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開かずのたんすから祖父が遺した「帝都震災(関東大震災)避難日記」が見つかる?発見者の漫画家さんに話を聞いた

  • 2023.12.19

実家にある「開かずのタンス」から発見された日記の画像が、X(Twitter)で話題になっている。

1923年に書かれた日記。19歳の秋、との記載も読み取れる 出典:Togetterオリジナル

『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』などで知られる漫画家の渡辺電機(株) (@w_denki)さんが「どエライものが出てきた…」とコメントと共に投稿したのは、古い日記帳と思われる画像。表紙には「帝都震災避難日記」と書かれている。

日記の上部には「1923」との記載されており、1923年(大正12年)に起きた「関東大震災※」に関する日記だと推測できる。昔から日本に伝わる「和綴じ」と呼ばれる製本方法でまとめられており、ところどころ茶色くなってはいるものの、文字は読むことができそうだ。

※ 1923年9月1日11時58分に起きた大地震。相模湾北西部が震源で、地震の規模はマグニチュード7.9と推定される。

日記を書いて遺したのは、渡辺電機(株) さんが生まれる15年前に亡くなられたお祖父さまだそう。約100年前の貴重なものが、まさか実家のたんすの中から見つかるとは。

日記内部。上部には「大震災四日前」「(大正)12年8月29日」との記載が 出典:Togetterオリジナル

「帝都震災避難日記」を発掘した渡辺電機(株) さんに、内容など詳しい話を聞いた。

研究機関か博物館に寄付しようと思案中

開かずのタンスから「避難日記」が発見された経緯を教えてください。

夏に実家の母が亡くなり、さらに父が介護施設に入ったのを機に(実家の)書斎を整理していたら、古いたんすの奥に眠っている日記を見つけました。
元々は2000年に亡くなった母方の祖母が使っていた部屋で、大事なものをしまっているたんすだったようです。日記はその祖母の夫で、戦後すぐに亡くなった祖父の遺品でした。
出典:Togetterオリジナル

ご家族は日記のことをご存じでしたか?

たんすは祖母の存命中からずっと開けられた形跡がなく、おそらく日記の存在は祖母だけが知っていたと思います。
今後、日記は研究機関か博物館に寄付しようかなと思いますが、預けても何年も放置される場合もあるらしく、思案中です。
出典:Togetterオリジナル

日記にはどのようなことが書かれていましたか?

最初は、震災までの四日間の平穏ながらも忙しく働いていた様子が書かれています。その後地震が起き生活が一転し、家の中も街も崩壊するさまが書かれています。
何しろ古い文章なので一気に読み通す気力もなく、今は序盤を読んだだけです。
「朝鮮人がダイナマイトや短銃を持って攻めてきた(原文ママ)」などと事実と異なる噂が広まり、自警団が組織される描写が印象的でした。
紙の状態は経年劣化でだいぶボロボロですね。
出典:Togetterオリジナル

実家のたんすの奥から発見されたお祖父さまの避難日記。今ではなかなか聞くことのできない、関東大震災を体験した人の貴重な記録が残っているかもしれない。

果たしてどんな内容が綴られているのだろうか。今後全文が読み解かれる日が訪れることを期待したい。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

文:中野ようす 編集:Togetterオリジナル編集部

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