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”お金持ち”じゃない方が相続は大変!?北海道民ならではのトラブルパターンも【親の「終活」を考える#3ー①】

  • 2023.12.24
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「終活」という言葉がめずらしいものではなくなった、人生100年時代の今。

大切な人だからこそ、「最期」や「いなくなったあと」を想像することはどうしても後回しにしてしまいがち…。

だけど、大切な人だからこそ、大切に考えたい、大切なことが「終活」には詰まっています。

連載「親の「終活」を考える」では、Sitakke編集部も自分事で「親世代の終活」に向き合います。

テーマは「相続」…うちには関係ないって思っていない?

今回のテーマは、とっても気になるお金の問題…「相続」。

一般社団法人「終活マイライフ」の理事で終活カウンセラー・整理収納アドバイザーの資格をもつ西藤博子さんにお話を伺いました!

Sitakke
終活マイライフ 西藤博子理事

西藤さん自身も2022年の12月にお父さんを亡くし、財産に関する手続きもご家族で済ませたのだといいます。

ご自身の経験も踏まえ、さまざまな「なるほど!」というアドバイスをいただきましたよ。

今回は、「終活マイライフ」監事で司法書士・相続知財鑑定士の服部剛幸さんにも監修していただいています。

さて、「相続」と聞くとみなさんどんなイメージですか?

「うちにはもめるようなお金はないから」

「ドラマの中の話っていうイメージ」

実は、Sitakke編集部内でもそんな話が出てました。

でもそれは、大間違い!

実は日本中で相続が「争族」になっているんです…。## 遺産が少ない方がもめる!「争族」って他人事じゃない

Sitakke
司法統計(2022年度より)

2022年度の、遺産分割、つまり相続に関わる事件数は6915件。

そのうち、1000万円以下でもめたケースは3分の1の2296件。

5000万円以下のケースになると、全体の75%にも及びます。

持ち家などがあれば、1000万円~5000万円って意外と遠い数字じゃないですよね。

ということは、ほとんどのケースが、ごく普通のご家庭で「争族」になっているということ。

服部監事によると、「むしろ残された遺産が少ないほど、損をしたくない心理が働いて、取り合いが壮絶になる場合もある」のだといいます…。

例えば、実家のお父さんが亡くなった場合を想定してみます。

兄弟の中に、一人だけ、大学の入学金を全額負担してもらっていた人がいたり…。

結婚後、親との同居をしていた人がいたり…。

そうすると、「あのとき多く出してもらっていたじゃない」とか、「同居して晩年の面倒をみていたのに、遠方で年に2.3回しか顔を見せない兄弟と等分は不公平だ」とか…。

経済的な負担や、これまでの親からの援助が偏っている場合がキケン。

・親の介護費用
・大学の入学金
・家のローンの頭金
・事業運転資金

などをめぐってこじれてしまうケースが多いといいます。

そして、やはり、普段の関係性が親子・兄弟間で疎遠であるほどもめごとは起こりやすいのが現実。

事前の準備、情報共有が大切です。

また、「争族」となってしまうケースで残念ながら少なくないのは、本来の当事者である子どもたちの配偶者が意見を言い出して、収拾がつかなくなるというパターンです。

兄弟同士はある程度納得したのに、

「どうしてもっと主張しないんだ」

「本来は等分でもらえるんだぞ」

などと、まとまりかけていた話がひっくり返ってしまうなんていうことも。

じゃあ、自分の場合はどうなんだ?と考えて、大丈夫だと思っていても、「絶対はないんだ」としっかり認識しておいてほしいと思います。

遺産はもらえるだけじゃない!「負の遺産」をどうするか

遺産といえば、預貯金、不動産などがわかりやすいところですが、油断ならないのが貴金属類です。

腕時計にも、なかなか貴重で中古品でも高値で取引されているものもありますし、金は価値が上がり続けているので、もしかしたら何十万単位の遺産になる可能性があります。

ものを分けるのか、売ってお金を分配するのかはともかく、これらはまずは「鑑定」してもらう必要があります。

鑑定してもらうところにたどり着く、つまり、「相続財産」がどれだけあるのかの洗い出しが実は一番大変なんです。

だからこそ、前回お話した自宅の整理が大事になってくるんですよね。

また、自動車ローン、カードローン…ローンとついていればそれすなわち借金。「負の遺産」です。

ちなみに、住宅ローンの場合は契約者が死亡した場合、支払い免除…などのケースもあるので、個別に調べてみてくださいね。

そして、北海道で多い相談パターンが2つあります。

Sitakke

北海道といえば、農業・漁業など第一次産業が盛んな土地柄。

そのため、機材のリースやローンを組んでの購入というのはその分身近な話です。

こちらも、「終活」を考える際には契約状況や支払い状況を忘れずに確認しておくことが重要です。

もうひとつ相談が多いのが「空き家」。

全国的な問題ですが、過疎化が進み、若い人が道外に出ることも多い、北海道という土地柄は特にこの「空き家」をめぐる相続は問題となりやすいです。

正直、カードローンなどはもし見逃していても、利息が少し増える程度で済みますが、空き家はそうはいきません。

放置するほど維持管理に費用がかかり、賃貸に出すなどして得られたであろう本来の経済的利益も得られず、固定資産税も取られっぱなし。

「負の遺産」の度合いが大きいんです。

Sitakke

そのうえ、冬が長い北海道だと、雪などの影響で家が傷むのも早い!

空き家問題が絡むと、相続する遺産がトータルで「マイナス」になる可能性は一気に高まります。

ぜひ、そのときを迎える前に、親がいなくなったあと、家はどうするのか、もしくはすでに空き家を放置していないか、危機感をもって、しっかりと確認しましょう。

実は、いざ空き家を処分しようと思っても、まったく身動きがとれず、ただただ費用がかさむ、こわーいケースに陥るパターンがあるんです。

いったいなぜ?

後編では、その対策と、大事な大事な「遺言書」のあれこれもお伝えします。

▼親が認知症になる前に…「負の遺産」やっておかなきゃ後悔することとは?【親の「終活」を考える#3ー②】

連載「親の「終活」を考える」
文・編集|Sitakke編集部あい

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