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天秤座の空模様-石井ゆかりの星占い「2024年の年報」

  • 2023.12.31

2024年天秤座の空模様

2024年前半は、2023年後半に引き続き、「ギフト、他者の財、恵み」の時間となっています。価値あるものを受け取る人、ギフトを手渡される人、何か重要なことを「受け継ぐ」人が多いでしょう。自分以外の誰かが特に自分のために、素敵なものを用意してくれる時です。チャンスをくれる人、出会いの場をお膳立てしてくれる人、無償でサポートしてくれる人など、「良くしてくれる人」が貴方の周りにたくさんいます。

天秤座の人々は他者の気持ちにとても敏感ですし、何かしてもらったら必ず感謝し、お礼をしたいと考えます。「してもらいっ放し」にはできません。ただ、この時期はあまり「恩義」を気にしすぎないこともポイントかもしれません。まずはまるっともらっておいて、「数年後に恩返しをすればいいや」「自分も、誰かが困っていたら必ず、助けてあげよう」などと胸に刻んでおくくらいで丁度いいのかもしれません。すぐに返さないということがすなわち「受け取る」ことの意義なのだと思います。

経済的に強い追い風が吹く時期です。ローンを組んだり、投資をしたり、保険商品を検討したりと、自分のお財布の中だけに留まらない経済活動に踏み出していく人が多いでしょう。融資を受けて事業を拡大するなど、経済的に「チャレンジ」する人もいるはずです。

5月末以降は「冒険と学びの季節」に入ります。2025年半ばにかけて、遠出する人が多いでしょう。旅行はもちろん、留学や長期出張、移住など、スケールの大きな移動が起こりやすい時です。特にこの時期は、修行のためとか、何らかのミッションを遂行するため、任務のために遠出する人が多いようです。出掛けた先で「ひと回り大きくなって」、帰ってこられます。

勉強や研究活動、発信活動など、知的活動に取り組んでいる人は、年の後半以降、活動が一気に拡大します。資格取得やスキルの習得には強い追い風が吹きますし、自分の研究成果が注目されるなど、知的活動において「脚光を浴びる」場面もありそうです。発信活動をしている人は、意外なほど遠くまで声が届くでしょう。

さらに、2024年は「やりたいこと」が見つかりそうな年でもあります。情熱の炎が燃え始め、新しい活動に踏み込んでいく人が少なくないでしょう。この「やりたいこと」は、利害や損得とはまったく関係ないかもしれません。最初は趣味のように始まって、だんだんライフワークになっていく、といった展開が考えられます。純粋な興味関心、楽しさや喜びが、貴方を新しい世界へと導いていきます。

[時期について]

年明け早々、どんどん外に出ることになりそうです。あちこちからうれしいお声がかかり、フットワークよく飛び回る人が多いでしょう。点と点をつなげて、新しい場を作れます。

1月から2月半ばは、家族や身近な人との関係がとてもあたたかくなります。また、家にいることがとても楽しくなるでしょう。生活環境を美しくすることに注力する人もいそうです。2008年頃から家族や住処に関することで努力を続けてきた人は、ここでひとつのクライマックスに至るかもしれません。「節目」を感じさせるような出来事が起こり、気持ちが切り替わります。

1月下旬から3月は、楽しいことの多い、キラキラした時間帯です。愛にも追い風が吹きます。新しい趣味を見つける人、突然恋に落ちる人もいそうです。今まで感じたことのないような、熱い炎が胸に燃え始めるタイミングです。

2月下旬から4月にかけては、心身のコンディションを整えるのに適した時期です。生活のあり方を見つめ直し、働き方を変え、日々の時間や労力の使い方を大きく変えられます。生活習慣や暮らし方など、小さな工夫が後々、大きな変化に結びつきます。

特に、2023年春頃から慢性的な不調を抱えてきた人、健康上の問題に悩んできた人は、このあたりでその問題を解決するためのきっかけを掴めるかもしれません。本格的に回復基調に乗るのは2025年以降かもしれませんが、少なくともここで、希望の光を見いだせそうです。

3月中旬から6月上旬にかけては、「人に恵まれる」時です。公私ともに、素敵な出会いがあるでしょう。人と会う機会が増えますし、人との関わりを通して成長できる、キラキラした時間帯です。また、特に4月は「再会」の強い風が吹きます。懐かしい人に会うことになったり、疎遠になっていた人との関わりが復活したりするかもしれません。ケンカ別れや誤解からの別離をずっと気にしていた人は、ここで仲直りできる可能性があります。

