持ち家があっても「生活保護」はもらえる？よく勘違いされること

生活保護は、持ち家があっても条件さえ満たしていれば受けられる。また、収入があると制度を頼れないと考える人もいるようだが、働いていても生活保護は受けられる。生活保護のよくある勘違いとして、次のようなものがある。

生活保護を申請してお金をもらうことに抵抗を感じる人は多く、本来必要な人が制度に頼れないという現状がある。生活保護のよくある勘違いを知っておき、正しい知識を身につけて、必要なときは申請を考えたい。

「生活保護をもらう人は働いていない」と誤解している人がいるが、厚生労働省の「被保護者調査（2021年度）」によると、働きながら生活保護をもらっている人は約26万人もいる。

働いていて収入があっても、最低生活費に満たなければ生活保護をもらえる。最低生活費は住んでいる地域や家族の人数で変わるが、9万～14万円ほどだ。

収入があっても生活が苦しいときは、生活保護を受けることも考えてもよいだろう。

生活保護は生活に困った人が自立できるよう助ける制度であり、その利用は国民の権利だ。

生活を立て直すために生活保護に頼ることは、恥ずかしいことではない。

たとえば、コロナ禍で経営が傾いた経営者が急場をしのぐ場合や、幼い子がいて働けないにもかかわらず、配偶者が死去した場合などは生活保護に頼るべきだ。

リストラ、死別・離婚、急な病気やケガなど、人生にはリスクがつきものといえよう。

苦しい状況に陥ったとき、生活保護をもらうのは恥ずかしいと思い込んで無理を続けると、心身ともに余裕がなくなり、かえって生活を立て直すのに時間がかかるかもしれない。

「生活保護を受けるには、持ち家を手放さなければならない」というイメージがあるが、持ち家を売らずに生活保護を受けられるケースもある。持ち家を売らなくてすむ条件を知り、困ったときは生活保護も選択肢に入れたい。

住む人数に見合った一般的な広さや資産価値の持ち家なら、売らなくても生活保護を受けられる可能性がある。

しかし、4LDKの家に1人で住んでいる場合などは、持ち家を売るよう求められるかもしれない。

また、豪邸のように資産価値が高い場合は、生活費にあてるために、先に売却を求められる可能性が高いだろう。

住宅ローンの残っている持ち家は、生活保護を受けながら住み続けられない。

生活保護を受けながら住宅ローンを払うとなると、税金が個人の資産に変わることになるからだ。

ただし、住宅ローンが残り少ないときは、認められることもある。

生活保護を受けるための条件は、自治体によって違ってくる。持ち家があっても、生活を立て直さなければならない状態なら、生活保護を選択肢の一つとして検討したい。

文/編集・dメニューマネー編集部