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ドイツのおばあちゃんから学ぶ。健康で幸せに生きるための”ウェルビーイング”7つの秘訣

  • 2023.12.31

こんにちは、ドイツ在住トラベルライターのYuです。

近年よく耳にする「ウェルビーイング」という言葉。「健康」や「幸せ」など抽象的なイメージがありますが、具体的には肉体的・精神的・社会的に満たされている状態のことを指します。

今回は、私の身近に「これぞウェルビーイング!」という生き方を実践しているドイツ人おばあちゃんがいるので、彼女のドイツ流ウェルビーイングの秘訣を7つに分けて紹介していきます。

この記事を読んでくださっているみなさんが、健康に幸せに年齢を重ねていくための参考になれば嬉しい限りです。

そもそもウェルビーイングとは?

photo by shutterstock

みなさんは「ウェルビーイング」という言葉をご存じでしょうか?

以前は「病気をせず長生きする=幸せ」という考え方が広く信じられてきました。

しかし現在は、身体だけでなく、精神面・社会面なども含めて総合的に健康で満たされている状態=ウェルビーイングでいることの大切さが、広く浸透してきています。

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ウェルビーイングにはたくさんの考え方がありますが、共通して言えることは「幸せで健康に年齢を重ねることは、たくさんの要素で構成される」ということ。

2023年の世界幸福度ランキングで日本はG7中最下位の47位。「健康寿命」のスコアは高いものの「人生の自由度、寛容さ」などの他項目のスコアが低い結果となりました。

日本人にとってウェルビーイングは、今後も気になるトピックであることは間違いないでしょう。

キキおばあちゃんについて

photo by Yu Villegas

私にはドイツ人の義理の妹がいるのですが、彼女のお母さんであるキキおばあちゃんは60代ながら長距離ランニングや登山をしたり、ボランティア活動をしたり……と、とにかくアクティブ。

旦那さんを亡くしていたり障害のあるお子さんがいたりして大変なこともあるだろうに、いつもハッピーオーラ全開で、会うたびに良い刺激をもらっています。

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「こんなふうに年を重ねたい」と感じさせてくれる、私の人生のロールモデルであり、私の自慢のドイツ人ママでもあります。

彼女のライフスタイルは、まさにウェルビーイングのお手本。ドイツの生活習慣も含めて、参考にしてみてくださいね。

【秘訣1】何歳になってもチャレンジ

photo by Yu Villegas

運動が日課のキキおばあちゃん。

週に3日は9キロのランニングをし、スポーツジムに行ったり、友人たちと自転車で2時間走ったりすることも。

ドイツ最高峰の山であるツークシュピッツェ山にも登頂。ケーブルカーで手軽に登れる山ということでも有名ですが、もちろん彼女は自分の足で登りました!

しかもなんと、これらすべて50代になって始めたことなんです。

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ランニングにいたっては、少しの距離からはじめて日課にした結果、今やレースにも出場するほどに。

チャレンジして達成感を覚えることは、幸福度や充実感を高め、ウェルビーイングな状態へと導いてくれます。小さなことでも何かにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

【秘訣2】健康な身体と思考があってこそ

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元看護師であるキキおばあちゃん。

看護師として何十年も働いてきたなかで、お年寄りが靴下を履くのにも苦労している光景を日々見てきたことが、今のライフスタイルに大きな影響を及ぼしたといいます。

「身体が自由に動かなくなると生活の質が下がる」ということを目の当たりにしてきたキキおばあちゃん。そんなおばあちゃんが50歳の誕生日を迎えたときにまず思ったのが「身体のために新しいことをはじめよう」ということだったんだそう。

運動に親しみリタイア後も旅行に出るなど、ウェルビーイングな生活を実践している姿はとても生き生きとしています。

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“いつ身体が自由に動かなくなるかわからないから、やりたいことは今するべき”と広く提唱されているこの時代。

それも大切ですが “いかに長い間、身体を自由に動かせるようにするか”という考え方も同じように大切だということを知っておくとよさそうですね。

“健康な身体と思考があれば、何歳になってもやりたいことはなんでもできる”ということを体現しているキキおばあちゃんを見ていると、いつも勇気をもらうのです。

【秘訣3】たくさんの趣味をもつ

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キキおばあちゃんは本当に多趣味。ガーデニング・ピアノ・クロスステッチ・編み物・読書・カードゲーム・数独・ランニング・お菓子作り……と挙げたらキリがないほどです。

なかには友人や地域のクラブ仲間と一緒に活動するものもあります。ウェルビーイングの要素のひとつである「他者とのつながり」も趣味を通して達成できていて、一石二鳥とはまさにこのこと。

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また、趣味に没頭しているときは今注目の“マインドフルネス”の状態。この状態であることは、体力や集中力の回復に役立ち、メンタルにも良い影響があると科学的に証明されています。

趣味をもつことは、まさにウェルビーイングになるための秘訣。一日に30分だけでもスマホの電源を切って、趣味に没頭する時間をつくってみてはいかがでしょうか?

