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キリ&ベルキューブ、日本に根付いて40年…フランス生まれのチーズ製品が日本で受け入れられたワケ

  • 2024.1.15

1983年に日本発売、欠かせぬ定番に

日本発売40周年を迎えたキリとベルキューブ
日本発売40周年を迎えたキリとベルキューブ

日本でもおなじみのチーズ商品「Kiri(キリ)」と「ベルキューブ」が、2023年で日本発売40周年を迎えました。当時まだチーズ製品が珍しかった1983(昭和58)年に登場した両商品が、日本の食卓に根付くまでの軌跡をベル ジャポン社に尋ねました。

40周年にコラボ商品やイベントを続々展開

キリ、ベルキューブと二つの看板商品が同時に周年年を迎えたベル ジャポンは2023年、さまざまなイベントやコラボ商品の発売を矢継ぎ早に行いました。

キリとGODIVA(ゴディバ)が初めてコラボした「GODIVA デザートドリンク チーズケーキ」(3月)、ベルキューブで日本初登場の「チョリソー風味」を含む「やみつきタパスセレクト」(9月)、日本初のキリ「オリジナル自販機ポップアップイベント」(同)、同じく日本初となるキリのコラボ常設カフェ「BAGEL & BAGEL × Kiri Cafe」(12月)など、“日本初”を冠するニュースを次々発信しました。

あらためて発売当時から現在までの変遷を振り返ります。

キリ、チーズ市場の拡大にも貢献

2023年9月に開かれたキリのポップアップイベント
2023年9月に開かれたキリのポップアップイベント

「令和3年度 農林水産省チーズの需給表」によると、キリやベルキューブが日本に上陸した1980年代前半、国内におけるチーズの消費量は9万2000トン程度。2021年の35万5000トンの4分の1程度に過ぎず、チーズという食材がまだ日本人に現在ほどなじみ深くなかった状況がうかがえます。

一方、その後チーズ需要は90~2020年代まで右肩上がりが続きます。ベル ジャポンのキリ担当者は「チーズ市場がまだまだ小さい中で日本に進出し、日本のチーズ市場を支えてきました」と自負をにじませます。40年をかけてキリは、クリームチーズ累計販売金額1位を獲得しています(インテージ SRI クリームチーズ市場 2022年 8月~2023 年 7月累計販売金額)。

キリは2015年頃から、消費者に商品をより身近に感じてもらい手に取ってもらうべくコラボ企画やポップアップイベントを重ねてきました。また、そのまま食べるだけでなくキリを使った一品料理やスイーツなどのレシピも発信することで消費者からの反響を得ています。

キリは40年間、マーケットに併せた変更を行いながらも、クリーミーな食感や風味を守り続けてきました。売り上げを拡大してきた背景には、日本の食生活にチーズそのものが浸透したことに加えて、キリ・ブランドがさまざまに提案してきた食シーンや味わい方が受け入れられてきたことが背景にあるといえそうです。

担当者は、

「日本でキリが40周年を迎えることができ、率直にうれしく思っています。日本で発売された1983年から現在までを振り返ると、食や生活スタイル、ファッションやカルチャーなどさまざまな変化がありましたが、キリを変わらず選んでいただけたということに対して感謝の気持ちでいっぱいです」

とコメントしています。

ベルキューブ、ワイン人気とともに日本に浸透

2023年8月に開かれたベルキューブのイベント
2023年8月に開かれたベルキューブのイベント

もうひとつの商品ベルキューブは、小さなキューブ状のチーズ商品です。1983年の発売以来、40年通して販売している定番の「プレーン(クリーミープレーン)」をはじめ2023年秋までに計32種類のフレーバーを展開してきました。

フレーバーの開発は母国フランスで行われますが、アソートとしてパッケージする場合の組み合わせは日本独自。また、フランス以外の各国の規制や味覚に合わせてレシピ調整を行っているといいます。

そもそもこの独特なサイコロ型はどのように生まれたのでしょうか。

ベルキューブ担当者によると、同社の母国フランスには「アペロ」という夕食の前に皆で軽くお酒を楽しむ習慣があり、その際のおつまみとして、1960年にベルキューブは生まれたといいます。

皆で楽しく分けられることから人気となり、さまざまなフレーバーやカラフルなパッケージの展開に広がりました。キューブ型チーズ商品は世界的に見ても非常にユニークで、ブランドの象徴となっています。

日本での普及について担当者は、

「日本でも主にワイン向けのおつまみとして導入され、家飲み文化や「ボージョレ・ヌーボー」などワイン人気の発展とともに支持を獲得してきました。味わいだけでなく、カラフルな個包装が場を華やかにすること、みんなでフレーバーを分けられて盛り上がることなど、いつもよりちょっと特別なパーティーシーンに欠かせない商品として受け入れられました。

また、小さなサイズ感と手を汚さなくても済む便利さで、料理などの家事をしながらつまむなど“ながら食べ”にも愛用されています」

と話しています。

「今後も、お酒とコミュニケーションのさかなになるようなフレーバーや、テーマ性のあるアソート開発に取り組んでいきます」と担当者。

昭和・平成・令和と変わりゆく日本の食生活に溶け込み、新たな食の楽しみを提案してきたキリとベルキューブ。今後どのような展開を見せるのかにも注目です。

(LASISA編集部)

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