接待で出た【松茸の土瓶蒸し】に大パニック！？ → 作法が分からず"トンデモナイ失敗"をしてしまい！？

営業の仕事にまい進している、友人C子から聞いた話です。接待で連れていかれた料亭で、初めて「松茸の土瓶蒸し」が出てきました。松茸が入っているのに、松茸をいきなり食べるのはご法度？ 実は食べ方にお作法がある、「松茸の土瓶蒸し」。皆さんはご存じですか……？

初めての料亭での接待

その日は、お客さんとの接待で初めての料亭デビューでした。
緊張して向かったC子でしたが、道に迷い、1時間も大遅刻してしまったのです。
ひたすら平謝りで食事会がスタートしました。

完全にプライバシーが守られたお座敷で、見たことのない料理が少しずつ出てきます。
遅刻で失敗をしたC子は、食事は残せない！とさらに緊張気味でした。

このヤカンは何？ 土瓶？

ふと、目の前に置かれたヤカンのような食器を見て、C子の頭の中は？ マークでいっぱいになりました。
「ヤカン？」固まっているC子に、横から先輩が「松茸の土瓶蒸しだよ。食べ方に作法があるからね」とささやいてきます。
作法と言われても、どうやって食べるのか、わからないし食べたこともない……。
周りの食べ方を先に観察することにしたC子は、お酒に手を伸ばしました。

ここで、「松茸の土瓶蒸し」の食べ方の例をご紹介しますね。
①土瓶からお猪口に出汁を注ぐ
②出汁の匂いを嗅いで飲む
③土瓶の中にすだちを絞る
④お猪口にすだち入りの出汁を注いで飲む
⑤お猪口に松茸を乗せ、食べる
⑥出汁をお猪口に入れて飲む
⑦お猪口に松茸を乗せて食べる
を繰り返して食べるのが基本です。

お酒で様子見のはずが……

まさか、松茸が入っているのに、松茸から食べられないなんて。
酔ったC子は、無意識でお箸を土瓶の中に突っ込み、松茸を取ろうとしました。
その途端、「それはダメだよ！」とお客さんから注意されます。
「土瓶蒸しは初めてですか？」と笑われてしまいました。

プライドの高いC子は、恥ずかしさのあまり、その後もお酒に走ってしまいます。
そして、食事会が終わると、完全に出来上がってしまいました。
途中から記憶もなく、残念ながら契約は取れず、失敗続きの料亭デビューでした。

わからないことは素直に聞けばよかったかなとも思いますが、松茸で営業が取れなかった記憶は、その後もC子の仕事のモチベーションになっているようです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター：田中つぐみ