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1泊2日で「ぐるりんひろしまね」!世界遺産からアウトドアまで広島・島根をぐるっと満喫

  • 2023.12.24
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中国地方の広島県と島根県。

南北に隣接するふたつの県には世界遺産が3つも存在し、神話の世界や歴史上の舞台、豊かな自然に伝統文化、美肌温泉に現代アート、そして名物のご当地グルメと多彩な魅力にあふれています。

そんなふたつの県は、意外と近くて周遊しやすいってご存じでしたか?

今回は、広島・島根の定番スポットから穴場まで、1泊2日で満喫しまくる「ぐるりんひろしまね」旅をレポートします。

1泊2日で広島・島根を周遊!「ぐるりんひろしまね」

瀬戸内海に面した広島県と日本海に面した島根県。

近くて遠いイメージのある隣接したふたつの県ですが、今回旅をした広島の宮島エリアから島根県西部は、高速道路を利用すれば片道1時間半ほどで行き来が可能なんです。

広島・島根は意外に近くて周りやすい……それを体験すべく、今回は2県の定番スポットから穴場に新名所、絶品グルメにアクティビティまで網羅した贅沢な1泊2日の「ぐるりんひろしまね」旅に参加してきました。

【1日目】「安芸の宮島」で絶景、グルメに文化体験(広島県)

まずは広島県からスタート。日本三景のひとつ、「安芸の宮島」を散策します。

宮島のシンボル「世界遺産 嚴島神社」

言わずと知れた宮島のシンボル、世界遺産「嚴島神社」。

「神宿る島」として、弥山(みせん)を御神体とし、周囲の海を含めた敷地を境内に、その海上に浮かぶ大鳥居と寝殿造の社殿群が織りなす景観は唯一無二といえます。

宮島には、原生林に覆われた弥山とともに大小さまざまな神社仏閣、史跡、観光施設、商店街など見どころが満載!じっくり見て回ったら1日かかるほどです。

宮島名物といえば、奈良公園並みに出くわす鹿の群れ。その数は現在600頭に上り、200頭余りが町中で生息していると言われています。

ついつい構いたくなるかわいさですが、宮島では住民と鹿がほどよい距離感で共存できるよう、餌やりは禁止されています。あたたかく見守りましょうね。

未完の建築!?「千畳閣」

嚴島神社向かいの高台に建つ豊国神社。宮島でもっとも大きな木造建築とされ、広さが畳857枚分に及ぶことから通称「千畳閣(せんじょうかく)」と呼ばれています。

この千畳閣、じつは「未完の建築」と言われ、よく見ると天井の板張りなどがなされていないのです。というのも、建立を命令した秀吉公が完成半ばにして亡くなってしまったからなのだとか。もし完成していたら、桃山文化を象徴する絢爛豪華なたたずまいが見られたかもしれないですね。

とはいえ、千畳閣からの見晴らしや金色に染まる大銀杏、五重塔とのコントラストは絶景でした。

独特な世界観の「大聖院」

時間がある方にぜひオススメしたいのが、嚴島神社南側の山の中腹に築かれた「大聖院(だいしょういん)」。弘法大師ゆかりの寺で、厄除け祈願に霊験あらたか、宮島でもっとも古いとされる真言宗のお寺です。

お寺そのものも魅力的なのですが、とくに注目したいのが、境内のそこかしこに潜んでいるかわいらしいお地蔵さま。そのほか、なぜかアンパンマンや河童、天狗様までいたりと、微妙にカオスな雰囲気も見どころです。

入口・仁王門脇にある「五百羅漢」。一つ一つ顔が異なり、どれか1つは自分に似た顔があるとかないとか…。ぜひ探してみてくださいね。

もうひとつのオススメが、この「遍照窟(へんじょうくつ)」。四国八十八ヶ所の御本尊が安置されたありがたい“お砂踏み道場”なのですが、ご覧の通り、天井に吊り下げられたおびただしい数の燈籠で異世界感ハンパないです。

大聖院最奥部の高台にあるため、ぜひ気合を入れて登ってみてくださいね。

天空の茶屋「平松茶屋」

こちらは穴場の絶景スポット、昭和天皇もお立ち寄りになったとされる天空の茶屋「平松茶屋」。海上の大鳥居から対岸の宮島口まで一望できる見晴らし抜群の展望茶屋です。

最高の景色に癒されながらいただく、抹茶ともみじ饅頭。実に贅沢な気分です。

ちなみに、当店では原則ワンオーダー制のため、無料での立ち寄りはNG。ご注意を。

ショッピングは「宮島表参道商店街」で

食べ歩きやお土産選びを楽しむなら、やはり「宮島表参道商店街」。入口から嚴島神社の石鳥居まで、約350mをほぼ一直線に伸びる宮島の目抜き通りです。

宮島杓子などの民芸品から牡蠣や穴子などの特産グルメ、定番のもみじ饅頭から地元で人気の「桐葉菓」まで、食事処、旅館、観光施設とあらゆる店がひしめいて活気にあふれています。

