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「金団」は「きんだん」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない新年の漢字3選

  • 2024.1.3

意外と読めない漢字をご紹介する漢字クイズ。今回は、新年に欠かせない「金団」、「鯑」、「紅白膾」の読み方に迫ります!

【漢字クイズ】vol. 21

正しく読めたらスゴイ!

おせち料理に必ず入っている「金団」。「金」も「団」も見慣れた漢字ですが、「きんだん」でも「かねだん」でもありません。みなさんは、正しく読めますか?

「金団」の読み方は…

正解は、

「きんとん」でした! 「金」は読めると思いますが、「団」が間違いやすいですよね。でも、実はふだんから使っている言葉のひとつ。例えば、「ふとん(布団)」や「すいとん(水団)」なども「とん」と読みます。

では、「きんとん」の由来について簡単にご紹介。

「きんとん」は、色が黄金色だったことから名づけられたそうで、室町時代の文献には和菓子のひとつとして登場。アワの粉などで団子をつくり、中に砂糖を入れたようなお菓子だったそうです。

江戸時代初期の文献に出てくる「きんとん」は、くず粉をこねて味噌汁に入れたもの。今の金団とは、ずいぶんイメージが違いますね。

お正月にいただく料理の金団は、甘く煮たクリやインゲンなどにサツマイモなどの餡(あん)をからめたもの。ただ、意外なことにこの正月料理の「きんとん」は、江戸時代の文献に出ておらず、明治以降に考案された新しい料理だそうです。

おせち料理の「金団」にこめられた意味は、金を黄金や金銀財宝と見立てて金運を願ったもの。ぜひ金運アップを祈りながら、甘くておいしい金団をいただきましょう。

「鯑」の読み方は…

正解は、

「かずのこ」でした! これは難しいですね。正解できたかたは、すばらしいです!

「かずのこ」とは、ニシンの卵や加工品のこと。ニシンは「かど」と呼ばれることもあり、そこから「かどのこかずのこ」に変化しました。ふつう漢字では「数の子」と書きますが、漢和辞典には「鯑」も載っています。

子孫繁栄の縁起物として今ではお正月料理に使われていますが、この意味合いは室町後期から出ていたそうです。例えば、大名などが太閤秀吉をもてなすためのお膳にも「かずのこ」は使われていたとのこと。天下人も食べていた縁起物、コリコリとした歯ごたえもおいしく、お正月には欠かせない料理ですね。

「紅白膾」の読み方は…

正解は、

「こうはくなます」でした! 「膾」の読み方が難しいですね。そもそも「なます」って何? と思われている人もいるかもしれません。

「なます」とは、細かく切った魚や貝、獣などの生肉を酢で調理したもの。かなり古い調理法のひとつで、『日本書紀』にも登場しています。

今の刺身も、古くは「なます」と呼ばれていたそうです。室町時代には「なます」から「刺身」とも呼ばれるようになり、しだいに生肉に限らず、細かく切った野菜などを酢であえたものも「なます」と呼ぶようになりました。

今では、ダイコンやニンジンを細かく切って酢で調理した「紅白膾」が「なます」の貴重な生き残り。古代から続く調理法なので、せめてお正月ぐらいは「なます」をいただきたいですね。

ちなみに、紅白膾は紅白の水引を表したもので、平安と平和を願う料理です。野菜と酢の組み合わせは体にもいいので、ぜひおせちの一品として加えてみてください。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。おせち料理を食べながら、これらの漢字を思い出してくださいね!

参考資料:
『日本国語大辞典』(小学館)
『新選漢和辞典 Web版』(小学館)
『日本大百科全書』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)

文・田代わこ

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