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オベリスクで素敵な庭づくり! 選び方やつる性植物の仕立て方を知ろう

  • 2024.1.11

皆さんは、ガーデンで時々目にオベリスクというアイテムをご存じでしょうか? オベリスクは、植物のつるを絡めて立体的に仕立てることができたり、庭にアクセントを加えたり、華やかさを添えるのにもぴったりなアイテムです。この記事ではオベリスクの概要から選び方のポイント、植物を仕立てる方法などについて解説します。

オベリスクとは

オベリスク
Molly Shannon/Shutterstock.com

まずは、オベリスクとはどのようなものなのかをご紹介します。

オベリスクの概要

オベリスク
Andrew Fletcher/Shutterstock.com

オベリスクとは、もともと古代エジプト時代に神殿の入り口に建てられた記念碑のことですが、日本では、ガーデニングに使われる、つる性植物を絡ませる立体的な支柱を指すことが多いです。上方が細く尖った形状だったり、円柱形のものがよく見られます。オベリスクを設置して植物を誘引することで、小さなスペースでもつるバラやクレマチスなどを育てることができ、360°どこからでも花を観賞することができます。

トレリスとの違い

トレリス
AgneshUladar/Shutterstock.com

オベリスクと似た用途のガーデニングアイテムにトレリスがありますが、両者にはいくつかの違いがあります。トレリスは、フェンス状になった支柱のことで、格子状だけでなくデザイン性の高いものもあり、つる性植物をからませたり、そのままオブジェとして飾ったり、間仕切りとして使うこともできます。トレリスはフェンス状で植物を平面的に仕立てますが、オベリスクは円柱形などの立体的な形状であることが大きな違いです。

オベリスクにおすすめの植物

オベリスク
KPG-Payless/Shutterstock.com

オベリスクは、つる性植物を絡ませるための便利なアイテムです。美しい花を咲かせるものを絡ませて育てると見栄えもよく、植物に日が当たりやすく栽培にも向く仕立て方です。つる性植物の中でも、クレマチス、アサガオ、トケイソウ、ジャスミンなど、支柱に巻きついて伸びる植物が簡単でおすすめ。自ら巻き付かないため誘引して固定する必要はありますが、つるバラを絡めたオベリスクも華やかで、非常に人気があります。また、ミニサイズのゴーヤやミニトマトなどの、長く茎を伸ばす野菜の栽培に使うこともできます。

オベリスクを使うメリット

条件
Zoomik/Shutterstock.com

オベリスクを使うと縦方向に立体的に植物を仕立てることができるため、小さなスペースでコンパクトにガーデニングを楽しむことができます。さらにスタイリッシュな見た目で、庭のデザインにメリハリが生まれます。

植物の生育にとってもメリットがあり、風に弱い植物や枝が横に広がりやすく不安定な植物も、オベリスクを使って仕立てると植物がより安定し、美しい形を保つことができます。またオベリスクを活用すると、安定して高くつるを伸ばすことができ、たくさんの花を楽しむことができます。

オベリスクを選ぶ5つのポイント

疑問
Fagreia/Shutterstock.com

オベリスクにもたくさんの種類があるため、どのようなものを選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。ここではオベリスクを選ぶ際のポイントを解説します。

1.オベリスクの高さ

オベリスク
Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com

オベリスクのサイズは、誘引したい植物の樹高を目安にして選びます。

枝や茎が太く大輪を咲かせるような植物を誘引する場合は、幅が小さいオベリスクではうまく巻き付けられず折れてしまうことがあるため、大きめのものを選びましょう。植物のサイズが今は小さくても、将来的に大きく成長する植物の場合も、最初から大きめなオベリスクを選ぶことをおすすめします。後からオベリスクを別のものに取り替えるのは非常に手間がかかるため、植物が成長した後のことも見据えて選ぶことが必要です。

2.鉢植えで使うか地植えするか

オベリスク
Mira Drozdowski/Shutterstock.com

オベリスクには、地面に挿す「地植えタイプ」と鉢に挿す「鉢植えタイプ」の2種類があります。誘引するのが鉢植えの植物か地植えの植物かによってタイプを決めましょう。

購入前に、地中に埋め込んでしっかりと固定するために必要な深さを確認することが大切です。特に鉢やプランターに使用する場合は、必要な深さが足りないと倒れる可能性があるため、オベリスクと鉢の大きさのバランスがよいサイズを選ぶ必要があります。

3.オベリスクの設置場所

ベランダガーデン
Vidu Gunaratna/Shutterstock.com

オベリスクを設置する場所が、庭かベランダ・テラスなのかも重要なポイントです。庭に地植えする場合は、雨風に強い丈夫な素材を選びましょう。サビやすいアイアン素材などは防サビ処理が施されていると長もちするので望ましいです。

一方、ベランダに鉢を置いてオベリスクを立てる場合は、取り回しのしやすい軽量な樹脂製などが向いています。また、天井や軒がある場所で使う場合は、鉢の高さの分だけオベリスクも底上げされるため、天井に当たらないサイズを選ぶ必要があります。

4.オベリスクの素材

オベリスク
Beekeepx/Shutterstock.com

オベリスクには、主に樹脂製と金属(アイアン)製、木製があります。

樹脂製のオベリスクは比較的安価で、軽く扱いやすいという利点がありますが、強度が低いため、長期間使用する場合や、つるが強く花が重いバラを育てる場合は注意が必要です。

一方、金属製のオベリスクは強度が高く、壊れにくいため、長期間使用することを想定した場合や、つるが強い植物を育てる場合には適しています。ただし、樹脂製のオベリスクに比べて価格が高くなることが多いです。

