ポッターの賢者の石』主演のダニエル・ラドクリフ【Getty Images】

映画『ハリー・ポッター』シリーズは、闇の魔法使いであるヴォルデモート卿がハリーの父ジェームズ・ポッターと母リリー・ポッターを殺害するところから始まる。しかしその理由が明かされるのは、5作目の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)になってからだ。

主人公のハリーは、史上最も邪悪な魔法使いヴォルデモート卿に刻まれた額の傷跡により、ヴォルデモート卿の禁断の死の呪い「アバダ・ケダブラ」から唯一生き延びた人物として魔法界で知られた存在になった。

しかしハリーはヴォルデモートの魔の手から逃れたが彼の両親は殺害されてしまった。なぜヴォルデモートはハリーを標的にし、彼の両親を殺害したのだろうか。その答えは、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』に記されたある予言に隠されている。

闇の魔法使いに放たれた恐るべき予言

映画『ハリー・ポッターの賢者の石』
映画『ハリー・ポッターの賢者の石』【Getty Images】

ハリーがこの世に生を受ける前、ホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドアは、ホグワーツ近郊のホグズミード村のパブ兼宿屋ホッグズ・ヘッドで、後に占い学教授となるシビル・トレローニーの面接を行った。

ダンブルドアは当初、彼女の才能を認めなかったが、彼女の口から闇の帝王を倒すための以下の予言を語られたことから風向きが変わる。

「七月の末、闇の帝王に三度抗った両親から生まれる子どもは、闇の帝王にはない力を持つ。闇の帝王自らがその子を比肩し示す。一方が生きる限り、他方は生きられぬ」

ヴォルデモートの側近の死喰い人(デス・イーター)だった魔法薬学教授のセブルス・スネイプは、この予言の一部を盗み聞きし、早速ヴォルデモートに伝える。

そしてヴォルデモートは、ハリーが将来的に自身を滅ぼす脅威になりうると察知し、ハリーを探し出し、赤ん坊のうちに芽を摘んでおこうと試みたのだ。

ヴォルデモート自身が選び取った運命のいたずら

映画『ハリー・ポッターの賢者の石』
映画『ハリー・ポッターの賢者の石』【Getty Images】

しかし、この予言にはハリーの名前は記されていないし、ハリーを特定することもできない。現に、ネビル・ロングボトムの両親もヴォルデモートに3度逆らい、ハリーの両親同様7月にネビルを出産している。

ではなぜヴォルデモートはネビルではなくハリーを選んだのか。それは、ハリーの境遇に自身の姿を見出したからだろう。現に、ヴォルデモートの父親トム・リドルはマグルであり、母親のメローピー・ゴーントを捨てて別の女性に走ってしまう。つまりヴォルデモートは、マグルの母親を持つハリーを自分と似た存在だと感じたのだ。

そして、この事実は、ヴォルデモートが運命の存在を自身で選び取っていたことを示唆している。つまり、ハリーは、運命によって選ばれたのではなく、ヴォルデモート自身の手によって運命の存在に仕立て上げられたのだ。

さて、ハリーを運命の存在に仕立てたヴォルデモートは、ポッター家の秘密の守り人ピーター・ペティグリューのタレ込みからハリーの両親の居場所を知ることになる。そして、ヴォルデモートは直ちにジェームズ・ポッターを殺害。続いてハリーを殺害しようと試みるが、リリーにより妨害される。

最終的にヴォルデモートは、傷跡をハリーの額に刻むことで、彼を自分と同等の存在に仕立て上げてしまう。つまりヴォルデモートは、自身を倒す力をハリーに与えたことで、自らトレローニーの予言を成就させるに至ったのだ。

元記事で読む
の記事をもっとみる