牡牛座の空模様－石井ゆかりの星占い「2024年の年報」

2024年牡牛座の空模様

年の前半は、2023年からの「約12年に1度の、人生の一大ターニングポイント」の時間が続いています。特に2024年前半はそこに「驚きの展開」「想定外、突発的なブレイクスルー」が含まれています。2023年中にはまったく予想できなかった何かが、ぽん！と弾けるように起こって、そこから新しいことが始まる可能性があります。

「人生の一大ターニングポイント」ですから、特に5月末までは、何が起こってもおかしくありません。就職や転職、引っ越し、パートナーとの出会い、結婚や出産、社会的立場の変容など、あらゆる「人生のレアイベント」が起こり得ます。そこから人生の新しい幕が上がり、新しい自分が表れ始めます。

変化を嫌う牡牛座の人々ですが、この時期は多くの変化を自ら選択していくことになるでしょう。さらに言えば「自分を変える」ことも、この時期の一大テーマです。意識的にキャラクターを変えていく人もいれば、自然に自分が変わっていくのを感じる人もいるはずです。キャラクターを作るというよりは、今まで自分を覆っていた古い仮面や演技がひとつずつはずれ、剥けていき、より自由でシンプルな自分が内側から花開いていく、ということなのだろうと思います。友情や環境に受け入れられ、守られて、リラックスした気持ちになれます。「素の自分」をどのように出せばいいか、そのことがわかります。長年の思い込みや緊張が解けて、自分が本当はどうしたいのかがわかってきます。自分自身の肩の力が抜けると、周囲の人々もすうっと力を抜いてくれます。柔らかな、優しい、あたたかい場がそこに立ち現れます。それはつまり、貴方が作った場、貴方が作った環境です。

5月末以降は「獲得と所有、経済活動」にスポットライトが当たります。ここから2025年前半にかけて、平たく言って「金運の良い時期」です。ほしいものが手に入りますし、報酬が増える人、新しいビジネスを軌道に乗せる人もいるでしょう。豊かな時間となります。

2024年は牡牛座の人々にとって「新たな野心に火がつく」タイミングです。特に、仕事や対外的な活動において、「どうしても手に入れたい」と思えるものに出会う人が少なくないはずです。もともとたいして野心がなかったのに、なぜか2024年は出世欲や成功への欲が燃え上がり、かつてないほど思い切ったチャレンジを始める、という人もいるだろうと思います。この「社会的野心」の時間は、2043年までの長丁場です。すぐには結果が出ないようなことにも、敢然と挑戦できる節目です。

秋以降、住環境や生活上の人間関係が大きく変わる時間に入ります。9月から2025年6月半ばくらいまでの中で、生活の場を変える人が多いでしょう。地域コミュニティでの立場が変わったり、新たな役目を引き受けることになったりする人もいるだろうと思います。公私ともに「自分がこの世界の、どこにいるべきか」ということを、熱く追求し始めることになりそうです。この「追求」は、「開拓」でもあります。あらかじめ用意されている調った椅子に座るのではなく、荒野を開拓して自分の集落を作るような作業に、ここから公私にわたって、着手できるのです。

［時期について］

1月から2月半ばは、遠出することになりそうです。自らいろいろな所に出掛ける人もいれば、誘われたり、招待されたりして遠くへ旅する人もいるでしょう。2008年頃からいろいろな場所を移動し続けてきた人は、このあたりで最終的な目的地にたどり着けるかもしれません。

またこの時期、精力的に学ぶ人も少なくないでしょう。こちらも、過去15年ほどの学びの「集大成」のような取り組みができそうです。

1月下旬から3月は、熱い多忙期です。仕事や対外的な活動において、大きなチャンスが巡ってくるでしょう。あるいは自ら思い立って、チャレンジし始める人もいそうです。この時期の挑戦はここだけのものに収まらず、今後長く続いていく活動に結びつきます。突然の社会的立場の変化なども起こりやすい時です。

2月下旬から4月にかけては、交友関係が一気に広がります。いろいろな人と親しくなれますし、誰かが新しい場に貴方を「連れて行ってくれる」ような展開もありそうです。新たなネットワークに参加したり、自分が中心となって人の集まる場を作ったりできる時でもあります。また、この時期知り合った人々と、夢や目標を共有した上で、新しい活動を始める人もいるはずです。