海外の歴史あるガーデンでは、古くから木製のオベリスクが使われているケースもあり、日本でも少量ながらも木製のオベリスクが入手できる場合があります。木製は、手作りしやすい点と塗装で好みの色やオリジナルの色調にすることが可能で、木材を使ってDIYでオベリスクを作る方法もあります。

5.オベリスクのデザイン

オベリスク
NattaPort/Shutterstock.com

オベリスクを選ぶ場合には、設置する庭やベランダのテイストに合わせたデザインを選ぶことも大切です。例えば、ジャンクガーデンにはユニークなデザインのオベリスクが合うでしょうし、イングリッシュガーデンにはアイアン素材のエレガントなオベリスクがよく似合います。また、ナチュラルガーデンには天然素材のオベリスクが調和するでしょう。

つるバラをオベリスクで仕立てる方法

オベリスク
Gary Matuschka/Shutterstock.com

ここからは、数あるつる植物の中でも人気のつるバラをオベリスク仕立てにする際の方法やポイント、おすすめの品種について解説します。

仕立て方

つるバラのオベリスク
Volushka/Shutterstock.com

つるバラをオベリスク仕立てにする手順をご紹介します。

まずポイントは、オベリスクをしっかり固定すること。十分な深さまで押し込んで、しっかりと地面に固定します。十分な深さに挿し込み、手でゆすっても動かない程度固定できていれば通常は問題ありませんが、より頑丈にするため、深い穴を掘り、脚の間に鉄の棒や支柱などを渡し、ワイヤーなどで固定してから埋めてぐらつきにくくする方法もあります。また、サイズによっては、地中に基礎や杭を埋め込んで支柱の脚をモルタルなどで固めると、さらに強固になります。

オベリスクを設置したら、バラの苗を植えます。その際の注意点として、バラがオベリスクの真下に来るように設置するのではなく、オベリスクの外側で、地植えの場合は背後になるように苗を植え付けるとよいでしょう。

苗を植えたら、つるをオベリスクに巻き付けていきます。オベリスクの外側につるを螺旋状に巻きつけ、ワイヤーや麻紐、ビニールタイなどを使って固定しましょう。頂部の枝もオベリスクに固定します。また、枝は左回りと右回りに交互に巻き付けることで、バランスよく仕上がります。

つるバラのオベリスク仕立てのポイント

バラ
Whiteaster/Shutterstock.com

オベリスクの見た目を美しく保つためには、冬に一度つるを外して誘引し直すことが重要です。つるはオベリスクの「外側」から巻きつけるようにしましょう。内側につるが入るように誘引してしまうと、新しい枝がオベリスクの中に伸びてしまい、外側に誘引し直す際に折れてしまうことがあります。

また、枝同士が交差しても構いませんが、重ならないようにすることも大切です。大輪系の場合、枝と枝の間隔は30cmほど空けるのが目安です。小輪系の場合は、15cmほどが目安です。

クレマチスをオベリスクで仕立てる方法

クレマチスのオベリスク
Ercesuzan/Shutterstock.com

次に、つるバラよりもつるが細くて扱いが簡単なクレマチスをオベリスクで仕立てる方法とポイントを解説します。

仕立て方

クレマチス
daily_creativity/Shutterstock.com

クレマチスをオベリスクで仕立てる手順を紹介します。

まずオベリスクを地中深く挿して固定し、クレマチスの苗をオベリスクの外側に植えます。伸びているつるがあれば、ワイヤーや麻紐、ビニールタイなどを使ってオベリスクの下方から順に固定します。ただし、新芽が出たばかりの枝は柔らかく折れやすいので、つぼみがついてある程度硬くなった枝のほうが誘引しやすいでしょう。絡んでほどけないつるがある場合は多少カットしてもかまいません。成長期はぐんぐんつるが伸びていくので、伸びたつるを随時オベリスクの外側に巻きつけるように誘引していきます。伸び始めは、なるべくつるが下方に収まるようにすると、バランスよく成長します。

クレマチスはポット苗が3月頃、開花苗が5月頃に出回りますが、オベリスク仕立てにしたい場合は3月頃のポット苗がおすすめです。5月頃に出回る開花苗はすでに行燈状に仕立てられて売られていることが多く、オベリスクに誘引するには一度外す作業が必要になるため、手間がかかります。

クレマチスのオベリスク仕立てのポイント

クレマチス
Kostenko Maxim/Shutterstock.com

クレマチスの生育期は3〜10月までで、この期間は旺盛につるが伸びるため、こまめな誘引が必要です。

つるが硬くなり、誘引の際に折れてしまっても、完全に切れていなければ問題ありません。そのような場合はテープなどで折れた箇所を固定するとよいでしょう。しかし、復活しなかった場合はカットする必要があります。誘引の際は、枝が重ならないように気をつけることが大切です。また、新枝咲きや新旧両枝咲きを選ぶと、冬の剪定は地際でバッサリ切るだけで済み、簡単です。旧枝咲きのタイプは、既存のつるを大切に誘引しなおす必要があります。

オベリスクは自作も可能

オベリスク
Evtushkova Olga/Shutterstock.com

オベリスクは市販のものを使うだけでなく、好きなサイズや形でDIYで作成することもできます。

簡単なものでは、ホームセンターなどで鉄製の棒を購入し、結束バンドで留めて作るという方法があります。木材を必要な長さにカットして組み立てる方法もあります。

庭のアクセントに! オベリスクでガーデニングをもっと楽しもう

オベリスク
NattaPort/Shutterstock.com

オベリスクは植物を立体的に仕立てることができ、小さなスペースでも大きく植物を育てられるのが魅力です。一度植物を誘引すると外すのが難しいため、選ぶ際は植物が成長した後のサイズも見据える必要があります。ぜひ記事を参考にオベリスクを取り入れて、つる植物が映える庭づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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