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音楽と演技、最強の二刀流! 芝居が上手すぎる男性ミュージシャン(5)最強のカリスマ! その名演を拝める傑作は?

  • 2024.5.25
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声や楽器に魂を込め、メッセージを届けるミュージシャン達。そんな彼らの中には、映画の中でも存在感を発揮する者がいる。彼らは、良い意味で体に力が入っておらず、まさに歌うように芝居をしていると感じる。そうした彼らの魅力に迫るべく、本業が俳優でないにも関わらず芝居が上手い男性ミュージシャンをセレクトして紹介する。今回は第5回。

福山雅治『真夏の方程式』(2013)

福山雅治
福山雅治【Getty Images】

原作:東野圭吾
監督:西谷弘
脚本:福田靖
出演:福山雅治、吉高由里子、北村一輝、杏、山﨑光、塩見三省、白竜、西田尚美、風吹ジュン、前田吟

 

【作品情報】

美しい海のある玻璃ヶ浦で海底資源の開発計画が持ち上がり、その説明会に招かれた天才物理学者・湯川学(福山雅治)。湯川は宿泊先の旅館で少年・恭平と出会う。

そんな中、旅館の近くで男性の変死体が発見される。その男は湯川と同じ宿泊先に滞在していた元捜査一課の刑事・塚原と判明。

この一件は転落死として処理されようとしていたが、捜査一課の岸谷美砂(吉高由里子)は、塚原の死に違和感を覚え、湯川に事件解決への協力を依頼する。

【注目ポイント】

数々の名曲を世に送り出してきた福山雅治だが、19歳で映画『ほんの5g』(1988)に出演、21歳でシングル曲『追憶の雨の中』で歌手としてデビュー。実は俳優としての活動が先なのだ。

福山が歌手として注目されるきっかけになったのは、5枚目のシングル『Good night』であった。その後、9枚目のシングル『IT’S ONLY LOVE/SORRY BABY』で初のオリコン1位に輝き、2000年発表の『桜坂』ではダブルミリオンを達成するなど、名実ともに日本を代表するミュージシャンとなった。

とはいえ、俳優・福山雅治の活躍もミュージシャン・福山雅治に負けていない。テレビドラマシリーズ『ガリレオ』や大河ドラマ『龍馬伝』など、出演作は軒並み話題を集め、タレントパワーは国内でも指折りだ。

本作は、『ガリレオ』シリーズの劇場版第2作目で、映画『容疑者Xの献身』(2008)以来5年ぶりの新作。原作、ドラマ、映画すべてにおいて根強い人気を誇る『ガリレオ』シリーズだが、ドラマ・映画版の成功は、福山雅治の卓越した演技力の賜物といっても過言ではないだろう。

福山演じる物理学者・湯川学は、天才だが偏屈な性格。難しい話を長々と話し、愛想がない。しかし、福山が演じることによって、つまらないはずの男を不思議とずっと見ていられる。もちろん、脚本や演出としての面白さも要因の一つではある。

『ガリレオ』シリーズにおいて、最も福山の演技力を感じられるのは、彼が“湯川に見える”ということに尽きる。

原作でも「端正な顔立ち」と記述されている湯川だが、作者の東野圭吾は俳優の佐野史郎をイメージして造形したと語っており、福山にあてがきされたキャラクターではもちろんない。しかし、それにもかかわらず、実写化以降、原作ファンはおろか、作者ですら小説「ガリレオ」シリーズの原稿を書き進める際に、福山のイメージを想起してしまうという。俗に言う”ハマリ役”とはまさに福山雅治=湯川学のことを指している。

今後も福山は持ち前のカリスマ性を発揮して、”ハマリ役”を量産していくことだろう。

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