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1枚あると冬コーデがもっと楽しくなるフライトジャケットの歴史

  • 2023.12.22

私たちが愛用しているアイテムのルーツが実はミリタリーということがよくあります。今回はフライトジャケットについてです。

フライトジャケットとは

1930年代、パイロットが着用するために製造が始まったとされる「フライトジャケット」。航空機の性能向上に合わせて何度もブラッシュアップが繰り返され、高い防風・防寒性を持ち合わせているのが最大の特徴。今もなお、その実用性やデザイン性の高さからファンの根強い人気を誇っています。

 

無骨なジャケットは白Tee合わせで軽やかに

1枚あると冬コーデがもっと楽しくなるフライトジャケットの歴史
出典 FUDGE.jp

表面とライニングにシープスキン&ムートンを用いた肌触りのよさが魅力。大きな襟を本のチン・ス
トラップベルトで締めれば、さらに保温・遮風の効果が高まる。ミリタリー由来ながらファッショナブルに着こなせるのは、程よくゆとりのあるシルエットのおかげ。インナーにはクリーンな白Teeを合わせて、抜け感を与えるのがベスト。

 

多くのパイロットに愛された名品をボーイに着こなそう!

1枚あると冬コーデがもっと楽しくなるフライトジャケットの歴史
出典 FUDGE.jp

アメリカ発のミリタリーブランド《アルファ インダストリーズ》の代名詞、“キング・オブ・フライトジャケット”と呼ばれる「MA-1」。超軽量ライニングによる着心地のよさと動きやすさ、優れた防寒・防風性を持ち合わせた機能性抜群のつくりが魅力。緊急時に発見されやすいようにと採用された、オレンジの裏地も受け継がれている。そんなタフでクールな1着は、ロゴ入りのスウェットシャツ×チノパンでボーイに着こなすのがいいみたい。

HISTORY OF FLIGHT JACKET

1927s A-1

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出典 FUDGE.jp

1927年、アメリカ陸軍航空隊の飛行服第号として導入されたのが、夏季用フライトジャケット「A-1」。狭い操縦席内で活動するパイロットのため、動きやすい短丈のブルゾンタイプになったそう。表面にはタフなレザー、裏地には着用時に素早く着られるよう、コットンサテン生地が使用されていた。

 

1939~45s A-2(WWⅡモデル)

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出典 FUDGE.jp

メンフィス・ベル号の機長、ロバートK・モーガン氏が着用していたとされる「A-2」。ボタン式だった「A-1」を改良し、着脱しやすいファスナー式へと進化。”ポケットに手を突っ込むことは、軍人の仕草として不適当である”という理由から、ポケットにハンドウォーマー機能はついていない。

 

1939~45s Type B-3(WWⅡモデル)

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出典 FUDGE.jp

1930年代、ヒーターがなく、過酷な寒さに襲われていたコックピット内で、パイロットの強い味方となったのがこの「タイプB-3」。ムートンをそのままライニングに採用することで風を防ぎ、体温維持を実現。“タイプ”という名称が前につくか、後ろにつくかでデザインが異なり、「タイプB-3」はパッチポケットが右身頃に1つだけついているのがポイント。

 

1944s B-15A

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出典 FUDGE.jp

資源が尽きてしまった皮革の代わりに、コットン素材を使用して生まれた「B-10」の改良版「B-15」。手の出し入れがしやすいスラッシュポケットに、フロントファスナーは首への干渉を防ぐため、センターから少しずらして取り付ける工夫が施されている。酸素マスクのホースを固定するための、三角形の革製タブも。

 

1950s MA-1

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出典 FUDGE.jp

プロペラ機からジェット機に移行した1950年代。飛行高度が上がったことでジャケットに付着した水分が凍り、活動の妨げになることからナイロン製ジャケットが考案された。初期型は、フロントに酸素マスク用、両脇下には各種コードをまとめるタブが。カモフラージュのため、ボディにはベーシックカラーが用いられている。

 

1973s CWU-45/P

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出典 FUDGE.jp

ナイロン素材の代わりに、耐火・耐熱性を持つアラミド繊維素材を使用した「CWU-45/P 」。アメリカ軍のパイロット全般に正式採用されているモデルで、約400度の高温も想定した仕立てなのだとか。ポケットのフラップは面ファスナー留めへと変わり、もっと簡単に開け閉めができるように。

 

photograph_Kojima Yohe
styling_Nakako Nao
hair & make-up_Ohgimoto Naoyuki〈POIL〉
model_Ann Angel
edit_Nozaki Nanami〈KIPInc.〉
design_Inoue Kentaro〈CIRCLEGRAPH〉

 

FUDGE vol.244 2023年11月号より

 

 

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