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「添加物は食べさせないで!」【娘の誕生日会】に招待したら → お友だちのママに文句を言われて──!?

  • 2024.1.9
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口にするものの添加物にこだわる人は少なくありません。子どもには安全なものを食べさせたいと思う気持ちもわかりますが、それを他の人に強制するのは良くありませんね。今回は私の知人Sさんから聞いた、添加物を気にするママ友トラブルのお話をご紹介します。

画像: 「添加物は食べさせないで!」【娘の誕生日会】に招待したら → お友だちのママに文句を言われて──!?

お誕生日パーティーに招待

Sさんは当時小学生の娘さんのために、誕生日パーティーを計画していました。

娘と2人で招待状を作り、親しい人に配ったり、当日のお料理は何がいいかと話し合ったり。
「お誕生日が楽しみだね、ママ!」
「みんなで楽しくお祝いしようね。あ、お友達にアレルギーがないか、ママが聞いておくわね」
Sさんは娘さんが招待状を渡した友人の家に電話をかけ、食べ物のアレルギーがないかを確認しました。

数人聞いたところで、次に電話をかけたのはTさんという、娘さんの親しい友人の家でした。
「お誕生日会のことなんですが、何かアレルギーはありますか? みんなに楽しんで欲しいので、食べられないものがあればできるだけ避けるようにしたいんです」
「ああ。ご招待ありがとうございます。うちの子はアレルギーはないんだけど、ちょっと食べ物にこだわりがあって」
「どのようなこだわりでしょうか?」
「うちは食品添加物の入ったものは、一切子どもに食べさせてないの!」
それを聞いたSさんは、そういえば他の子どもの誕生日会に娘さんが招待された時、「お母さんにダメって言われてるから」と言って食事に何も手をつけない子がいたと聞いたのを思い出しました。

メニューにダメ出しされて

「ちなみに、食事のメニューはどのような? ケーキはどこの店?」
Tさんにそう聞かれ、Sさんは用意しようと思っている食事のメニューと、誕生日ケーキを注文した店を伝えました。
「うーん、そのお店のケーキは添加物が多いから……食事もちょっと不安なものばかりだし、うちの子には食べさせないでもらえる?」
「はあ」
食事もケーキも食べられない誕生日会なんてつまらないだろうなあ、と思いつつも、娘がどうしてもTさんの子を呼びたいなら仕方ないとSさんは思いました。
「極力添加物を使わないようにしますので、せめて食事くらいは食べさせても良いですか?」
「いえいえ、うちで食べさせてから行かせるのでー」
きっぱりと断られ、SさんはなんとなくTさんの子を不憫に思いながら電話を切りました

誕生日パーティー当日

「お誕生日おめでとう!」
誕生日当日、パーティーには娘の友だちがたくさん集まってくれました。

料理は各自好きなものをよそうビュッフェスタイルにしたため子どもたちはワイワイとフライドチキンやポテトフライ、ハンバーグなどを口にしていました。

しかしその中に1人だけ、何もドレッシングをかけていない生野菜だけを少し口に運んでいる少女がいました。

それは間違いなくTさんの子で、皆がはしゃいでいる中なんとなく寂しそうで、居心地が悪そうな様子でした。

突然の来訪者

その時急に、玄関のベルが鳴りました。
「誰だろう?」
Sさんが玄関のドアを開けると、そこにはバスケットを持ったTさんが立っていました。
「Tさん、どうしたの? 何かお忘れ物?」
Tさんは手に持っていた大きなバスケットをSさんに差し出しました。
「これ、無添加のクッキー作ってきたの! これなら娘も食べられるし、皆さんにも無添加の良さを知って欲しくて」
「ああ、ありがとうございます……良かったら入って!」
「あらまあ、悪いわねえ。じゃあお言葉に甘えて」

Tさんは何のためらいもなくSさんの家に上がり、子どもたちが食べている料理をじろじろと見まわしました。
「ふーん、結構おいしそうね」
「良かったら食べてって、多分余りそうだし」
Sさんはそう言ったものの、添加物に厳しいTさんは口にしないだろうと思っていました。
「じゃあ、ちょっといただきます」
「え? ああ、どうぞ」
以外にもTさんは渡された皿にモリモリと料理をよそい、食べ始めました。
「子どもには添加物ダメって言ってるんだけどね。私は別に気にしてないんだ」
Tさんは自分の子が生野菜しか食べていないのも気にしない様子で食事や、傍に置いてある市販のお菓子まで口に運びます。
「ねえママ、私も食べたい」
自分の母親がバクバク料理を口にしているのを見て、Tさんの子がそう訴えました。
「あんたはダメよ。ほら、まだお野菜残ってるでしょ」
「えー」
「文句言わない! ほら、ママクッキー焼いてきたからそれ食べな」
Tさんに言われ、娘はしぶしぶTさんが焼いてきたクッキーを口に運んでいました

Tさんの焼いてきたクッキーは極限まで甘さが控えめで、非常にかたいクッキーでした。

あまり子どもが好む味には思えませんでしたが、皆が甘いケーキを食べている中、Tさんの子は半べそでそのクッキーを食べていました。

結局誕生日パーティーの終わりごろにTさんの子が大声で泣き出してしまい、Tさんが怒りながら連れて帰って終わりました。

Sさんの娘はせっかくのパーティーなのに友達が泣くことになり、しょんぼりしていたとのこと。

添加物にこだわるのは健康には良いかもしれませんが、子どもに我慢させすぎるのはどうかとSさんは思ったそうです。子どものためを思ってのことだとは思いますが、何事もやりすぎはよくないですよね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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