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「勝手にやっちゃダメ!」実は小児科医が困ってる…!?親御さんがやりがちなNG行動あるあるとは?

  • 2024.12.29

こんにちは。3児の母小児科医の保田典子です。今回の「3児ママ小児科医のラクになる育児」連載は、親御さんがよくやりがちなお薬のNG行動についてお話したいと思います。

私もたまにしてしまって反省したりするのですが、大切なことですので、守っていただけたらと思います。

やりがちNG1:家にある塗り薬を勝手に塗っちゃう

赤ちゃんの湿疹にはいろいろな原因があります。アトピーのように、皮膚が弱いため出てしまう発疹や、アレルギー、ばい菌の感染、ウイルス性……などです。

アトピーやアレルギーの発疹は、主に「ステロイド」を処方することが多いです。一方、ばい菌の感染でできるとびひなどは「抗生剤の軟膏」を使います。

「湿疹があるから、軟膏を塗ってみよう」と、自己判断で家にあった塗り薬を塗ってしまう親御さんがたまにいるのですが、ばい菌の感染なのにに「ステロイド」を使ってしまうと、湿疹が悪化してしまうんです!悪くなると飲み薬が必要になったり、最悪入院が必要になることもあります。

ひとえに「湿疹」といえど、原因も対処法もさまざまですので、「これはいつもと違うぞ」と思ったら、一度受診した方が良いでしょう。

やりがちNG2:処方された薬をやめてしまう

これは特に喘息や便秘の薬、軟膏などで多いNG行動です。

喘息のお薬の場合

呼吸時にゼイゼイ、ヒューヒューと喘鳴(ぜんめい)があるときや咳が長く続くときは、喘息の薬が処方されることがあります。

喘息の薬は「使い終わったらやめていいよ」ということもあれば、「使い終わったら受診してね」ということもあります。後者の場合は、受診後にお薬を続けた方が良い場合があります。お薬がなくなったときに症状がなくなっていて元気でも、今後またひどくなったりする可能性が高いため、指示通り受診しましょう。

私自身も継続して薬を使うのがとても苦手なので、「良くなったらやめていいんじゃないか」という気持ちはよくわかりますが、「ひどくならない」ことを考慮して出されたお薬を勝手にやめてしまわないようにしましょう。

何度か入院や入院直前の状態をくり返すと「やっぱり薬が必要なんだ!」となりますが、入院はしない方がいいですし、そうならないために考えられて処方されている薬なので、先生に「続けましょう」と言われたお薬は、頑張って続けましょう。

便秘のお薬の場合

実は便秘の薬も、基本的に6カ月以上と長期的に使うことが多い薬です。喘息も便秘も、ガイドラインがしっかりしているので、患者さんがいかに苦痛なく過ごせるか考えられた治療方針となっています。

便秘の薬は他の薬と比べて副作用が少ないものが多いですが、下痢になってしまうこともあります。そのあたりの調整も受診時に先生に聞いておくと、続けるモチベーションが保てると思います。

塗り薬の場合

塗り薬は勝手に塗るのもNGですが、勝手にやめるのもNGです! 一時的にきれいになったからといって、途中でやめてしまうと湿疹をくり返してしまいます。

ステロイドを長期的に使うのは心配もあるかと思いますが、きれいな肌をキープするために、軟膏など処方された塗り薬は自己判断でやめず、医師の指示通りに使うようにしましょう。

お薬は処方通りに使用するのが鉄則です

お薬は医師が専門知識を考慮して、その子の「今」の状況に合わせたものを処方しています。ですので、基本的には用法容量を守ってしっかり使いましょう。


例えば、かぜ薬ならほぼ対症療法なので、続けて使わないと効果がない、という訳ではありませんが、抗生剤はしっかり飲み切って使用する必要があります。

私も外来で症状がひどいときのみ使用する薬を処方する場合には「これは使ったり使わなかったりしていいよ」とコメントをしたりしています。このように、用法用量が厳格なものとそうでないものがあります。

疑問に思ったら遠慮なく質問してくださいね

私も外来で診察するときは、なるべく細かくご説明するように心がけていますが、どうしても意図が伝わりきらないこともあります。最近の医療はガイドラインがしっかりしてきて、エビデンスに基づいた治療をされていますので、お子さんの将来を見据えたお薬がきっと処方されているはずです。


病院の診察は短い診療時間ではありますが、「なんでこの薬を長く使うんだろう?」「なんでこの薬が出されているんだろう?」など、疑問に思うことがあったら遠慮なく質問してくださいね。そして、しっかり納得したうえでお薬を使っていけるといいですね。


監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

ベビーカレンダー編集部

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