3月中旬から6月上旬にかけては、長い間の問題を根本的に解決できる時です。ひとりで抱え込んできた悩み、目を背け続けてきた問題などに向き合い、人の手を借りて、その辛さから抜け出すことができます。場合によっては過去に遡ったり、古い人間関係の扉を叩いたりすることになるかもしれません。忘れ物を取りに戻るようなことができる時です。

4月下旬から7月中旬は、2023年後半からの「人生の一大ターニングポイント」がクライマックスを迎えます。目立った変化が立て続けに起こり、「人生の新しいステージに立っている」ということを実感できるでしょう。過去一年ほど取り組んできたことが周囲に認められたり、時間をかけて準備したことを「リリース」したりするような節目です。

5月末から6月半ば、そして7月下旬から9月頭は、経済活動が一気に盛り上がります。ほしいものをどんどん手に入れられますし、収入アップのための具体的な活動を始める人もいるでしょう。ビジネスにおける熱いチャレンジの時間です。扱うお金の額が一回り大きくなるとか、多くの財を扱うことになるなどのことが起こるかもしれません。

自分の手で何か素敵なものを生み出す人もいるでしょう。非常に生産的な時間です。ここから2025年半ばにかけて、自力で「価値を生み出す」ことができます。隠れた才能が開花し、新しい活動をスタートさせ、多くの果実を得る人もいるはずです。

6月後半から7月中旬は、キラキラしたコミュニケーションの時間です。いろいろな人に声をかけてもらえますし、自分からも働きかけてゆくことになるでしょう。情熱を受け止めてもらえますし、相手の好意をストレートに受け取れる時です。

7月から9月半ばは、「原点回帰」の時間です。なつかしい場所を訪れる人もいれば、古い人間関係のもとに立ち返る人もいそうです。長く帰郷していない人が、この時期久しぶりに故郷に帰る、といったことも起こるかもしれません。

なんらかのトラブルが原因で身近な人とあえて距離を置いていた人は、この時期に関係をある程度回復できる可能性があります。「仲直り」のきっかけを掴めそうです。

さらに、7月末から9月は、素敵な愛の季節でもあります。愛に爽やかな追い風が吹きますし、クリエイティブな活動に打ち込む人もいるでしょう。楽しいことがたくさんありそうです。

8月末から10月中旬は、心身のコンディションがぐっと上向きになります。生活のリズムが整いますし、健康法やエクササイズなど、自分に合ったものを導入できそうです。暮らしの中、日々の仕事の中に、楽しみをたくさん仕込めます。「身体が楽になる」時です。

9月から11月頭は、熱いコミュニケーションに巻き込まれそうです。情熱的に語り合う一方で、議論や討論に挑む人もいるかもしれません。精力的に学ぶ人もいるでしょう。これまで学んできたことや語ってきたことにスポットライトが当たり、一気に注目される、といった展開もありそうです。

11月から年明けは、「居場所が動く」時です。引っ越しや家族構成の変化などが起こりやすいタイミングとなっています。この動きはここだけのものではなく、2025年春から初夏に「第二ラウンド」があります。年内に計画を立て、来春以降実行、といった段取りになるのかもしれません。

11月半ばから12月頭は、爽やかな追い風に包まれます。遠出が楽しくなりますし、新しいステージへと引っ張り上げてもらえるような展開もありそうです。より広い世界に出てゆくための扉が開くタイミングです。

［愛について］

「約12年に1度の、人生のターニングポイント」ですから、愛についても大きな転機に立つ人が少なくないはずです。パートナーとの出会い、結婚や出産など、ハッキリしたイベントが起こりやすい時なのです。特に2024年前半は、電撃的な展開が起こりやすいので、2023年のうちに「特に何もなかった」人も、年が明けると一気に物事が動き出す可能性があります。

2024年前半にポイントとなる天王星は、自由と自立の星です。すでにパートナーがいる人、意中の人と距離を縮めつつある人は、お互いがいかに自由に生きながら愛し合うか、ということが大きなテーマとなるかもしれません。また、年の後半は「居場所・家庭」が動くタイミングとなっています。ここでも「より自由に『ともに生きる』には、どうすべきか」というテーマにスポットライトが当たります。

