長い距離のコースは難しい……とはかぎらない！自分の得意なコースを見極める方法とは？

ゴルファーによって得意なコースはそれぞれ違う。では、自分が得意とするのはどんなコースなのかを現実的、具体的に知るには「レーダーチャートを作るとよくわかる」とマスター今野はいう。

マスター今野が、今宵も見せに訪れた迷えるゴルファーに希望の光を与えます。

タケ日本オープンの最終予選会どうだった？

今野（マスター）ダメでした……。ＪＧＡ（日本ゴルフ協会）の試合やプロテストは出場選手の技量に対してパープレーのコース設定にするので、それを目指してかぎりなく近いプレーをしましたが、カットラインは２アンダーでした。

タケ会場だったザ・ロイヤルゴルフクラブって長いよね。

今野リンクス風の７６００ヤード。私は飛ばなくはないけど、すごく飛ぶほうではない。若い選手とのパワーゲームは分が悪く、コースとの相性がよくなかったです。

タケコースが違っていたら通ってたかもしれない？

今野可能性はもっと高かったと思います。

タケマスターが得意なコースってどんなの？

今野林間で、悪天候ならなおよし（笑）。私は防御力の高いゴルファーなので、スコアの伸ばし合いよりも落とさないプレーをさせるコースと天気が得意で相性がいいです。

タケなるほどねぇ。僕の得意コースってどこだろ？簡単だと思うのは「短い、広い、平ら、グリーンが大きい」だけど。

今野その全部がそろうコースは滅多にないですね。だいたいこの２つに分かれると思います。ゴルファーによって得意なコースはそれぞれ違う。

●短い・狭い・グリーンが小さい（砲台、ツーグリーン）
●長い・広い・グリーンが大きい（ワングリーン）

短ければそれなりに狭い、長ければ広く、広いとグリーンも大きく作れる。

タケマスターは前者のほうが得意になるのか。

今野そうですね。自分の“スキルレーダーチャート”を作ると、どちらが得意か見えてきます。私の場合は……（チャート参照）

タケドライバーが得意で、アプローチが苦手なら、長くてグリーンが大きい後者のコースが得意になるんじゃないの？

今野いいえ。ドライバーが得意っていう人は曲がらない人です。フェアウェイキープ率８シーズン連続１位の稲森佑貴選手は間違いなくドライバーが得意ですし、河本力選手は今シーズンもドライビングディスタンス１位ですが、ドライバーが１番得意とはいわないと思います。

タケ点数は正確性でつけていくのか。

今野小さい砲台グリーンなら、パーオン率を上げてアプローチを打たない攻め方をします。

タケそうなると僕は……。ドライバーやＦＷみたいな長いクラブは飛ぶ以前に曲がる。ショートゲームはまあまあかなぁ。

今野でしたら、距離が長くても広くてグリーンが大きいコースですね。２打目までトラブルなくグリーンまわりまでいけばパーが拾えます。

タケ「長い」は、スコアメイクの大敵だと思っていた。

今野そのゴルファーの技量によっては「長いから〇〇」の〇〇の部分がメリットになることもあるので、距離だけで判断はできません。バックティーから回ったのにレギュラーティーからとスコアが変わらなかった、なんてときはそのメリットの部分が効いていたりします。

タケショットメーカーのマスターにとっては「長い」は逆に大敵だったのか。

今野そうですねぇ。でも、最終予選までいったのはすごくないですか？

タケすごいよ。最終予選会に出た選手のなかで、一番練習してこなかっただろうに。

今野それは、きっとそうだと思います（笑）

ゴルフはターゲットスポーツ。飛距離が出るから得意ではなく「狙ったところに正確に打てるか」が重要になり、それを踏まえて点数をつける

長いホールは大概広い。大きく曲げてもトラブルやペナルティになりにくいのでパワーヒッター向き。広いぶんグリーンも大きく乗せやすいが、外したときや乗ったとしてもピンまでの距離が長い状況になったら、アプローチもパットも狙った距離感を出すスキルが必要になる

距離が短いホールは、短いぶん罠が仕掛けられていて曲げると危険。狭くてグリーンも小さいことが多いが、アプローチもパットもピンまでの距離が短くなるので寄せワンや1パットを決めやすいやさしさはある。ロングショットが得意で、ショートゲームが苦手な人に向いている

マスター今野一哉
●こんの･かずや／1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ。RainbowFM（88.5MHz）の「サタマニ♪」（第2土曜 15:00-16:00オンエア）で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。

写真＝鹿野貴司
協力＝LaFace