今や定番のもみじ饅頭以上に熱い支持を受けている「揚げもみじ」。専用の揚げ粉を使用し、熱々サクサクもっちりの人気商品です。

さらに、クロワッサンたいやきならぬ「もみじクロワッサン」、しっとりなめらか「生もみじ」、チョコにアップル・チーズ味など多彩なフレーバーにもみじ饅頭風味の日本酒やラムネまで登場し、もみじ饅頭の進化が止まりません。

ぜひ、いろんなもみじ饅頭を食べ比べしてみてくださいね。

名店「まめたぬき」で絶品穴子飯

宮島に来たなら、一度は試したい名物穴子。今回は、創業100年を超える老舗旅館「錦水館」が営む食事処「まめたぬき」を訪問しました。

当店の看板メニューの「あなごめし」は、穴子2尾を贅沢に盛り付けた陶器の器をそのまま高温スチームでふっくら蒸し焼きに。仕上げに表面を香ばしく炙って秘伝のタレを絡めた絶品穴子飯です。

驚くほどふわトロで、ほほも緩む名店の味。昼時は行列必至のため、早めの訪問をオススメします。

宮島で体験する日本文化!「お守り作り」に初挑戦

商店街の喧騒から一歩離れた閑静な住宅街、その一角にたたずむ、創建300年の禅寺「徳寿寺」が次の体験の舞台です。

住職のいなくなった当寺をリノベーションし、日本文化が体験できる施設に生まれ変わらせた「okeikoJapan(おけいこジャパン)」では、茶道や書道、着物の着付けなど日本の伝統的な「おけいこ事」が楽しめる体験プランを提供。外国人に絶大な人気を誇っています。

そこで今回は、一番人気の「お守り作り体験」に挑戦してみました。

古い着物を再利用して一つひとつ手作りしたお守り袋は常時200種類以上。さらに20色近くある組み紐のなかから、これだ!と思う組み合わせを1組チョイス。ご祈祷されたミニしゃもじに願い事をしたためて、まさに世界にひとつしかない自分だけのお守りが完成します。

なかなか他では味わえない貴重な体験に夢中になってしまいました。

瀬戸内に生まれたアートな新名所「下瀬美術館」(広島県)

瀬戸内の風景と現代アートが融合した新しい美術館

宮島口から車で西へ約20分、広島県大竹市、晴海臨海公園のお隣に2023年3月にオープンしたのが、広島市に本社を置く建築資材の総合メーカー・丸井産業の創業者一族が保有する美術コレクションを保存・公開する「下瀬美術館」です。

日本を代表する建築家・坂茂(ばんしげる)氏が設計を手掛け、瀬戸内海の島々から着想を得たとされる水盤に並べられた8色のガラスの「可動展示室」、瀬戸内の多島美を鑑賞できる「望洋テラス」、四季折々の花園を愛でる「エミール・ガレの庭」などを特徴としています。

大地から芽吹いた木々が枝葉を広げたような開放的なエントランスのデザインもまた印象的。

「アートの中でアートを観る。」のコンセプトのもと、宮島や嚴島神社とはまた違った、感性を揺さぶられる空間でした。

広島の新たな観光大使「ひろくま」登場!

このときなんと、2023年9月にお披露目されたばかりの広島の新たなローカルキャラクター「ひろくま」に遭遇!

大好きな瀬戸内レモンを食べ過ぎてからだが黄色になり、体からレモンの香りを放つまでになった「ひろくま」は、今後HITひろしま観光大使(HIT=広島県観光連盟)として各地のイベントに出没、全力で広島をPRしていくそうです。

このシュールで愛嬌のあるお姿……第2のくまもんになる日も近いかもしれません。

安らぎの空間と美肌の湯「温泉リゾート 風の国」(島根県)

冒頭でふれた通り、広島・島根は意外と近くて移動に便利。翌日の石見銀山観光に備え、宮島観光後は、島根県西部にある石見(いわみ)地方へ移動します。

そして本日のお宿は、石見地方の人気のお宿「温泉リゾート 風の国」。

まるで森の中の秘密基地のような球体型テントやドーム型テントのグランピング、そしてツリーハウスが当施設の目玉ですが、一方、2023年3月に全館リニューアルオープンした本館「The Main」もまた、北欧テイストの居心地よい空間が演出されています。

今回は本館の「Standard Tatami Room」(畳敷きのセミダブルツインルーム)に宿泊。広々とした畳の上で、素足でくつろげる開放感は日本人として嬉しいところ。

もちろん、館内には島根名物「美肌の湯」の天然温泉も楽しめます。

気になるディナーは、島根県産の日本海の幸や山の幸をふんだんに使った、見た目も味もハイクオリティな創作料理の数々。

前菜からデザートまで、島根の味を心ゆくまで堪能できました。

【2日目】世界遺産 石見銀山探訪(島根県)

2日目は世界遺産 石見(いわみ)銀山からスタートです。

龍源寺間歩と大森集落の街並み

「石見銀山遺跡とその文化的景観」として2007年7月、世界遺産に登録された石見銀山。

大小合わせて600以上存在する間歩(まぶ、銀を採掘した坑道)のうち、通年で公開されているのはこの「龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)」のみ。全長約600mのうち、約157mの区間が公開されています。

狭く暗く湿気があり、冷気漂う坑道内は、何とも言えない異質な空間。ノミの跡、尋常じゃない深さの天井や穴など、銀を掘り当てるための人々の執念がヒシヒシと感じられ、その迫力に圧倒されます。ちなみに、天井にはときどき冬眠中のコウモリがぶら下がっているので気を付けて。

世界遺産 石見銀山の重要な構成要素である、古き良き鉱山町の姿を残す大森集落の街並み。

画像は、日本橋や丸の内など全国の大手デパートに出店しているアパレルブランド「群言堂」の石見銀山本店からの眺めです。昭和レトロな木造家屋の街並みは、風情があってノスタルジックですよね。

石見銀山観光にはぜひガイドを!

