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ハリー王子、訴えていたタブロイド紙への支払いを裁判所に命じられる

  • 2023.12.27

現在イギリスのタブロイド各紙を訴えているイギリスのハリー王子に対し、イギリスの裁判所は「メール・オン・サンデー」紙への支払いを命じた。

インヴィクタス・ゲームでのハリー王子。(デュッセルドルフ、2023年9月16日)photography: Getty Images

ハリー王子は無念な思いでいっぱいに違いない。メール・オン・サンデー紙の記事によって名誉毀損されたと訴えている王子が12月11日、同紙の発行元であるANL社に対して4万8千ポンドを支払うように裁判所から命じられてしまったからだ。チャールズ3世の次男はイギリス各紙に対して多くの訴訟を起こしており、そのうちのひとつは、王子がイギリスを訪れる際の警察の保護に関する記事を標的にしたものだった。

問題の記事は2022年2月に掲載された。ハリー王子の弁護側によると、ハリー王子が同国で警察の保護を得ようとして政府に働きかけたことを「秘密にしよう」と画策し、「嘘をついた」という内容だった。同紙の抗弁を棄却させようとするハリー王子側の申し立てが先週金曜日に却下された後、イギリスの裁判所は月曜日、王子に12月29日までに48,447ポンドを支払うよう命じた。

タブロイド各紙に対する裁判のうち、ハリー王子は「デイリー・ミラー」、「サンデー・ミラー」、「サンデー・ピープル」の発行元であるミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)が違法な情報収集をしたと訴えた裁判で12月15日、損害賠償を勝ちとった。ロンドンの高等法院は、1996年から2010年にかけて王子が「ささやかな」電話ハッキングの被害者であったことを認め、係争中の33本の記事のうち15本に対する責任を認めた。MGNはハリー王子に14万600ポンドの損害賠償を支払わなくてはならない。

裁判官は判決を述べる際、ハリー王子が「掲載された記事はすべてボイスメールの傍受によるもの」と考えがちな「傾向」を指摘した。「当時のミラーグループ内で(この手法は)広く使われていた」ものの、このやり方「だけが当時、ジャーナリストにとって唯一の手段だったわけではなく、残り18本の記事に関する関連性の主張は精査に耐えない」とも述べた。この判決は、ハリー王子が「自分や身近な人々に対する違法行為のせいで」感じた「苦痛」を重視するものだった。

警察の保護をめぐる不和

ハリー王子と妻のメーガン夫人はイギリス王室を離脱してイギリスを離れたため、イギリス国民の負担で警察の保護を受ける権利はなくなった。そのため、私費でボディガードを時折雇ってきた王子はイギリス滞在中、私費で警察の警護を受けられるよう求めていたが、この要求は5月に裁判所によって却下された。

ハリー王子は現在、この件に関して2件目の裁判を起こし、王子の英国滞在中の警備を自動的におこなわない決定について争っている。より具体的には、英国内務省が2020年2月、ハリー王子の警護はケースバイケースでしか対応しないという決定をくだしたことに対するものだ。先週、3日間の審問がおこなわれたが、判決はまだ出ていない。

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