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『赤い袖先』でイ・サンに扮したジュノの演技が非常に高く評価される理由は?

  • 2024.1.3

2PMのジュノが主演した『赤い袖先』は、全体的に格調が高い内容になっていた。たとえば、おぞましいキャラの人物が恐ろしい場面で泣き叫ぶといった意図的なシーンはなかった。

また、イ・サンと対立した貞純(チョンスン)王后が意外と常識を持った王族として出てきて、あえて極端な陰謀を企んだりはしていない。そういう意味で、節度を保った登場人物が多かったと言える。とはいえ、イ・サンを苦しめる悪役がいなかったわけではなく、実は親族の高官がカタキ役になっていた。

史実のイ・サンは、10歳のときに父の思悼世子(サドセジャ)が米びつに閉じ込められて餓死してからとても苦労した。立場的には、祖父の英祖(ヨンジョ)によって世孫(セソン)に指名されたのだが、「次の国王になる孫」という身分は安定していなかった。なぜなら、敵対勢力が強烈だったからだ。それが老論派(ノロンパ)の高官や王族であった。

この老論派は思悼世子を陥れた人たちが仕切っており、イ・サンに対しても「次の国王にふさわしくない」という立場を鮮明にしていた。それゆえ、何度もイ・サンを過小評価する言動を繰り返していた。いわば、老論派はイ・サンを徹底的にいじめたのである。その急先鋒が洪麟漢(ホン・イナン)だ。

この人物はイ・サンの親族である。わかりやすく言えば、イ・サンの母親である恵慶宮(ヘギョングン)の叔父だ。つまり、恵慶宮の父である洪鳳漢(ホン・ボンハン)の弟なのである。『赤い袖先』ではホン・ジョンヨという役名で出てきて、ベテラン俳優のチョ・ヒボンが演じていた。

『赤い袖先』でイ・サンを立派に演じたジュノ(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)
たゆまぬ努力と優れた感性

史実に話を戻すと、親族としてこれほど近い関係にありながら、洪麟漢はイ・サンの即位を徹底的に阻もうとしていた。なぜなら、洪麟漢は老論派の重鎮であり、「イ・サンが思悼世子の恨みを晴らすために即位後に老論派を強く処罰するはず」と信じていたからだ。

そんな悪意ある親族にも対応しなければならなかったので、イ・サンは我慢に我慢を重ねて世孫という立場を守り抜いた。まさに「忍耐」の一言だったのだ。

このように、若き日のイ・サンは親族まで敵に回さなければならないほど苦しい境遇に置かれていた。そんなイ・サンを『赤い袖先』で演じるにあたり、ジュノは感情を抑制しながら気高い存在感を見せていた。歴史に残る偉人に扮するというのは大変な重圧がかかるものだが、ジュノはたゆまぬ努力と優れた感性で見事に演じきった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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