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認知症老女が介護の最中に死亡、訪問介護士が下した決断がさらなる悲劇に…? 社会問題に鋭く切り込むサスペンス『ビニールハウス』

  • 2024.1.11
認知症老女が介護の最中に死亡、訪問介護士が下した決断がさらなる悲劇に…? 社会問題に鋭く切り込むサスペンス『ビニールハウス』
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大鐘賞映画祭主演女優賞ほか映画賞を総なめ! 名優キム・ソヒョンの新境地

ビニールハウスで暮らす韓国最底辺層のシングルマザーを主人公に、貧困や孤独、高齢者をめぐる介護や認知症といった社会問題に鋭く切り込む韓国発のサスペンス映画『ビニールハウス』。本作より、日本版ポスタービジュアル、予告編映像と場面写真を紹介する。

ビニールハウスに暮らすムンジョンの夢は、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすこと。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。

そんなある日、風呂場で突然暴れ出したファオクが、ムンジョンとの揉み合いの最中に転倒。床に後頭部を打ちつけ、そのまま息絶えてしまう。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症の自分の母親を連れて来て、ファオクの身代わりに据える。絶望の中で咄嗟に下したこの決断は、さらなる取り返しのつかない悲劇を招き寄せるのだった──。

主人公のムンジョンに扮するのは、大ヒットドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』『Mine』などで活躍する名優キム・ソヒョン。本作の出演にあたって「綱渡りのような危うい人生を生きる彼女こそ、まさに私自身ではないかと感じ、最初に台本を読んだときには涙を流しました」と語り、極限の感情表現を求められる新境地に挑戦。その熱演は批評家や観客を圧倒し、韓国のアカデミー賞と称される第59回大鐘賞映画祭を始め、第43回韓国映画評論家協会賞、第32回釜日映画賞、第43回黄金撮影賞などで主演女優賞ほか6冠の快挙を成し遂げ、2023年の韓国映画賞に旋風を巻き起こした。

盲目の老人テガン役には、『VIP-迷路の始まり-』『私の解放日記』など、韓国ドラマを中心に活躍するベテラン俳優ヤン・ジェソン。さらに『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』で一躍脚光を浴び、本作『ビニールハウス』で第44回青龍映画賞新人女優賞にノミネートされた、今後の活躍が最も期待される俳優のひとり、アン・ソヨらがキャストに名を連ねる。

監督・脚本・編集を手掛けるのは、ポン・ジュノ監督らを輩出した名門映画学校・韓国映画アカデミーで学んだ、若干29歳のイ・ソルヒ。監督自身の認知症の祖母と、祖母をケアする母親の関係性から着想を得てオリジナル脚本を執筆したというだけに、貧困や孤独、高齢者をめぐる介護や認知症といった社会問題に鋭く切り込みながら、ムンジョンの想像を絶する運命をスリリングに描出。新人監督としては異例の第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得し、第59回大鐘賞映画祭・第44回青龍映画賞の新人監督賞にノミネートされるなど、鮮烈な長編映画監督デビューを飾った。

今回紹介する日本版ポスタービジュアルでは、「半地下はまだマシ」というキャッチコピーが添えられ、ムンジョンが暮らす、とある農村地帯にたたずむ黒いビニールハウスが切り取られている。『パラサイト 半地下の家族』(19年)でも注目を浴びた韓国の住居貧困。元々は作物栽培のための農業施設であるビニールハウスもまた、不動産価格の高騰や経済の低迷により、正規の住宅を失った低所得者層、移民労働者が転がり込むなど、半地下や屋上部屋よりもさらに「最底辺」住居として社会問題となっている。ムンジョンのシリアスな表情は、彼女の過ちが招いた運命の行方に想像をかき立てられる。

また、予告編映像は、訪問介護士として働くムンジョンの日常が、介護先の認知症の老婦人ファオクの死をきっかけに一転し、破滅へのスパイラルが加速する様子を描き出す。韓国では「圧倒的な結末。キム・ソヒョンの演技が上手すぎて何度も鳥肌が立った」「こんなにすごい映画を久しぶりに見た」など絶賛の口コミブームが巻き起こった。悲劇が絡み合う衝撃のラストは、ぜひ劇場で確かめて欲しい。

さらに、場面写真では、介護先で献身的に働くムンジョンの姿や、盲目の夫が認知症の妻を老老介護する様子、夫がすり替えられた“妻”を疑うサスペンスフルな場面などが切り取られている。

『ビニールハウス』は3月15日より全国順次公開。

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