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防災に活きるアウトドアギア!CAMMOCが提案する「防災キャンプ」って?【まとめ記事】

  • 2024.1.12

何もない場所であってもアウトドアギアがあれば安心だ。それはレジャーばかりでなく、防災を考えたときも同じ。そんなアウトドアギアを使った防災スタイル「SDGs防災キャンプ」を提唱する三沢真実さんに話を聞いてみた。

CAMMOC(キャンモック)共同代表
三沢真実さん

一児の母、 ひとりのクリエイターとして、息子との日々を愛おしみながら好きを仕事に活動中。「SDGs防災キャンプ~キャンプをしながら無理なく無駄なく楽しく防災~」を提唱し、防災キャンプ講座や執筆、オリジナル商品開発などに力を入れる。

以前は三沢さん自身も防災意識は低く、非常時用の持ち出し袋を準備する程度だった。けれど昨今増えている自然災害を目の当たりにして、行動を起こしたという。

「まずは、ライフラインがストップしたことを想定して、道具をそろえるところから始めました。すると、いつも使っているキャンプ道具である程度、命をつなぐ生活ができそうであること。さらに消耗品などはあと何がどれぐらい必要かをスムーズにイメージすることができたんです。その時にキャンプと防災の親和性を感じて、みんなに知ってほしいと思うようになりました」

行動を始めると、徐々に違和感を覚えるようになってきた。それは、「防災」という言葉から導かれるイメージの違和感。防災と聞くと、日常から切り離された過酷な印象が強く、何をしたらいいか分からなかったのだ。

「私がこれまでキャンプをしながら集めたかわいい道具や覚えた知識は、楽しみながらそろえ、自然と身に付いていったものだったからです」。
そこで、「防災ってどうしたらいいか分からない」という人でも、キャンプを楽しみながら防災力が身に付く方法を探し始めるようになったという。

では、そんな三沢さんがおすすめする防災×アウトドアギアを見てみよう。

明かりを手に入れる

防災に活きるアウトドアギア!CAMMOCが提案する「防災キャンプ」って?【まとめ記事】
左から、ソーラー充電のエムパワードベースとエムパワード エマージ、スピーカー付きのMoriMori LEDランタンスピーカーS、ベアボーンズビーコンライトLED 2.0、右手前が手回しで充電できるPanasonic FM/AM2バンドレシーバーRF-TJ20。

まず備えておきたいのが明かりだという。電池切れの心配がないソーラーや手回し充電のLEDタイプがおすすめ。スマホへの充電機能付きであれば、さらに安心感がある。

生活のなかにソーラー充電を取り入れ、防災の準備を習慣とするのもいい。ランタンに絵を描くなど、子どもが参加できると防災への意識も高まる。

毎日の生活にキャンプ

キャンプ道具を普段から使っていれば、いざというときも、いつもとそんなに変わらない生活を送ることができる。効果的なのは、調理器具などを共有化すること。
使い慣れていないキャンプ道具を利用しようとしても、水加減や火加減などに違いがあって、おいしい食事を作ることは難しい。

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三沢さんの自宅ではSOTOのエミールが活躍している。ダッチオーブンを加熱して、保温性の高いエミールに入れておけば、煮物料理などがおいしくできる。
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所有しているだけで満足できる存在感が、楽しい防災対策につながるのだ。キャンプ用バーナーもいろいろなタイプを用意しておくと便利。
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寝袋のノルディスクアーモンド+10はファッショナブルで、扱いやすい封筒型

どれも機能性を兼ね備えながら、生活のなかでディスプレイしておきたくなるデザイン性の高さがポイント。
アウトドアで使うのはもちろん、普段の生活でもしっかりと使えるモノをチョイス。そしていざというときは防災にも役立つアイテムばかりだ。

アウトドアギアを活かした新しい防災スタイルを提唱する三沢さん。しかし、キャンプ道具は防災用品ではない。防災用品をキャンプ用品だけで賄おうとするのではなく、キャンプをすることで防災に役立つことがたくさんあるということを知ってほしいというのが、三沢さんの思いだ。その最初の一歩として、まずはキャンプを楽しんでほしいという。

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Jackeryのポータブル電源は、自治体の防災対策用品として広く活用されている。電源のない場所や停電時であっても、ソーラーパネルを接続することで、電気が確保できるのは安心だ。

「キャンプに行って、ライフラインなしで過ごすと、生きる知恵と自信がだんだんと身に付いてきます。そうしているうちに、生き延びるために必要な物や量を知ることができるのです。こうした経験は、不安な気持ちから何かを買い集め続けることを回避できるだけでなく、余裕があるものは分け合うこともできるようになるのです」

それは物質的なことだけでなく、人と人のつながりも生むという。「そうすることで、自分自身だけではなく大切な人も守ることができるようになるのです。このように助け合うことができる循環を生み出すことがサスティナブルであり、SDGs防災キャンプの目指すところなのです」

では、三沢さんがおすすめする防災×アウトドアギアを見てみよう。

生活にとけこむ存在感

防災アイテムをインテリアにすれば、防災がライフスタイルになる。普段から目にすることで、探す必要がなくなり、その状態を常に確認できる。キャビネットにランタン、ポータブルバッテリー、ソーラーパネル、ツールボックスなどを置いてもいい。左の切り株の上にあるのはマフス住宅用消火器。デザイン性が高く、インテリアにもなじんでいる。

三沢さんのおすすめ。左端2点は、すすぎのいらない洗濯洗剤・がんこ本舗「海へ…Step」、右端2点は拭き取りタイプの食器洗剤・がんこ本舗「森と…」。中央2点は、メイク落としとドライシャンプー。水がなくても洗髪・洗顔ができるので便利。

防災意識を高めるパッケージ

三沢さんは、カテゴリーごとにアイテムをパッケージして整理。キャンプへ行くときも、いざというときも、すぐに使用できる状態にまとめておくことが大切。さらに、キャンプへ行くたびに持ち物を見直したり、消費したりすることで、足りなくなったものをすぐに補充する習慣も付けることができる。そうすると、自然と防災意識も高まってくるという。

子どものためにできること

防災で忘れがちなのが子どもたちのケア。そこで、子ども用のアイテムも用意しておいたほうがいいという。トランプやボードゲームなどの遊び道具があれば、被災時の子どもたちの不安も解消される。もちろん財布や連絡メモ、そして子ども用の軍手やヘッドライトがあればなお安心。

キャンモックでは今後もさまざまな活動を通して、SDGs防災キャンプの活動を行なっていくそうだ。イベントなどで、その体験を提供して、子どもたちやいろいろな世代の人が防災に関心をもってほしい、と願っている。

PHOTO/渡辺圭史、中里慎一郎
TEXT/渡辺圭史
協力/CAMMOC
出典/ガルヴィ2022年10月号

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