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【優秀すぎる!】プロが選ぶ庭づくりで使い勝手抜群の宿根草ベスト7

  • 2024.1.3

一度植えれば毎年芽吹いて花が咲き、コスパがよい宿根草。ガーデンデザイナーの阿部容子さんが、さまざまな施工現場で実際によく使っている宿根草のベスト7をご紹介します。ポイントは家庭の庭のサイズ感にフィットすること、花のない時期も葉が美しく楽しめること、コントロールしやすいこと。どれもとても丈夫で、初心者でも育てやすいものばかりです!

庭の骨格を作ってくれる宿根草たち

おすすめ宿根草

葉っぱの美しい宿根草で、ある程度庭の骨格を作っておくと、花の端境期も庭がきれいに保てます。特に夏は暑くて庭仕事どころではないので、これからご紹介する宿根草を取り入れると庭の手入れも楽に済みます。どれも丈夫で育てやすいものばかりですから、ぜひ庭で育ててみてくださいね。

1 コンパクトで使いやすい!「ロシアンセージ‘リトルスパイヤー’」

ロシアンセージ
loflo69/Shutterstock.com

ロシアンセージは白い茎に小葉のシルバーリーフ、淡い青紫の花が美しい宿根草です。夏に花が咲くと、涼しげな雰囲気を庭にもたらしてくれます。耐暑性・耐寒性にも非常に優れ、花壇の背景などにとても重宝する植物ですが、通常のロシアンセージは草丈も株張りも1m以上に育つため、日本の家庭の庭ではサイズが大きすぎて取り入れられないケースが多くあります。そのサイズ問題を解決したのが、‘リトルスパイヤー’です。ロシアンセージの繊細な美しさと丈夫さはそのままに、サイズが半分ほどに小さくなった品種です。スッと茎が立ち、猛暑でも株姿が乱れないのもおすすめの点です。

非常に旺盛に伸びるので、年に3回、茎が伸び始めた春先、花後の秋、落葉した冬に枝を半分以下に剪定すると、きれいな株姿が保てます。剪定することで分枝し花数も増えます。

植物名:ロシアンセージ‘リトルスパイヤー’
学名:Perovskia atriplicifolia ‘Little Spire’
英名:Summer Lavendar
科名:シソ科
属名:ペロブスキア属
原産地:中央アジア(原種の自生地)
分類:草花(宿根草)
開花時期:7〜9月
草丈:40〜60cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:淡青紫

2 日陰を明るくしてくれる!「斑入りカリガネソウ‘スノーフェアリー’」

斑入りカリガネソウ‘スノーフェアリー’

白い斑入りの葉が美しい宿根草で、半日陰で湿った場所でもよく育ち、暗くなりがちなシェードガーデンをパッと明るくしてくれます。葉だけのときも美しいのですが、夏から秋に咲く青紫色の花は非常にユニークな姿で魅了されます。この花の形が野鳥の雁(がん)に似ていることから雁草(カリガネソウ)の名が付けられています。繊細な雰囲気ですが、カリガネソウは日本を含め東アジアに自生し、暑さ、寒さ、湿気、日陰に強く、とっても丈夫。植えっぱなしでも株が暴れずにこんもりきれいに茂ります。

植物名:斑入りカリガネソウ‘スノーフェアリー’
学名:Tripora divaricata ‘Snow Fairy’
和名:ホカケソウなど
科名:シソ科
属名:トリポラ属
原産地:日本(主な自生地)
分類:草花(宿根草)
開花時期:7〜9月
草丈:60〜80cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:青紫

斑入りカリガネソウ
左が斑入りカリガネソウ。繊細な葉姿で、ギボウシやツユクサなどシェードプランツとも相性抜群です。

3 花が長期間咲く!「カリオプテリス‘サマーソルベット’」

カリオプテリス
左が斑入り品種の‘サマーソルベット’、右は普通種のカリオプテリス。

カリオプテリスはハナシキブとも呼ばれ、日本に古くから自生する宿根草です。とても丈夫で育てやすく、初夏から秋まで長期間花を咲かせてくれます。なかでもライムイエローの斑入り葉の‘サマーソルベット’はカラーリーフとしても楽しめる葉の美しい品種で、花のない時期もガーデンを美しく彩ってくれます。夏になると淡い青紫色の花を段々に咲かせ、葉色とも相まってとても爽やか。冬の間に短く剪定しておくと、春に輝くような新芽を伸ばします。

植物名:カリオプテリス‘サマーソルベット’
学名:Caryopteris × clandonensis ‘Summer Sorbet’
和名:ハナシキブなど
科名:クマツヅラ科
属名:カリオプテリス属
原産地:九州西部、朝鮮半島南部、中国東部~南部、台湾(原種の自生地)
分類:草花(宿根草)
開花時期:6〜9月
草丈:50〜90cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:青紫

