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神棚や仏壇なぜ“カジュアル化”?「モダン神棚」、「推し壇」まで…発売の狙いは?

  • 2023.12.31

カジュアルに飾れる神棚が人気

「年末詣」「初詣」の予定はありますか?
「年末詣」「初詣」の予定はありますか?

2023年も残りわずか……。12月の中旬あたりから大晦日までの間に神社や寺院を訪れ、一年間のお礼や信念の抱負をお参りする「年末詣」や、新年の幸運を祈願する「初詣」を予定している人も多いでしょう。

年末詣や初詣でいただたお神札(お札)は神棚にまつるもの。近年は、昔ながらの神棚とは形を変えたカジュアルな神棚が登場しています。

なぜカジュアルな神棚を発売するのか

「やまこう」の「モダン神棚」
「やまこう」の「モダン神棚」

神具、仏具のEC販売に特化した「やまこう」(名古屋市)が販売するのは、「モダン神棚」。特長は、曲線的なデザイン、木材以外の素材の使用、コンパクトなサイズ感で、神棚を置くための専用棚を設置せず、壁に簡単に掛けられるといった機能性を備えています。

カジュアルな神棚を発売する背景には、「居住環境の変化」があると同社はいいます。マンションの狭い部屋では飾るためのスペースがなかったり、賃貸住宅では壁面に傷を付けてはいけなかったりと、昔ながらの神棚を飾ることが難しい家庭が増加ています。

また、気軽に飾れることも近年、カジュアルな神棚が選ばれる理由です。日本では、古くは神棚に向かって柏手を打ち、神様に毎日の感謝を表すという慣習があったもの。モダン神棚の購入者は、伝統的な概念を超えた部屋のインテリアの一部であったり、神社巡りの記念品置き場であったりと、「ライトな感覚で神棚を設置する傾向がある」と、同社は分析しています。

推しのための祭壇「推し壇」も話題に

 「はせがわ」推し壇(本体)/¥13,750(税込み)
「はせがわ」推し壇(本体)/¥13,750(税込み)

このような時代に合わせた商品開発は、仏壇や神棚を販売する「はせがわ」が2023年10月に発売して話題となった「推し壇」にも見られました。

「推し壇」が開発された背景には、若い世代を中心に、お仏壇やお墓参りなど、日々の暮らしの中で手を合わせる機会が減少していることがありました。

敬いと感謝の心から“手を合わせる”ことは、若い世代の「推し」を崇拝する感覚に近いのかでしょう。「はせがわ」は、個人のアイデンティティや心の拠り所となる「推し」のための場を持つことで、「手を合わせる」という生活文化の継承につながるといいます。

“神社でお札を頂く、神棚に飾る”“仏壇やお墓参りで手を合わせる”といった文化の継承において、伝統的な概念をそのまま残すことも大事でしょう。しかし、より広い範囲で多くの人に継承していくためには、古来の格式張ったものをいかに若者が取り入れやすい形まで落とし込めるかがキーになっているのかもしれません。

日本の文化に触れるきっかけの多い年末年始だからこそ、文化を継承するために新たな価値観を取り入れた商品にも目を向けてみてもいいかもしれません。

(LASISA編集部)

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