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これを読んでたった1年で「模試E判定→東大現役合格」を実現…わが子の「頭が良くなる漫画」厳選8作品

  • 2023.12.27

どうすれば楽しく効率的に大学受験に必要な学力を身に付けることができるのか。学年最下位から東大現役合格を果たした保手濱彰人さんは「僕は高校3年生のとき、いわゆる普通の受験勉強はほとんどしなかった。それでも東大には年間約3000人もが入学しているわけですから、超狭き門というわけではない。合格の可能性は誰にでもあるはずだ」という――。

大の勉強嫌いで年間200回遅刻していた高校時代

僕は中高一貫校の駒場東邦から東京大学に現役合格しましたが、もともとは大の勉強嫌いでした。小さいころからやりたくないことはまったくできないタイプで、中学こそ親の導きで無理やり受験できたものの、入学して以降はまったく勉強しなくなりました。

キャラアート会長 保手濱 彰人さん
キャラアート会長 保手濱 彰人さん

授業も勉強も苦痛でしかなかったので、成績なんて留年しないギリギリのレベルでいいと思っていました。実際、高校時代は年間200回以上も遅刻し、成績は学年最下位で模試もすべてE判定。それでも自分としては気にしていなかったのですが、高3になったころ、ふと「このままじゃ人生終わるな」と思ったんです。

どうすれば人生終わらずに済むかなと考えて出した結論が、日本トップの大学、東大に行くことでした。昔から少年漫画が好きだったので、『ONE PIECE』の主人公のように「今は弱いけどいつか絶対に海賊王になるんだ!」という気持ちで一発逆転を狙おうと(笑)。今考えれば本当に無邪気でしたね。中高と勉強の大変さを知らないまま過ごしたもので、それがどれほど無謀かなんて考えもしませんでした。

E判定から合格までの1年間で何をしたのか

とはいえ、高3の時点で学年最下位の人間が東大を目指すわけですから、先生をはじめ周囲からは「この成績で今から狙うなんて絶対無理」と散々言われました。いわば絶望的な状況だったのですが、そこで救いになったのが、主人公が絶望的状況から勝利する漫画『寄生獣』でした。この漫画を読んでいたおかげで、自分が助かる道、這い上がれる道は必ずあるはずだと思えたんです。

結果からいうと、その後慶應の経済と理工、早稲田の理工、東大の理科I類を受けてすべて合格し、先生からは「実質的に最後の3カ月間の伸びだけで受かったんだからすごいな」と言われました。

僕がわずか1年の間に何をしたのか――。なにしろ最下位からのスタートですから、人と同じことをしていたのでは差を埋められません。そこで、いわゆる普通の受験勉強とはまったく違うことをしようと、徹底的に“逆張り”したのです。

3カ月で30カ月分の学習効果

東大に合格するために、僕が実践したポイントは3つあります。1つ目は学習効率を最大化すること。そのために、僕は楽しんで勉強することにしました。これによって、嫌々勉強するのに比べて学習効率も定着率も10倍ほど高まり、3カ月でも30カ月勉強したのと同じぐらいの学力がついたと思っています。

「一般的な受験勉強は一切しなかった」と話す保手濱さん
「一般的な受験勉強は一切しなかった」と話す保手濱さん

たいていの人は勉強に関して「何時間したか」を重視しますが、実際はかけた時間より学習効率や定着率のほうが大事です。また、学力は苦労し努力して身につけるものと思われていますが、実際は楽しくて気持ちが高揚した状態で勉強したほうがよく覚えられるし身にもつきます。

僕にとって何より楽しいのは漫画を読むことでしたから、例えば日本史を勉強しようと思ったら、まず『学習まんが 日本の歴史』を読みました。僕は漫画のおかげで、努力も苦労もすることなく楽しみながら勉強でき、学習効率を最大化できたのです。

漫画を読んでから教科書を読む

2つ目は「左脳+右脳の全脳を使う」ということです。多くの人は勉強=教科書を読むという固定観念を持っていますが、文字や数字を読むだけでは左脳しか使っていないことになります。僕はそれじゃもったいないな、イメージ記憶を司る右脳も使って全脳でやったほうが学習効率は上がるはずだと思いました。

その点、漫画を読むときはセリフは左脳、絵やコマ割りは右脳と、全脳を使います。ここから、僕はまず漫画で全体像をつかみ、その後に教科書を読むという流れで勉強することにしました。

例えば世界史なら、そうした題材の漫画を読めば、歴史上の出来事や重要人物はもちろん当時の雰囲気や空気もイメージとしてつかむことができます。さらには教科書と違ってワクワクしながら読めるので、どんどん先が知りたくなるうえ記憶にもしっかり残ります。

最近の作品で僕がお勧めする漫画は、中国史なら『キングダム』、化学なら『火の鳥 2 未来編』、生物なら『もやしもん』です。これだけで成績が上がるわけではありませんが、各科目を学ぶキッカケにするにはとても良いと思います。全脳を使って勉強するにはイメージの力を最大限に活用することが大事で、それには漫画が最適だと実感しています。

文章力が最大の強みとなった

3つ目のポイントは「知識・文章力・論理的思考を掛け合わせる」です。難関といわれる大学に合格するには、これらのうちどれか1つだけで勝負するのではなく、3つをうまく掛け合わせることが肝になります。