4 バラを守る!「ツルバギア‘シルバーレース’」

ツルバギア
christophe.dtr、Nahhana/Shutterstock.com

ツルバギアはガーリックプラントとも呼ばれ、ニンニクのような香りがします。そのため、バラの側に植えるとコンパニオンプランツとして害虫を寄せ付けない効果が期待できます。暑さにも寒さにも強く、長雨にも耐え、とても丈夫。日本の過酷な夏でも心配ありません。おすすめは細葉に白い斑が入るツルバギア・ビオラセア‘シルバーレース’。四季咲き性が強く、ピンクの愛らしい花は、5〜10月まで繰り返しよく咲いてくれます。

植物名:ツルバギア・ビオラセア‘シルバーレース’
学名:Tulbaghia violacea ‘Silver Lace’
英名:ソサイエティ・ガーリック
科名:ネギ科
属名:ツルバギア属
原産地:南アフリカ
分類:草花(球根)
開花時期:5〜10月
草丈:30〜60cm
耐寒性:普通
耐暑性:強い
花色:ピンク

5 黄金のマット!「ゴールデンオレガノ」

ゴールデンオレガノ
Irenestev/Shutterstock.com

ゴールデンオレガノはハーブのオレガノの中でも、輝くような葉が美しい品種です。草丈は20cmほどで、マット状に広がるのでグラウンドカバーや花壇の縁などに重宝します。同じ黄金葉で‘ノートンズ・ゴールド’という品種がありますが、こちらは茎が立ち上がりやすい性質があるため、グラウンドカバーには向きません。葉にはいい香りがあり、お料理やお茶などで使うことができます。

植物名:ゴールデンオレガノ
学名:Origanum vulgare ‘Auren’
英名:ゴールデンマジョラムなど
科名:シソ科
属名:ハナハッカ属
原産地:ヨーロッパ〜西アジア(原種の自生地)
分類:草花(宿根草)
開花時期:8〜9月
草丈:20cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:白

6&7 2大優秀グラウンドカバー!「リシマキア‘オーレア’」「アジュガ・アトロプルプレア」

リシマキアとアジュガ

リシマキア‘オーレア’もアジュガ・アトロプルプレアも、ほとんど全ての施工現場で使っている2大グラウンドカバープランツです。日陰にも強く密に茂って雑草が生えるのを防いでくれます。リシマキア‘オーレア’は輝くような黄金の葉色が日陰を明るくしてくれます。艶やかなチョコレート色の葉が美しいアジュガ・アトロプルプレアは、春先に青紫色のかわいい花が立ち上がります。2つとも常緑で冬の庭にも彩りをもたらしてくれます。よく広がるのですが地下茎で増えないところがポイント。植物の中には地下茎やこぼれ種で思いのほか増え、コントロールできなくなるものも多いのですが、この2つは広がってほしくない場所に侵入した場合、簡単に引き抜くことができます。こちらの思うようにコントロールでき、とても使い勝手がよいグラウンドカバープランツです。

アジュガ・アトロプルプレアの花
アジュガ・アトロプルプレアの花。Lidia Kovacs/Shutterstock.com
リシマキア、アジュガ、タイム
リシマキア ‘オーレア’とアジュガ・アトロプルプレアにタイム(ピンクの花)を混植した例。

植物名:リシマキア・ヌムラリア‘オーレア’
学名:Lysimachia nummularia ‘Aurea’
英名:ゴールデンクリーピングジェニーなど
科名:サクラソウ科
属名:オカトラノオ属
原産地:ヨーロッパ(原種の自生地)
分類:草花(宿根草)
開花時期:8〜9月
草丈:2〜10cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:黄

植物名:アジュガ・レプタンス・アトロプルプレア
学名:Ajuga reptans cv. Atropurpurea
和名:セイヨウキランソウなど
科名:シソ科
属名:アジュガ属
原産地:ヨーロッパ
分類:草花(宿根草)
開花時期:4〜5月
草丈:10cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:青紫

Credit
記事協力 / 阿部容子 - ガーデンデザイナー/造園家 -

あべ・ようこ/岐阜県可児郡「かたくり工房」に所属。モデルガーデンのガーデンカフェ「ガズー(Garzzz)」を拠点とし、公共、企業、個人の庭を全国各地でデザイン、施工。ぎふ国際バラコンクール審査員として岐阜県「花フェスタ記念公園」でも活動。アメリカ園芸療法協会会員として米国のカンファレンスで学んだ知識や技術を生かし、病院のガーデンも施工しています。

まとめ・写真 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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