ちなみに石見銀山では、住民の安心した暮らしを守り、商業主義に偏らず、環境に配慮した観光が目指されています。そのことから、良くも悪くも観光地化され過ぎず、誤解を恐れずに言えば、一見地味で魅力がうまく伝わりにくいことも。

そこでオススメなのが、地元有志による「ワンコインガイド」。個人ではスルーしがちなチェックポイントや見どころを余すことなく教えてくれて、石見銀山を120%楽しめます。

詳しくは「石見銀山ガイドの会」ホームページをご参照ください。

築100年以上の古民家カフェで絶品ランチ

龍源寺間歩までの往復約5㎞の道のりで、ほどよく足も疲れてきたころ。本日のランチで伺ったのは、観光案内所すぐそばにある「Cafe住留(じゅーる)」です。

築100年以上の古民家をリノベーションし、気さくなご夫婦が営む古民家カフェ。くつろげる空間で、地元野菜や旬の食材を使用したサラダや総菜、牛すじとろとろのハヤシライスは絶品でした。

三瓶山で爽快サイクリング(島根県)

続いて向かったのは、石見銀山から東へ車で約30分、同市内にある島根ではおなじみの「三瓶山(さんべさん)」です。「国民宿舎さんべ荘」が主催する、レンタサイクルの電動アシストクロスバイクE-BIKEを使った三瓶の見どころをめぐるサイクリングツアーに参加してきました。

E-BIKEによるらくらく電動アシストで、想像以上に軽快な走り!操作も簡単で、体力に不安のある方でも快適にサイクリングを楽しめました。

もしクロスバイクに乗り慣れていない人でもツアー開始前に練習できるので、安心してチャレンジできますよ。

今回のゴールは、時間の都合で、国民宿舎さんべ荘から約6㎞離れた「浄善寺」に決定。浄善寺では、島根県内で2番目の大きさを誇る高さ30mの大銀杏が黄葉の見頃を迎えており、境内を埋め尽くす黄金じゅうたんは圧巻でした。

日本一の縁結びの神様「出雲大社」へ(島根県)

出雲大社 神楽殿

本ツアー最後を締めくくるのは、島根といえばやはりコレ、日本一の縁結びの神様で知られる「出雲大社」です。旧暦の10月(現11月)は全国から八百万(やおよろず)の神々が出雲に結集し、出雲地方ではこの月を「神在月(かみありづき)」と呼んでいるのは有名な話ですよね。

出雲大社の正式な参拝方法は「二礼四拍手一礼」。正しくお参りして、願いを叶えてもらいましょう。

なお、出雲大社といえば国内最大級の大注連縄(しめなわ)が有名ですが、よくメディアで取り上げられる大注連縄は拝殿側ではなく、西側の神楽殿のもの。せっかくなので見逃さないようにしましょう。

出雲大社でも、地元のボランティアガイドに案内していただきました。

今回はあえて、一般的な神門通りからの参拝ルートではなく、かつて出雲大社に奉仕していた神職の屋敷が立ち並ぶ「社家(しゃけ)通り」から参拝スタート。ガイドならではの豊富な知識とトーク力で、いつも以上に出雲大社を満喫できました。

意外に近くて旅しやすい!広島・島根をもっと遊び尽くそう

どこか遠く離れたイメージがあった広島と島根の2つの県。しかし、この1泊2日で、広島の世界遺産・厳島神社と島根の世界遺産・石見銀山をはしごし、かつ+α(アルファ)の新名所も含めて周遊できたことで、意外な近さと旅しやすさを実感できました。

今回訪問できなかった、もうひとつの世界遺産 原爆ドームや広島平和記念資料館をはじめ、呉や尾道、鞆の浦(とものうら)、「美肌県しまね」を謳う島根自慢の温泉めぐりや松江、津和野、隠岐諸島、忘れてならないお好み焼きや出雲そばといったご当地グルメなど、見どころは尽きません。

広島・島根各県の観光スポットやモデルコースをもっと知りたい方は、ぜひ下記公式サイトを参考にしてみてくださいね。

・島根県公式観光情報サイト「しまね観光ナビ」:https://www.kankou-shimane.com/ ・ひろしま観光公式サイト「Dive!Hiroshima」:https://dive-hiroshima.com/ ・ひろしま観光アプリ KINSAI:https://dive-hiroshima.com/news/news-41431/

All photos by Mayumi

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