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視力検査は「なんとなく見える」でも答えてOK? 1級眼鏡作製技能士が教える意外な「正解」

  • 2023.12.26

X(Twitter)に投稿された、専門家が伝える視力検査のやり方に驚きの声が集まっている。

ぼんやりで自信がなくても答えるのが正解 出典:Togetterオリジナル

1級眼鏡作製技能士のよしひこ(@sakata_yoshi)さんが投稿したのは視力検査の写真。画面中央にぼんやりと見える検査表には、かろうじて右側が開いているように見えるC型記号が写っている。

視力検査は輪のどこが開いてるか「はっきりと」見えたときだけでなく、このくらいぼんやりで「なんとなく」見えた状態でも開いた方向を伝えるのが「正解」なのだという。

よしひこさんによると「はっきり見える」状態には個人差があるため、「ぎりぎり見える」が検査の指標となっているそうだ。もし「なんとなく」で答えて間違っていた場合は、同じ大きさのもので何度か検査を行う。これで半数もしくは2/3以上見えていたら「見える」という判断になるらしい。

また、見えにくかったときについつい目を細めてしまう人も多いと思うが、これはNGとのこと。隠している方の目をつぶってしまうのもよくなく「両方の目をしっかり開けた状態でなんとなくでも答える」が正しいやり方だ。

この投稿に対し、Xでは「知らなかった」「なんとなくで答えてたけどこれでよかったんだ」「目を細めるのもダメなのか」などの意外に感じた声が多数上がった。また、よしひこさんの「あてずっぽうで答えても検査員はわかる」という発言に、「ばれていたのか」とばつの悪い思いを明かす人もいた。

この投稿をしたきっかけや視力検査の注意点などについて、投稿者のよしひこさんに詳しく話を伺った。

正確な検眼方法を周知したい

この投稿をしたきっかけを教えてください。

普段から検眼をするにあたり「あそこの眼科で『なんとなくで良い』と言われた、検査が適当だ」といった声をよく聞いています。
しかし誤解されている方が多いのですが、実際には視力検査では「なんとなくこっちかな」で答えるのが正しい受け方です。
我々検眼をする側が検査の受け方を周知できていない現状があるのですが、少しでも正確な検眼をどこの施設でも受けられるよう、ポストを投稿させていただきました。
出典:Togetterオリジナル

検査員の人があてずっぽうだとわかるのはなぜでしょうか?

被検者の態度もありますが、確率的に当たることは稀だからです。
視力検査では大きい指標から徐々に小さくしていき、間違えたら1つ戻る、を繰り返しながら同じ視力の指標が2/3(もしくは1/2)以上正解でその視力値とします。同じ視力の指標を1つのみ表示して視力を決定することは基本的にありません。
あてずっぽうで答えた時、4方向のランドルト環(※)の場合、2回連続で成功する確率は1/16、3回連続は1/64。斜めも加えた8方向のランドルト環なら、2回連続で成功する確率は1/64、3回連続は1/512です。連続で正解することは確率的にとても稀なのに加えて、被検者の態度であやしい人は何度も繰り返すので、あてずっぽうで答えているとわかる場合がほとんどです。
(※)視力の判定に用いる「C」のような円の一部に切れ目が入った記号。
出典:Togetterオリジナル

目を細めてはいけないのはどうしてですか?

目を細めて見ると「ピンホール効果(※)」により焦点深度が深くなり、度が合っていなくてもある程度見えるようになってしまいます。これにより視力検査の正確さが非常に低くなりますので、目を細めて見ることはNGなんです。
(※)光(映像)が入ってくる範囲を小さくすることで、ものを見た時のピントが合いやすくなる現象のこと
出典:Togetterオリジナル

視力検査を受ける際、他にも注意点があれば教えてください。

「片目を隠していても両目を開けておく」「片目を隠すときに目に遮眼子(※)を押し付けない」「体や顔を傾けて見ない」などがあります。
(※)視力検査の際に片目を覆う器具のこと
出典:Togetterオリジナル

よしひこさんによると眼鏡は度数が高ければより見えるというものではなく、自分にあった眼鏡が一番よく見えるそう。

子どもの頃から何度も受けている視力検査だが、意外にも知らないことがたくさんあった。今回の投稿をきっかけに、正確な視力を測ってもらえる人が増えることを願いたい。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

文:はゆんぼ 編集:Togetterオリジナル編集部

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