4月下旬から7月中旬は、経済活動が盛り上がります。人から受け取れるもの、託されるものがたくさんあるでしょう。意外なチャンスが巡ってくる気配もあります。

2023年後半から、他者との交流を含んだ経済活動を続けてきた人は、ここでひとつの到達点、山場に立つことになります。大きなものを手に入れたり、引き受けたりすることになるかもしれません。

5月末から6月半ば、そして7月下旬から9月頭は、遠出する機会が増えそうです。勉強や研究など知的活動に取り組んでいる人も、この時期は強い追い風を感じられるでしょう。この5月末以降、2025年前半にまたがって、大スケールの「旅と学びの時間」に入ります。このあたりで出発し、出掛けた先で年を越す人も少なくないはずです。知的活動においても、飛躍の時間がやってきます。

6月後半から7月中旬は、忙しさの中にも楽しさがある時です。仕事や対外的な活動において、キラキラしたチャンスが巡ってきます。得意分野で活躍できそうですし、褒められる場面も多いでしょう。

7月から9月半ばは、仲間が増えたり、懐かしい仲間に再会できたりするタイミングです。また、かつて追いかけていた夢をもう一度追い始める人もいるでしょう。この動きは2025年半ば頃にかけての動きにも結びつく気配があります。

さらに、7月末から9月は、第三者には見えないところでじっくり向き合うべきテーマが浮上します。過去の知り合いが訪ねてくるとか、過去にやり残したことにもう一度取り組むことになるなど、「振り返る」ような流れが生じるでしょう。

8月末から10月中旬は、のびのびと自分らしくいられる、とても楽しい時間帯です。愛にも薔薇色の追い風が吹きますし、貴方の魅力にスポットライトが当たり、いろいろな人からうれしい声をかけてもらえるでしょう。新しいことをスタートしやすいタイミングでもあります。

9月から11月頭は、非常に忙しくなります。仕事や対外的な活動において、「勝負に出る」人もいれば、大きなミッションに取り組む人もいるでしょう。社会的立場がガラッと変わる可能性もあります。この動きはここだけに留まらず、2025年年明けから4月半ばに「第二ラウンド」が待っています。ガンガンチャレンジして、多くを得られる時です。

11月から年明けは、熱い仲間に恵まれます。情熱的な人々と関わり、自分の胸にもその炎が燃え移ってきます。損得を超えた活動に取り組み、大きな結果を出せるでしょう。「より広い世界に出て行く」ような体験をする人もいそうです。この動きも、2025年4月半ばから6月半ばの「第二幕」に続きます。

10月末から年末は、キラキラしたコミュニケーションの時間です。いろいろな人に声をかけてもらえますし、自分からも働きかけてゆくことになるでしょう。過去の対話が復活したり、懐かしい人たちから連絡が来たりするかもしれません。また、フットワークで勝負できる、とても機動的な時間でもあります。外出の機会が増え、新しい「行きつけ」を増やせます。こちらも、かつて好きだった場所を再訪するなど、「過去を振り返る」要素が含まれそうです。

[愛について]

2024年に恋に落ちたら、その思いは長続きします。2024年は刹那的な愛や、その時楽しければいいだけの恋とは、おそらく無縁です。心の深いところにある愛の炎に燃料が注がれ、この炎はこの先少なくとも20年は、決して消えないのです。

すでにパートナーがいる人も、自分の中で愛情が「再燃」するのを感じるでしょう。心の中に新鮮な思いが再び燃え上がり、関係が変化し始めます。なかには、支配欲や束縛したい気持ちが募るなど、自分でも不可解な衝動に突き動かされる人もいるかもしれません。ある感情が湧き上がるとつい、その感情を論理的に整理したくなる天秤座の人々ですが、この時期に燃え上がるの、湧き上がるものは、おそらくリクツではまったく捉えられないだろうと思います。10年後ならある程度説明がつくかもしれませんが、少なくとも今は、未分化な熱い感情を「生きてみる」しかないだろうと思います。

愛の感情を生きる、ということは、この先長く貴方の生活のメインテーマとなります。人間は「欲する」ことによって生きていきますが、そのもっとも華やかな、喜びの多い分野で、貴方はこの先「欲し」、その思いをさまざまに「満たして」いくことになります。その入り口である2024年は、なにしろ「入り口」「スタートライン」なので、まだ慣れない状態で不安定になったり、何が起こっているのかわからなかったりと、戸惑う場面も多いかもしれません。でも、とにかく「自分は今、何を望んでいるのか」を心に問いかけていけば、きっと次に踏み出すべきステップが見つかるはずです。