【秘訣4】居心地のよい家づくり

photo by Yu Villegas

キキおばあちゃんの家は、いつ訪れても温かいムードにあふれています。

そしてなんといっても、居心地が抜群に良いのです。たとえば明るい光が差し込むリビングは季節ごとに可愛くデコレーションされていて目に楽しいし、訪れる誰もがリラックスできます。

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さらに、キキおばあちゃんの家のキッチンには、必要なものが絶妙な配置で収納されています。ここなら料理を楽しめそう!と思わずウキウキするようなつくりです。

キキおばあちゃんの料理がどれも絶品なのは、こんなに居心地のいいキッチンで作られているからかもしれません。

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住まいは日々の生活のベースとなる場所。

インテリアや間取りだけでなく、機能や暮らしやすさといった点も毎日を快適に暮らしていくのにとても大事なんだなぁと、キキおばあちゃんの家を訪ねるたびに感じるのです。

【秘訣5】自然の力でリフレッシュ

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ドイツ人は、暇さえあれば森へ出かけます。

一日平均なんと200万人(天気のいい日は400万とも)が森へ散歩に出かけると言われていて、森歩きはもはや国民的スポーツです。

キキおばあちゃんも例にもれず、森が大好き。

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森を歩き、走り、深呼吸をすると、森に包み込まれるような感覚がすると言います。

そして太陽の光を浴びた木々の神秘的な美しさに、心が洗われるとも。鳥、うさぎ、リスなどの野生動物を見るのも、癒やしの時間なんだとか。

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ここ数年、ドイツでよく聞く新語があります。

それは「Waldbaden(=森林浴)」。もともと1982年に日本で提唱された言葉がドイツ語に直訳され、最近また注目を集めているんだそう。

森林浴の効果は、リフレッシュ、免疫力アップ、疲労感の緩和など、挙げたらキリがないほどたくさんあることが医学的にわかっているそう。

休日に森林浴目的のリフレッシュ旅に出てみるのもよさそうですね。

【秘訣6】困っている人を支える=他者とのつながりを感じる

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キキおばあちゃんは、ボランティア活動にも熱心です。

活動の一例を紹介すると、シリア・アフガニスタン難民へのドイツ語レッスン、コロナ禍には看護師の経験を生かしたワクチン接種のボランティア、フードバンク活動も。

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そして、現在彼女のライフワークとなっているのは、「Mittagstisch(直訳でお昼ご飯のテーブル)」という、一人暮らしの高齢者なら誰でも参加できるランチ会の主催。

キキおばあちゃんは「高齢者が孤独にならないように、集まる場所をつくるのが当初の目的。はじめは数人だったのが、今は何十人も集まるイベントになったのよ」とにこやかに話します。「自分も新しい人との出会いが毎回あって楽しいんだ」と言っているのが印象的でした。

キキおばあちゃんは困っている人を支えるだけでなく、同時にウェルビーイングでとても大事な「他者との深いつながり」も自然と実践しているのです。

あっぱれ!

【秘訣7】家族が生きがい。だけど一人でも人生を楽しめる強さを

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「キキおばあちゃんにとっての、人生の生きがいは何?」を尋ねると、必ず「家族」という答えが返ってきます。

旦那様は10年以上前に他界してしまいましたが「たくさんの美しくてかけがえのない思い出が今もいたるところに息づいているから、大丈夫」と力強く語ります。

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今も住んでいる家は、亡き旦那様が土台から壁、細部にいたるまで一からつくったもの。彼女が大好きなガーデニングも、農家出身の旦那様が教えてくれたものだそう。

そんな思い出を大切に、今も日々を生き生きと過ごしている姿は本当に素敵。現在はたくさんの孫に恵まれ、日々彼らの成長を見守るのが楽しいと言います。

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この記事を執筆するにあたり、お話ししている中で「とても満たされている、幸せ」と何度も口にしていたキキおばあちゃん。

家族を何よりも大切に思う彼女ですが、「娘たちが遠くに住んでいた間でも、趣味や生きがいが他にもあるから一人でも満たされて幸せだったのよ」「何歳になっても自立していたい。誰かに頼らずとも人生を謳歌できるのが大事」という言葉がとても印象に残っています。

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冒頭でお話した「ウェルビーイングでいることは、たくさんの要素で構成される」とは、まさにこのことですよね。

できるだけ長い年月をウェルビーイングでいれば、人生のバケットリストをたくさん叶えることができます。

人生最後の瞬間に「いい人生だったな」と思えるように、自分にとっての生きがいや健康な生活習慣を、今から見つけてみてはいかがでしょうか。

そしてその一つひとつを実践していくことが、ウェルビーイングにつながっていくんだと、キキおばあちゃんから伝わってきます。

自分流のウェルビーイングの秘訣を見つけよう

世界的に注目されている“ウェルビーイング”ですが、国によっても人によってもその解釈や方法はさまざま。「これをすればウェルビーイングな人でいられる!」という正解はありません。

ぜひ自分流のウェルビーイングの秘訣を探して、健康で幸せな人生の土台作りを今からはじめてみませんか。

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