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レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを

  • 2023.12.17
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千葉県香取市佐原は、江戸時代に利根川の水運を利用して栄えた水郷の町。町の中心を流れる小野川沿いに建つ歴史ある建物内に「VMG CAFE」があります。香取市産の紅はるかを使った自家製のサツマイモモンブランを味わいに、情緒あふれる佐原へでかけてみませんか。

レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを
レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを

町のランドマークとして知られる「中村屋商店」

レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを
小野川沿いの小道には店が建ち並び、散策が楽しめる

千葉県香取市を流れる小野川にかかる忠敬橋を中心に、伝統的建造物群保存地区や景観形成地区に指定されている佐原の町並み。佐原はこの小野川を中心に発展してきました。佐原の商人であり、実測で日本地図を作った伊能忠敬が暮らしていた町でもあります。

川沿いや香取街道には、佐原が繁栄していた江戸時代から大正・明治時代のころの建物が点在。散策するだけでもタイムスリップしたような気分になれる町です。

レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを
右の県指定文化財の建物が「VMG CAFE」。左の蔵が現在の「中村屋商店」。おみやげも買えますよ

「VMG CAFE」が活用している「中村屋商店」の建物は、1855(安政2)年に建てられました。町の中心地の忠敬橋のたもとに位置し、人々が行き交う香取街道にも面している賑やかな場所にあり、ランドマーク的な存在でした。中村屋商店は代々日用雑貨を販売していたそう。カフェの横に建つ土蔵では、今も「中村屋商店」として和雑貨などを販売しています。

江戸時代築の情緒ある建物で優雅なひとときを

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ジャズが流れる店内。趣ある建物はリラックスできる空間

県指定有形文化財でもあるこの建物は、歴史的建造物を修繕してホテルに再生する分散型ホテル「佐原商家町ホテル NIPPONIA」のフロントとして活用されていました。店内にはその当時の名残りも。2階の座敷はレストランとして使われていたそう。2021年にフロントとレストランを移転し、新たに「VMG CAFE」としてオープンしました。

「文化を後世に紡いでいくことが会社の理念。歴史的建造物を使える施設にすると建物の保存につながります。この建物の雰囲気を楽しんでもらいたいです」と話す佐原商家町ホテル NIPPONIA支配人の西村さん。佐原の紹介や活性化もカフェの目的のひとつです。

レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを
(左上)引き出しがついた箱階段。今の時代でもおしゃれな雰囲気 (右上)大きくて歴史を感じさせる金庫 (左下)丸内に平二が中村家の家紋。2階へ続く階段も当時のまま(右下)和の趣を感じる2階の座敷

江戸時代築の建物内では美しい梁も見られます。箱階段や重厚な金庫、2階へ続く昔の階段、「中村屋商店」と書かれたガラス窓なども当時のまま残されていますが、現代のセンスのいいインテリアとマッチしていて、レトロモダンな雰囲気は居心地がいいですよ。

夏と秋に行われる佐原のお祭りで、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「佐原の大祭」。その迫力ある山車がカフェの前を通りますが、高さのある人形の山車が2階の座敷の窓から目の前に見え、特等席になるのだそう。

贅沢な絞りたてのサツマイモモンブラン

レトロな街並みが残る千葉・佐原の文化財カフェ「VMG CAFE」でサツマイモのモンブランを
目の前でサツマイモクリームを絞り、盛り付けてくれる「生絞りモンブラン」。動画を撮る人もたくさんいるそう

「VMG CAFE」の通年メニューはサツマイモを使用した「生絞りモンブラン」のみ。このモンブランを目当てにたくさんの人が訪れます。サツマイモは地元・香取市産の甘い紅はるか。カフェでは地元の食材を使うことを大切にし、佐原の良さもアピールしたいことから、このメニューを一押しにしたといいます。