愛に特に追い風が吹きそうな時期は、1月中旬から6月頭、8月末から9月、12月半ばから2025年年明けです。また、11月後半には、かなりドラマティックな出来事が起こる気配があります。

[おわりに]

2024年、貴方はなんらかの「離脱」「脱出」をはかります。なにから「脱出」するかは、人それぞれです。たとえばある種の癒着、依存、束縛、トリモチが絡みつくようなどうしようもない人間関係、拭こうが絞ろうがどうしても乾かない情念、欲望の底なし沼、恐怖心や不安、嫉妬や劣等感、優越感や強すぎる自意識、脆いプライドや臆病なシニスム等々、誰もがさまざまな心の力に取り巻かれ、包み込まれ、先に進む意志を奪われます。2024年に貴方が脱出するのは、そういった思いや、それらが含まれた長い間の状況なのかもしれません。あるいはもっと別の、環境や、関係性や、力関係、生活を構成する条件なのかもしれません。

この「離脱・脱出」を可能にするのは、貴方の胸にある、自由への願いです。あるいは、個人としての愛、望みです。自分自身の都合によって、貴方はその力学、その場から脱出をはかるのです。こうした場合、「みんなの都合」をある程度、無視しなければなりません。必要としてくれているその手を、「とらない」という判断をしなければなりません。これは、極端な言い方をするなら、「奴隷でいるかどうかの選択」です。もちろん、自分自身の判断で「奴隷のままいる」ことも選択できます。ですが、もしかすると「自分が奴隷でいる」つもりで、実は「相手を隷属させている」ということもあるのかもしれません。隷属にも、作用と反作用があります。縛るほうも相手に縛り付けられているのです。貴方が「離脱・脱出」を図った時、もしかすると、より強い解放感を抱くのは、貴方を縛っていたはずの、相手のほうなのかもしれません。

人間は理性の生き物だ、と考えられています。ですが、実際にやっていることは、いかにも非合理です。わざわざ傷つくとわかっている恋をしたり、危険に身をさらす旅に出たりします。禁止されていることをやり、守ってくれる手を振りほどいて飛び出していきます。ルールを破ったり、他人を傷つけたりするのは、もちろん、悪いことです。「ぜったいにやってはいけないこと」は、世の中に、たくさん存在します。ただ、それ以外の領域において、何らかのリスクをとったり、不条理な衝動に身を任せたりすることを完全に拒んで生きていると、人間は「生きている」という実感を抱きにくいようです。わざわざジェットコースターに乗ったり、バンジージャンプに挑んだりするのは、「生きている!」という実感を得るためではないでしょうか。サウナに入ったり、水風呂に飛び込んだりすることを好む人がたくさんいるのは、「血行が良くなる」といった健全な理由だけではないはずです。完全に守られた安全な場所で倦み疲れ、自分と外界の境界がわからないような状態に置かれ続けると、人は生の実感を失い、やがて、心を腐らせてゆくのかもしれません。そうしたぬるい状況から脱出、離脱するための試みを、人間は自然に、選択することになるものなのかもしれません。

「操り人形は、自分の操り糸を愛する限り自由である」(*)。私たちは多分、さまざまな糸に操られている操り人形である、と考えることもできます。糸の指令を気に入って、受け入れられていれば、私たちは「自分は自由だ」と感じます。自分の境遇や主人に満足している「奴隷」ならばおそらく、そうした「自由」を感じるのかもしれません。

ですが、長い間ずっと、そんな状態に置かれていると、人はいつか、その糸を切りたくなるものではないでしょうか。自分を操る目に見えない糸、それが何かは、人それぞれだと思います。かつては受け入れることができていた糸も、今はもう、そうではないのかもしれません。2024年、貴方はそれを切ってみる選択をする可能性があります。自分の意志で手足を動かすことの刺激は、多分、とても鮮やかなものだろうと思います。

*引用部「サム・ハリスは著書『自由意志』の中で、彼なりの軽蔑的な両立論の定義を提案している。「操り人形は、自分の操り糸を愛する限り自由である」というのだ。」(『自由意志対話自由・責任・報い』ダニエル・C・デネット、グレッグ・D・カルーゾー著木島泰三訳(青土社刊)

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