怒りや感情をギリギリまで心に溜め込んだり、自分の内側に熱いエモーションが渦巻いていてもそのことになかなか気付かなかったりする傾向がある牡牛座の人々ですが、2024年の愛の世界では「ガマン」はおそらく、百害あって一利なしです。お腹の中にずっと貯め込んで、ガマンしてガマンしてバクハツさせる、というやり方だと、本当に関係が破綻しかねません。ともに生きながらより自由になることは、愛の世界では必ず、可能なのです。それを実現するためには、いつも腹蔵なく話し合える関係を模索することが大事です。何でも言えばいいというものでもないかもしれませんが、言い方や伝え方、伝えるシチュエーションなどを少し工夫するだけで、お互いにとてもものが言いやすくなる、といったことはよくあります。この時期は特に、貴方自身の生き方や世界観が大きく変わる時だからこそ、コミュニケーションへの積極的な努力が大きな意義を持ちます。9月から11月頭は、特によく語り合える時です。

愛に強い追い風が吹くのは、1月末から2月半ば、4月末から5月、8月、9月末から10月半ば、11月半ばから12月頭です。特に4月末から5月は、大きな動きがありそうです。

［おわりに］

『ムーミン谷の冬』という作品があります。ムーミンたちは冬眠するのですが、なぜかムーミンだけがある冬、目を覚まして眠れなくなってしまうのです。

冬のムーミン谷は夏とはまったく違っていました。仲間たちや「ご先祖さま」がムーミンの家に勝手に集まってきて、ジャムの備蓄などを食べてしまうのでした。

厳しい季節にみんなで寄り集まり、肩を寄せ合って生きていく時には、「協調性が大切である」と考えられがちです。でも、本当はみんなで集まらなければならない時ほど、それぞれの自由や独立性、個性が最大限に尊重されなければならないのかもしれません。みんなで呼吸を合わせようとすればするほど、全員が息苦しくなってゆくからです。「みんなで」いる時ほど、それぞれのバラバラさ、自由さが大切にされるべきです。一方、みんながバラバラにいられるような時には、「みんなで集まり、協調的に行動する」ことが求められます。でなければ、全員が本当に孤独になってしまうからです。

2024年の牡牛座の世界は、冬のムーミン谷、あのムーミンの家のようです。みんなで集まって、一緒にいるのです。ゆえに、それぞれがどれだけ自由に生きているかが重要です。集まっているからといってお互いがお互いに「協調」「善行」を要求し、ダメ出しばかりして攻撃し合っていたら、苦しくて仕方がありません。全員がある程度以上に自分勝手にできなければ、集団は破綻するのです。

もし誰かが不機嫌そうでも、一緒にいるなら、その胸には何かしらあたたかな意志があります。何も褒め言葉を言わなくても何度も来てくれるなら、きっと気に入ってくれています。2024年は少なくとも、そんなシチュエーションが多いようです。言葉尻だけを捉えてしまうと、無用の誤解が生じます。2024年、貴方が周囲から受け取る好意、ポジティブな思いはすべて、「実質的なもの」に表れます。賞賛よりも報酬に、愛想笑いよりも触れられる体温に、その思いが表れます。

アンケート調査の結果と、実際の消費者の動きは、大きく異なることがあるそうです。アンケートではみんながヘルシーなメニューを希望しているのに、実際に売れるのは高カロリーでボリュームのあるものだった、といった現象が起こります。声の大きな人たちの言葉は、必ずしも集団の総意を表してはいません。誰も褒めてくれないのに、ものすごくよく売れる商品があったりします。逆に、素晴らしく高い評価を受けていながら、実はほとんど誰にも愛されていない、といったものもあります。愛は評価とは違います。時に、人は自分がそれを愛しているということを恥じ、隠しながら愛していることがあります。ツンツンしている人の心の中にどんな深い愛情が渦巻いているか、表面からは誰もわからないのです。

牡牛座の2024年は「実」の年です。木に実る果実の数が、「声」や「空気」よりずっと確かな真実を告げます。反応は薄くても、自ら行動することが可能です。そして行動すれば、巨木に星の数ほどの果実が実ります。それが全部、自分のものになります。秋にどれほどの実がなるか、春にははっきりとはわかりません。リアルタイムで見えていること、聞こえていることがすべてではありません。むしろ見えない所に育ってゆく「実体」こそが、あとあと認めうる「すべて」です。

牡牛座の人々は実際、こうした物事のカラクリが、よくわかっています。人間の愛がどこにあるか、真に自分を満たす果実をどう手に入れられるか、そのことが直観的に、誰よりわかっているのです。2024年はその知見をフルに生かせます。みんなが幻を追いかけて右往左往しているような時でも、貴方だけは実体の世界に踏みとどまれます。そんな貴方の力を、この年は周囲の人々も、おおいに頼ってくれるはずです。