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10日間、会話もスマホも禁止。アレクサのヴィパッサナー瞑想体験記

  • 2023.12.21

「今までで一番過酷で、美しい体験だった」

アレクサ

1.喋ってはいけない

「リトリートで一番重要で、難しいルールね。必要なとき以外は、周りの人とコミュニケーションをとってはいけないの。私は10人以上の女性と一緒に寮に滞在したけど、リトリート中、誰一人、一言も話さなかったわ。食事のとき、いつも私のお皿をじっと見つめる若い女の子がいたの。スプーン5杯分のゴマのふりかけを混ぜた私のご飯が変に見えたのは分かるわ。彼女がずっと見つめてくるから、私は変な食べ方をしていることを恥ずかしく思ったわ。『もしかしたら彼女は、私が日本食を軽視していると思っているのかな?』『寿司を変な食べ方をすると、板前さんがいやな顔をするのと同じようなものよね......。』など、頭の中を色々な考えが巡り、私はできるだけ彼女からお皿を遠ざけていたわ。

リトリートの最終日で、やっとみんなが話せるようになるの。私がいつものように自分のお皿を取ったとき、その女の子はが私に英語で話しかけてきたの。彼女はベトナム出身で、私がゴマを食べている姿を見て食べたいと思ったみたい。私は、自分の思い込みと相手の考えが全然違うことにとても驚き、このような否定的な思い込みをするのは愚かなことだと感じたわ。“思い込み”は、自分自身の視点や価値観をその状況に植え付けることだと気づいたの。常に注意深く判断をくだすことの重要さを感じたわ」

アレクサ

2.気を散らさない

「リトリートでは、『本やあらゆる種類の読み物、書き物は禁止』という厳しいルールがあるの。読み書きを制限され、外側のことに注意を向けられなくなったら、その注意を内側に向けるしかないわよね。気がつくと、何時間もベンチに座って、ただ目の前の歩道を歩くアリを見ていたわ。5日目には、外に生えている木のほとんどを認識できるようになった。瞑想の合間に外に座ることで、内的思考に集中する時間がとても多くなったの。自分の考えと向き合い、自分が感じていることを内面化することよりも、インスタグラムをスクロールする時間の方がいかに多いかを思い知ったわ」

アレクサ

3.スマホ禁止

「初日は携帯電話を預けなければならないの。リトリートの敷地周辺は電波が届かなかったから、私は農道を20分ほど歩き、丘を登らなければならなかったの。母に電話して無事であることを伝えるため、なんとか電波を確保しようと歩き回ったわ。友人たちに最後のメッセージを書き、インスタグラムに写真を載せて、私が数日いなくなることを伝えたわ。常に人とつながっていることに慣れているけど、それがなくなることで、私は久しぶりに自分自身とつながることができたの」

アレクサ

4.瞑想中は動けない

「これは私にとって一番といっていいほど難しいことだったわ。瞑想では、じっとして、体の感覚に注意を集中する必要があったの。だけど正座で1時間もじっとしていると、痛いという感覚しかないの。足の感覚がないし、背中も痛い。あまりの不快感に、最初のうちは20分くらいしかキープできなかったわ。毎日3~6時間練習して、最終日には50分ほどキープできるようになったの。おかげで肉体的な不快感に対する忍耐力が増したわね。痛みを精神的に拒否するのではなく、痛みの中に身を置いて観察することができるようになったわ。それは人生においてとても重要な教訓だと感じたわ。私たちは困難なことを受け入れ、それを乗り越えて成長するのよね」

アレクサ

「このリトリートは私が今まで経験した中でもっとも過酷で、美しい体験のひとつだった。もうやめよう、帰ろうと思ったことも何度もあったけど、そうしなくてよかったわ。6日目は心からの安堵を感じ、涙が流れてきたわ。心が安らぎ、平和を感じて泣いたことは初めての経験だった。これこそがヴィパッサナー瞑想の真髄であり、瞑想の実践者が明晰で穏やかな心を身につけるのを助けるものなのだと気づけたわ。マインドフルネスの実践は、ストレスと不安を軽減し、自分の人生に対する見方を改善するのに役立ったわ。今この瞬間をより意識することができるようになったの」

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