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“地球環境”とケアアイテムをなぜ結びつけたのか?貝印の美容ブランド「ECOMONO」の狙い

  • 2023.12.21

貝印が取り組む「ECOMONO」とは

貝印が取り組む「ECOMONO」
貝印が取り組む「ECOMONO」

グローバル刃物メーカーの「貝印」(東京都千代田)が展開するブランド「ECOMONO(エコモノ)」。2023年3月に誕生して以降、ラインアップを増やしています。貝印の担当者に発売の狙いを聞いてみました。

同社は、1990年代に生分解性プラスチックを採用したカミソリや、2021年に登場した“脱プラスチック”のカミソリ「紙カミソリ(R)」といった“環境負荷低減”の商品開発に長らく取り組んでいます。

貝印の担当者は、「紙カミソリは、発売当初から多くの媒体で取り上げられて注目されました。想定外だったのは、海外からの問い合わせが多かったことです」と明かします。

紙カミソリの発売当時は、当時の日本の意識は、環境感度の高い国に比べると低い水準であったことがうかがえます。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」の認知度が日本でも高まるにつれ、「エシカル」「サステナビリティ」。しかし、日々の生活を過ごすなかで、常に環境問題を考えることは難しいでしょう。

貝印が環境に優しい素材を使用したECOMONO。同ブランドで展開されるアイテムは、私たちが日々のケアで“毎日使う”ものばかりです。

担当者は、「日常的に使うアイテムだからこそ、地球環境に目を向けるきっかけ作りにしてほしい」と明かします。つまり、ECOMONOは、私たちの意識を環境問題に向けるスイッチとしての役割がありました。

ところでECOMONOの商品には、どんな特徴があるのでしょうか。

例えば、再生樹脂やヤシの木の繊維を使用するために、商品の使用感や強度などに問題が出ないかなど、プラスチック製品とは異なる検証を繰り返したそうです。

また、「粗めコーム」はぬれた手で持ちやすくし、「アイラッシュカーラー」は金属アレルギーの人でも安心して使えるようにと、環境だけでなく使う人にも優しい商品開発に努めたそうです。

グループ全体で環境問題に取り組む

環境問題への取り組み
環境問題への取り組み

貝印は、ECOMONOの商品開発だけでなく、2030年に向け、6つの環境アクションを掲げて環境への取り組みを強化していきます。

例えば、原材料調達や、製造、販売、廃棄まであらゆる温室効果ガスの排出量「サプライチェーン排出量」を減らす体制を整えることや、包装資材の材質変更といったことで環境負荷低減を目指すと発表しています。国内拠点で先行して進めていた貝印(販売)の自社物件の電力は2023年6月に再生可能エネルギーに完全移行し、海外拠点についても順次対応を進めていく予定だそうです。

環境問題に真摯(しんし)に向き合う「貝印」。紙カミソリやECOMONOのような身近に使えるアイテムで、消費者と環境をつなげるサポート役でもありました。

(LASISA編集部)

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