今では産休を取得する事は当然の権利と認められ、多くの人が活用していますが、少し前はなかなか肩身の狭いものでした。これはそんな時代に友人が経験したエピソードです。
妊娠が発覚し、急遽入籍
私は専門学校を卒業してから、地元の少し大きな工場の経理として4年間勤務していました。社員50人ほどの中小企業で、事務職は私含め8人ほどで全員未婚。お局と呼ばれるAさんは勤続15年のベテランさんでした。
勤続5年目に入った頃、私の妊娠がわかり急遽入籍することになりました。付き合っていた彼とは結婚する気でしたが、予想外の妊娠。産休を取らせてほしいと会社に相談しました。
結婚=退社の暗黙のルール
勤務していた会社では、結婚したら寿退社するという暗黙のルールがあり、これまでも女子社員は結婚すると退社する人ばかりでした。しかし、出産した後も働き続けたいと思っていた私は、なんとかお願いして産休を使わせてもらえることになりました。
しかし、Aさんと部長はあまりいい顔をせず、渋々といった雰囲気でした。廊下の喫煙所に近い場所に席替えさせられたり、「妊婦なんだから仕事量の少ない部署に替えてあげる」と突然部署異動を命じられたり…。精神的に参ってしまった私は、結局退社することになりました。
退社に追い込んだお局に仕返し
腫物扱いだった私が退社することになり、明らかにホッとした様子のAさんは、全社挙げての盛大な送別会を開いてくれました。部長を誘って幹事も引き受けてくれたのです。
最後に「辞めちゃうなんてさみしい! ずっといてほしかったのに」と白々しく泣くAさん。退社するよう仕向けたくせに…とキレた私は、感極まった演技をしながら「Aさんも部長さんと幸せになってくださいね! 応援してます♡」と話すと、宴会場はざわつき始めました。
お局は降格
実は、部長は既婚者でAさんと不倫関係でした。私含め社員の何人かは、社内でいちゃつく二人を目撃していたので不倫関係を知っていましたが、社長や取締役は知らず大騒ぎに。「なんで知ってるのよ⁉」というAさんの発言により不倫は肯定され、社内恋愛も否定派の社長は事態を重く見たようで、後日二人そろって降格させられたそうです。
仕返しにしてはちょっとやりすぎたかな…とも思いましたが、気分はスッキリしました。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kato Rira