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山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!

  • 2024.1.9

今月は前半戦に大活躍し、今季の賞金女王候補にあがる3選手をピックアップ! 彼女たちのドライバーのスイングには、アマチュアゴルファーにマネしてほしいテクが詰まってる!
※選手の記録は2023年8月12日現在のもの

2年連続の年間女王が狙える右足を止めて深く捻転するトップ

インパクト前後で手元を腰の真ん中にもってくる

山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!
Point 右足の角度や右ヒザの位置を変えずに上半身を大きく回している

昨年に続き、今年も圧倒的な強さを見せている山下美夢有選手ですが、強さの理由のひとつが右足の安定感です。アドレスからトップまで(❶から❸)を見ると、右足の形をほとんど変えずに深く捻転しています。女子のトップ選手でも、ここまで下半身を固定して上半身を大きく回せる選手はいません。右足が動かなければ土台が安定するので、再現性の高いスイングができる。アマチュアゴルファーだと、ここまで上半身を深く回すのは難しいと思うので「右足が動かない範囲で上半身を回したところをトップにする」のがいいでしょう。そうすると、コンパクトで無理のないトップが作れると思います。

山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!
Point ヘッドが低い位置からボールに向かうことで打点がズレにくくなる

もうひとつ、安定したショットを打てる理由は手元のポジションです。山下選手は腰を先行させて回すタイプではなく、腰の回転と手元の動きがリンクしています。インパクト直前(❺)からフォロー(❻)でも、腰の真ん中に手元がきている。これは、インパクトでの打点を安定させるコツになります。

山下美夢有

●やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。150cm。今シーズンは富士フイルム・スタジオアリス女子オープン、ブリヂストンレディス、リゾートトラストレディス、ニチレイレディスで優勝し、現在メルセデス・ランキング1位。加賀電子所属。

ドローが安定するイントゥ・ストレート軌道

山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!
Point 右手を背屈させることでロフトが立ちボール初速が上がる

吉田優利選手は姿勢、体重移動、ヘッド軌道まで、最新版の教科書どおりのスイングをしています。まず、アドレスの姿勢が素晴らしい。しっかりお腹に力が入っているので、アマチュアゴルファーに多い反り腰になっていません。お尻から頭の頂点までが一直線になる理想的な構えです。バックスイングでは腕を使わずに体の回転でクラブを上げているので、ハーフウェイバックではフェースがややシャットになっています。ここでフェースが開いていないことがすごく大切です。

トップでは右ヒジが真下(地面)を向いて、右手首が甲側に曲がっています(❸)。専門用語では「背屈」と呼ばれる動きですが、トップで右手を背屈させると、ダウンスイングからインパクトにかけてボールを強く叩きやすくなります。

山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!
Point 腕の動きではなく体を回しているから手元が頭の後ろまでくる

スイング軌道もダウンスイングはややインサイドからヘッドが下りてきて(❹)、インパクトからフォローにかけて(❺、❻)は、ストレート軌道に近い。ドローヒッターにとってはもっとも安定したショットが打てるイントゥ・ストレート軌道になっています。

吉田優利

●よしだ・ゆうり/2000年生まれ、千葉県出身。158cm。ルーキーイヤーの20-21年シーズンにツアー2勝をあげて話題に。今シーズンはワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで2年ぶりに優勝を果たした。エプソン所属。

フォローで右ヒジを伸ばし、ヘッドを遠くへ振り出す

山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!
Point タテ方向のコッキングを早めにすることでトップがコンパクトになる

ツアーでは5年連続で優勝。2018年から4シーズン連続で年間賞金ランキングトップ10入り。好成績を出し続けている小祝さくら選手は、インパクト前後の軌道がマネたいところのひとつです。ハーフウェイダウン(❻)からフォロー(❼)までインパクトゾーンが低くて、長い。だから、シーズンを通して安定したショットを打つことができています。

山下美夢有、吉田優利、小祝さくらの“飛んで曲がらないスイング”を解説!
Point 右足がツマ先立ちになるくらいしっかり左へ踏むことで体の回転スピードが上がる

この打ち方ができるポイントが、右ヒジの動きです。切り返し(❺)からハーフウェイダウン(❻)にかけて、右ヒジがワキ腹から体にそったギリギリのラインを通っています。すると、ヘッドがインサイドから入ってきて、ヘッドの入射角がゆるやかなになる。アマチュアはダウンスイングで右ヒジが体から離れてしまう人が多く、ヘッドが急角度で下りてくるためカット軌道になりやすい。この悪癖は、小祝選手のようにフォローで右ヒジをしっかり伸ばし、ヘッドを遠くへ振り出すように打つことで直せます。

フォローでヒジが曲がっていると、ヘッドが早いタイミングで高く上がってしまうので、右ヒジの動きに気をつけて低く長いインパクトゾーンを作ってください。

小祝さくら

●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。158cm。今シーズンは地元・北海道で開催されたミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップで優勝し、ツアー通算9勝に。年間トップ10回数は8回と、初賞金女王に向けて調子を上げている。ニトリ所属。

いかがでしたか? ぜひ、3選手のスイングの動きを参考にしてみてください。

解説=真弓伸仁

●まゆみ・のぶひと/1975年生まれ、 神奈川県出身。2009年にUSGTFティーチングプロの資格を取得。現在は東京・三鷹市の東京ゴルフスタジオで活動中。やる気に火をつけ「自主練したい!」と思ってもらえるようなレッスンを心がけている。

写真=ゲーリー小林

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