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クリスマスは何のお祝い?どうしてツリーやリースを飾るの?

  • 2023.12.22

【2024年1月24日更新】12月25日はクリスマス。日本でも年末の大型イベントとしてすっかり定着していますが、本来は何のお祝いか知っていますか? 「キリストの誕生日でしょ」と思ったあなたは、ちょっと惜しい。今回はクリスマスの由来や、ツリーやリースの由来、クリスマスの伝統食を紹介します。ツリーのオーナメントもきれいなだけでなく、それぞれ意味があるんです。

12月25日はクリスマス。その由来や家での楽しみ方を、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。

クリスマスといえば、「ツリーやケーキは当たり前に準備するもの」というイメージですが、それぞれの意味や由来を知ると、より一層クリスマスを楽しめますよ!

クリスマスの由来は?

「クリスマス」とは、ラテン語のChrist(キリスト)とmas(ミサ、礼拝)が合体してできた言葉。「イエス・キリストの誕生日」と覚えている人も多いのですが、正しくは「イエス・キリストの降誕を祝う祭」です。

実はキリストの誕生日は、福音書にも書かれておらず、定かではありません。12月25日をクリスマスとして盛大に祝うようになったのは、古代ヨーロッパのキリスト教徒が、太陽の復活を祝う「冬至」と「キリストの降誕」を結びつけたから、という説が有力です。

日本での最初の記録は、室町時代にカトリック協会(イエズス会)の宣教師がクリスマスのミサを開いたというもの。江戸時代にキリスト教は禁止されましたが、明治時代に解禁。するとクリスマスも徐々に広まり始め、昭和の初期には、宗教に関係なく楽しむイベントとして親しまれたそうです。その後、戦争中は禁止されましたが、戦後に賑やかなクリスマスが復活し、定着していきました。

本来はキリスト教の行事ですが、今では信仰を問わず多くの人々がそれぞれの形でクリスマスを満喫していますね。

クリスマスツリーやリースの意味は?

毎年、何気なく飾り付けしているクリスマスのツリーやリースにも、実は深い意味があります。クリスマスツリーに使われるのは、もみの木。もみの木は常緑樹で葉を落とさないことから、寒さの厳しいヨーロッパでは「永遠の命の象徴」として崇拝されてきました。

オーナメントにもそれぞれ由来があります。一番上に飾る星は、キリスト誕生時に東の空に輝いていたベツレヘムの星。ベルはキリスト誕生を知らせる喜びの鐘。杖の形のキャンディは神の杖、リンゴや玉は知恵の実など、どれもキリストに関係しています。

クリスマスリースの由来は、キリストが十字架にかけられたときに頭にかぶっていた柊(ひいらぎ)の冠です。柊は尖った葉の形が特徴的な常緑樹なので、「豊穣」や「魔除け」の願いを込めて玄関などに飾られるようになったそう。丸い形は「永遠の愛」を示し、赤い実はキリストの血を表しています。

クリスマスの伝統食

クリスマスの伝統食と言えば、欧米では七面鳥。これは11月の感謝祭と同様、大勢集まる特別な日に手軽においしく食べられるご馳走として食べられるようになったそうです。日本ではローストチキンがメジャーですね。

クリスマスの食卓にはクリスマスケーキも欠かせません。丸太を模した「ブッシュ・ド・ノエル」は、フランス語で「クリスマスの薪(まき)」という意味。キリスト誕生を祝うケーキで、薪をかたどったのは、キリスト誕生時に夜通し薪を燃やしたからという説があります。

近年日本でも人気の「シュトーレン」はドイツの伝統菓子。ドライフルーツやナッツを練り込んだ硬めのパン菓子で、クリスマスの4週間前から少しずつスライスして食べる習慣があります。丸みを帯びたパンに粉砂糖をまぶした見た目が、おくるみに包まれた幼いキリストをイメージしたと言われています。

ぜひお好みのディナーやデザートを用意してクリスマスの食卓を楽しんでくださいね。

監修:三浦康子

和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。

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