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「誰からも嫌われたくない」つい我慢してしまう自分を少し楽にできる考え方【公認心理師が解説】

  • 2024.1.9

誰しも、人から嫌われるよりは好かれたいと思います。もちろん筆者自身も嫌われるのは嫌だなと思います。でも、嫌われないために言いたいことも言えず、やりたいこともできず苦しくなってはいませんか?

今日は公認心理師の筆者が、人のために我慢することが苦しくなっているあなたの心が楽になるための考え方をご紹介します。

「嫌われたくない」と思うことは自然なこと

人の顔色ばかり気にしている自分は弱い、情けない。そんな風に思っていませんか? 「嫌われたくない」と思うのは自然なことです。人は群れる生き物ですから、「コミュニケーションをうまくとって関係を築きたい、仲間と仲良く過ごしたい」と本能的に思うものなのです。

過去の経験から嫌われることを過度に恐れていませんか?

Sitakke

過去の辛い体験が現在にも影響を及ぼしている可能性も考えられます。なにか悪いことをしたわけではないのに、仲間外れになってしまった、相手を怒らせて関係が途絶えてしまった。そういった経験が、あなたを怯えさせ、言いたいことも言えない状況になっているかもしれません。

過度に嫌われないように我慢するとどうなる?

Sitakke

さきほども述べた通り、社会生活を営む以上、周囲の人たちとトラブルを起こさずに仲良く付き合うことは必要です。そのために嫌われないための心遣いをすることはとても大事です。けれど、嫌われたくない想いばかりが強くなり、毎日自分が言いたいこと、やりたいことを我慢し続けることは心身の不調を引き起こします。落ち込みやイライラが生じてくることもあるでしょう。

なんとなく調子が悪くなってもなお、我慢し続ける人も少なくありません。すると、自分がやりたいことや言いたいことがわからなくなっていきます。「なにがしたい?」と聞かれても、なにも思い浮かばないのです。「自分がどうしたいのか」ではなくて、「うまくその場を乗り切るために、人間関係を良好に保つために」と我慢ばかりしていると、自分の気持ちがわからなくなってしまい、大きな不安に飲み込まれるようになります。

嫌われたら本当に困るか考えてみましょう

Sitakke

改めて、嫌われたくないのか、それとも嫌われてはいけないと思いこんでいるのか、もう一度考えてみてください。あなたは相手と仲良くしたいと思っていますか? 嫌われてしまったらどういう問題が起きそうですか? それはどのくらいいまのあなたの日々に悪影響を及ぼしますか?

学校や会社の人間関係を良好に保つ目的は、そのコミュニティで過ごす長い時間を心地よく過ごしたいからのはずです。勉強をしたり、仕事をしたりするときにいつもギスギスしていては疲れてしまいますし、本来の目的に支障が出ることも少なくありません。嫌われないよう、日々多少の気づかいをすることは大事です。

でも、嫌われないことにエネルギーを使いすぎて、「学校や会社に行きたくない」となっては本末転倒です。

嫌われないことが正しいわけではない

なんのためにその人間関係を築いているのか、なぜそこにいるのかを考えてみてください。あなた自身の目的、優先順位を見つめなおしてみてください。今あなたが我慢して付き合っている相手に嫌われないことが一番大事なことですか? そうではないと思います。

たとえその人に好かれなくても、あなたがやりたいことに支障が出なければ良いと考えてみましょう。嫌われないことが正しいわけではありません 。あなたにとって正しいことが相手にとっては気に食わないこともあります。「全員に好かれるべき」「嫌われてはいけない」と思い込みすぎてはいませんか? わざと相手に不快な想いをさせることはいけませんが、どうしてもゆずれないことがあって当然です。相手にとっての正解ではなく、自分にとっての正解、大事なことを見失わずに過ごしてみるといいですね。

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文:竹原久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務)
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【ライター:竹原久美子 PROFILE】
中学時代、寄り添ってくれる人の大切さを感じ、心に寄り添う仕事につくことを決める。
「人生の始まる現場で学びたい」と産婦人科での実習を希望し、そのまま、産婦人科で女性の心に寄り添い続けてもうすぐ20年。
土地柄を肌で知っていることは心の理解にも役立つという想いで、地元札幌で臨床に携わり続けている。

【画像】buritora、naka、shimi、jessie / PIXTA(ピクスタ)

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