お皿の上には「佐原商家町ホテル NIPPONIA」のフレンチレストランのスーシェフが生地から作るサクサクのパイの上に、角切りのサツマイモと生クリーム、横にバニラアイスが添えてあります。注文をすると、モンブランの絞り機を乗せたワゴンをスタッフが席まで移動。甘みのある紅はるかを生かしたシェフ手作りのサツマイモクリームを直前に機械に入れ、目の前で絞ってくれます。

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「生絞りモンブラン」1200円。コーヒーか紅茶が選べるドリンクセットは1800円

直径1ミリの穴から絞り出されるクリームは、絹糸のように細くて繊細。パイ生地の上にふわふわとかけていきます。細く切れないように絞り出すには、繊細な技術が必要だそう。上にさつまいもチップスを乗せ、粉糖をかければできあがり。

スプーンを入れると、サツマイモクリームのふんわりした感触がたまりません。パイのサクッとした食感となめらかなクリームの相性もぴったり。中にも角切りのサツマイモが入っているので、芋本来の甘みもしっかり味わえますよ。季節によってイモの硬さが違うそうで、絞る時にも調整が必要になるそうです。秋冬はサツマイモがとくにおいしい時期。この時期ならではの味を楽しみましょう。

大きな茶葉が魅力の紅茶でひと息

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紅茶の注文時には、茶葉見本を入れた箱を持ってきて説明してくれる

おすすめのドリンクは紅茶。サンフランシスコのティーブランド「Mighty Leaf」を提供しています。オーガニックの茶葉などを使う自然・健康志向が高い紅茶で、自然素材の茶葉やハーブ、フルーツなどをブレンドしています。大きな茶葉がたっぷり入ったティーバッグもおしゃれですよ。

カフェでは紅茶を注文するときに、6種類のフレーバーの茶葉見本を用意してくれます。コルクを開けて香りをかいでもOK。どれがいいか迷ってしまったら、茶葉を見ながら紅茶の説明をしてもらえるので聞いてみてくださいね。

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「Mighty Leaf」の 「ホワイトオーチャード」900円。2分蒸らしてからいただく

モンブランにぜひ合わせたいのが、「ホワイトオーチャード」。メロンとピーチの香りをブレンドしていて、ふわっとフルーツの甘い香りが漂います。スイーツに甘い香りは相性がよく、緑茶も入っているのでほのかな渋みもあり、モンブランにぴったり。ティーポットにはたっぷり入っているので、ゆっくりいただきましょう。

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「忠敬好み(煎茶)」700円。佐原にゆかりのあるお茶でくつろいで

ドリンクはほかにも。「VMG CAFE」のすぐそばに、「大髙園」という江戸時代から続く老舗のお茶屋さんがあります。そのお店の看板商品が「忠敬(ちゅうけい)好み」。名前は佐原の発展に貢献し、日本初の実測地図を作った伊能忠敬(いのうただたか)から付けられています。このお茶は、親しみを込めて「忠敬(ちゅうけい)さん」と呼ばれていた伊能忠敬が愛飲していたお茶を再現したもの。すっきりとまろやかな味わいです。

夏にはかき氷の町としても知られる佐原のイベントに合わせて、フレンチシェフ考案の夏季限定「VMGかき氷」も登場。地元酒蔵の甘酒を使用した蜜や、発酵ベリーのソースでいただく特製かき氷が味わえます。

宿泊をしてゆっくり佐原を楽しむのもおすすめ

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明治時代創業の和紙とお香の店、並木仲之助商店の2階や奥の蔵は「GOKO棟」として宿泊できる

分散型ホテル「佐原商家町ホテル NIPPONIA」は、佐原の町を1つのホテルと見立てて、12棟の宿泊棟とフロント・レストラン棟、カフェ棟が佐原内に点在しています。「VMG CAFE」でおいしいスイーツをいただき、町歩きを楽しみながら、歴史ある建物に宿泊をする旅もいかがでしょうか。

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