知識については、「完璧に」ではなく「ある程度」身につければ十分です。他の2つに比べればわりと適当に、雑に押さえておくぐらいの気持ちでいいと思います。東大でも入学試験で100点満点をとる必要はまったくなく、各科目60点ぐらいとれれば合格できるんです。実際に僕も、入試にはある程度の知識と漫画から得た断片知識だけで臨みました。

文章力については、僕の場合はこれがいちばんの強みになりました。正直、この力のおかげで合格できたようなものだと思っています。どうやって鍛えたかというと、やはり漫画を通してです。漫画にはいい文章がたくさん出てきますし、好きなセリフはしっかり覚えるので自然と日本語力が身につきます。

加えて、僕は好きな漫画については友達にこれでもかというぐらい熱く語っていました。主人公の行動や心情についてディスカッションすることもあり、おかげで喋る力が、ひいては文章力が鍛えられていきました。ちなみに、このころ培った「推しについて熱く語る力」は、起業した今もプレゼンで大いに役立っています。

子どもの学力がメキメキ鍛えられる超オススメ漫画

難関といわれる大学は試験で文章を書かせることも多いので、文章力を鍛えておくと点をとりやすくなります。お子さんの文章力を鍛えたい方は、同じ漫画を各自で読んで、推しの登場人物や好きなシーンについて熱く語り合ってみてはいかがでしょうか。

ただ、自分の好きな漫画だけ読めば文章力が上がるかというとそうではありません。何かの力を伸ばすには、ちょっと頑張ればできる、あるいは助けがあればできるといったレベルの領域に踏み込むことが大事です。そのため僕は、自分にはちょっと難しいかなと思う漫画も積極的に読むようにしていました。

具体的には、『ビッグコミック』や『モーニング』といった青年向けコミック誌の社会派漫画です。特に『モーニング』連載の『働きマン』や『ジパング』、『島耕作』シリーズはよく読みました。高校生では経験し得ない世界や大人っぽい文章に触れることができて楽しかったですし、文章力を養ううえでもとてもためになりました。

結局、高校で学ぶ受験勉強よりも、社会に出てからする仕事のほうがよほど難しかったりするので、早いうちからそういう世界に触れることで自然とレベルアップできるんですよね。

【図表】学力がぐっと伸びる「おすすめの漫画厳選8冊」
「自分の力で考えなさい」は間違っている

最後の論理的思考というのは、物事を関連づけたり組み合わせたりする力を指します。一般的には結論と根拠のつながりを軸に物事を理解する思考法をいいますが、僕はこの力は暗記さえすれば、すなわち関連づけ方や組み合わせ方のパターンを覚えさえすれば得られるものだと思っています。

保手濱彰人『武器としての漫画思考』(PHP研究所)
保手濱彰人『武器としての漫画思考』(PHP研究所)

例えば受験に必要な古文や英語の基礎文法、物理の公式などは数も決して多くはありません。これらを押さえたうえで関連づけ方を覚えれば、試験問題を解くのはそれほど難しくないでしょう。

学校の先生はよく「自分の力で考えなさい」といいますが、僕はそれは全然違うと思います。論理的思考というのは暗記の積み重ねでしかなくて、例えば数学の問題でも、少し考えてわからなければ速攻で答えを見ればいいんです。わからないのは関連づけ方のパターンが自分の中に入っていないからで、だったら答えを見てそのパターンを暗記していけばいい。ずっと考え込むなんて時間のムダですし、第一楽しくないですよね。

数学がクイズゲームに見えてくる!

すぐに答えを見れば悩まずに済むので、問題を解くのがどんどん楽しくなって、そのうち数学がクイズゲームに見えてきます。こうすればパターンの幅が広がって、試験で求められる論理的思考も鍛えられていくでしょう。

漫画も同じです。読めば読むほど自分の中にないもの同士の関連づけが増えて、論理的思考のクセがついていきます。知識×文章力×論理的思考。僕が東大に合格できたのは、この3つをうまく掛け合わせることができたからだと思っています。

普通の受験勉強は一切しなかった

僕は高3の最後の3カ月間、教科書を読み込んで暗記する、必死で問題を解きまくるといった、いわゆる普通の受験勉強はまったくしませんでした。点数的には合格ラインギリギリだったでしょう。それでも東大には年間約3000人もが入学しているわけですから、超狭き門というわけではない。合格の可能性は誰にでもあるはずです。

日本では昔から、汗水流して苦労し努力することがよしとされてきました。でも、僕からすれば旧来の価値観でしかありません。学習効率を上げようと思ったら、そんな思い込みや固定観念は捨てて、勉強も漫画を読むときと同じように楽しくやったほうがいい。受験生の皆さんには、「楽しく学ぶ」ことをどうかあきらめないでほしいと思います。

構成=辻村洋子

保手濱 彰人(ほてはま・あきひと)
キャラアート会長
1984年生まれ。駒場東邦高校を卒業後、東京大学理科I類に現役合格。在学中に経済産業省後援のビジネスコンテストで優勝し起業(東大中退)。その後、複数の事業立ち上げを経て2014年にダブルエル(現キャラアート)を創業。日本のポップカルチャー・コンテンツの国際展開に注力している。著書は『武器としての漫画思考』(PHP研究所)。

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