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細菌の増殖を防ぐため、キッチンの大掃除で確認したい9つのポイント

  • 2023.12.30

食品、湿気、油などの影響で、キッチンは細菌が繁殖しやすい場所だ。アフノール(フランス規格協会)の食品衛生専門家であるオリヴィエ・ブトゥが、これらの細菌を取り除く方法をアドバイスする。

アフノール(フランス規格協会)の専門家によれば、キッチンの多くの場所は掃除が不十分か、まったく行われていないという。photography: Getty Images

まな板、防水シーリング、キッチンフードなど、キッチンはまさに細菌の温床だ。「家の中でも掃除が行き届いていないか、まったく掃除を行っていないことが多い」と、アフノールの食品安全専門家であり、食品安全に関する本の著者でもあるオリヴィエ・ブトゥは指摘する。こうした細菌の増殖を防ぐために、9つの簡単なステップを紹介しよう。

#1. 月に一度、冷蔵庫を掃除・消毒する。

「食品の安全性を確保するためには、冷蔵庫を正しく管理することが不可欠です」とオリヴィエ・ブトゥは主張する。専門家は月に一度の掃除と消毒をすすめている。

「掃除と消毒は違います。冷蔵庫の掃除はまず、こぼれた食品の残留物を取り除きます。実際には、冷蔵庫の中身を空にして、清潔なスポンジと石鹸水で全体を掃除します。塩素系洗剤を使うのが理想的です。水で薄めて、清潔なスポンジを使います。すべての消毒が終わったら、全体をすすぎ、使い捨ての紙か清潔な布で拭いて、残留物が残っていないことを確認します」。冷凍庫に関しては、冷蔵庫と同じ作業を年に1回の頻度で掃除と消毒をしよう。

#2. 冷蔵庫の密閉度をチェックする。

冷蔵庫内の細菌が繁殖しやすい場所を清潔に保つため、オリヴィエ・ブトゥは冷蔵庫の扉の密閉度をチェックすることをすすめる。「黒い斑点がついていたら、おそらくカビです。直ちに対処する必要があります。というのも、このジョイント部分は機器が密閉されていることを確保する役割を果たしているからです」

冷蔵庫の一部分を定期的に清掃・消毒する必要がある。「ジョイントの密閉度が十分かどうか確認するために、ジョイントのゴムを引っ張ってみましょう。もし抵抗があれば、密封性がまだ良好であることを意味します。そうでなければ、ホームセンターで新しいものを購入して交換する必要があります」

#3. 電子レンジを徹底的に掃除する。

水はね、油こぼれ、こびりついた汚れなど、フタをしないと、電子レンジはまさに細菌の温床になりかねない。オリヴィエ・ブトゥは、何よりもまず、製品の取扱説明書を読むことをすすめる。そして冷蔵庫と同様、通常の掃除と消毒を行う。

その際は手袋をはめ、電源プラグを抜く。「電子レンジの中心部を入念に掃除します。最後に、しっかり洗剤を落として乾かしてから使用しましょう」

#4. 食洗機の分解と洗浄

食洗機からすべての細菌を除去するための唯一の解決策は、時間はかかるが「機械を分解し、各部品を個別に洗浄すること」だ。オリヴィエ・ブトゥは、適切な掃除用品を使用するよう強調する。「洗浄は複数回行います。硬水は避け、サイクルの最後にはすすぎ液を使用したりしましょう」

フィルターにゴミがたまるのを防ぐため、オリヴィエ・ブトゥーは日頃から、食器を器具にセットする前にすべての食器を少量の水で流すことをすすめる。

#5. レンジフードの油汚れを取る。

レンジフードで繰り返し問題になるのが、油汚れの付着だ。「理想的な解決策は、フィルターが取り外せるレンジフードを選ぶこと。フィルターを洗うには、油汚れを取り除くアイテムを使うだけです」。専門家によれば、時間はかかるが定期的に月一度は行うべき重要な作業だ。

#6. ガラス瓶と水筒の定期的な洗浄

「数年前から、ガラス瓶やアルミ製のボトルがあちこちに出回るようになりました」と専門家は言う。環境には優しいかもしれないが、これらの容器は衛生的とは言い難い。「しっかり洗わずに常に水を入れたり、直接口をつけて飲んだりしがちです。そのため、細菌が増殖するには理想的な環境なのです。これらは特に危険というわけではありませんが、ボトルをきちんと洗うことは不可欠で、特に黒カビが繁殖しやすいコルク部分やひび割れに注意する必要があります」

#7. キッチンタオルの整理と交換

「キッチンタオルは、調理台を拭いたり、食器を乾かしたり、オーブンから料理を取り出したりするのに使うので、最近が増えやすいものです」とオリヴィエ・ブトゥは説明する。「たとえば、白いタオルは手を拭くのに使い、青いタオルは食器を拭くのに使うなど用途を決めましょう」

専門家は、オーブンに使う鍋つかみには、使い捨てのペーパーを使うことをすすめている。スポンジも同様で、「微生物の巣になるので、頻繁に交換する必要があります」。スポンジの寿命については、「常識の問題です」と専門家は述べる。

#8. まな板

木製であれプラスチック製であれ、細菌の増殖を避けるためには、まな板をきちんと手入れすることが不可欠だ。「土のついた野菜を切った後、同じまな板で生の鶏肉を切ることは避けるべきで、調理器具を洗わずにすぐに作業に移るべきではありません。そうでないと、野菜に付着した細菌が鶏肉に移る可能性があります。また、生と調理済みの食材を交差させないように気をつけましょう。使用するたびにまな板を清潔に保ち、乾燥させる必要があります」

木製のまな板の消毒に関しては、「シンプルに洗いましょう。ボードにしみ込むほど強い成分を含む消毒剤を使用すると木材を傷める危険性があるので気をつけましょう」

オリヴィエ・ブトゥがすすめるのは木製のまな板。ほかに比べて、はるかに使い勝手がよいという。「白色のまな板は、ポリエチレン(石油由来の物質から作られるプラスチック)で作られています。これらはすぐに摩耗しやすく、包丁の切り込み跡に細菌が繁殖する傾向があります」

#9. ゴミ箱

当然のことだが、ごみ箱には細菌がたくさん存在する。ほかのキッチン用品と同様、定期的なメンテナンスが必要だ。そのためには、ほかの道具と同じように「空にして、掃除をして、消毒する」を定期的に行えばよい。

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