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『御史(オサ)とジョイ』で2PMテギョンが演じる主人公はどこまで「変人」なのか?

  • 2023.12.17
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NHKのBSで毎週日曜日に放送されている『御史(オサ)とジョイ』。2PMのテギョンが主人公のラ・イオンを強烈な印象度で演じている。

このドラマは、今までの韓国時代劇とは違って暗行御史(アメンオサ)のことをとてもユニークに取り上げている。そこが斬新なところだ。

暗行御史とは、今日の言葉で言えば、秘密捜査官のような存在である。朝鮮王朝時代において地方では不正を行う官僚たちがいたが、これらを厳しく取り締まる役割を担ったのが暗行御史だった。彼らは日常的に庶民として潜伏して緻密な聞き込み捜査を行い、官僚の不正を根底から暴くのだった。

そのとき、暗行御史は大衆の前で官僚を断罪する。当然、悪政に苦しめられた民衆にとって、暗行御史は颯爽と現れて悪を討つ「正義の味方」として称賛されていた。

これまでの時代劇では、暗行御史が常にヒーローとして描かれてきた。そのため、彼らには正義のイメージが強く付与されているが、そんな印象を一新するのがドラマ『御史(オサ)とジョイ』である。

画像=tvN
新しいタイプの時代劇

テギョンが演じる主人公ラ・イオンは、典型的な「正義の味方」とはかけ離れた独特のキャラクターを持つ。とにかく、美味しい料理を食べることしか考えていない。『御史(オサ)とジョイ』が持つユニークさは、このような変わり者を主人公に据えた点にあるのだ。

また、キム・ヘユンが演じるヒロインのジョイは、離婚した女性という当時の社会では異端とされた存在である。儒教の影響下にある朝鮮王朝時代には男尊女卑の思想が根強く、女性はしばしば理不尽な離縁に遭い、再婚も困難であった。しかし、ジョイはそのような窮屈な時代背景にも関わらず、奔放に生きていく。

このように『御史(オサ)とジョイ』は、従来の先入観を打ち破り、これまでにない斬新なアプローチで時代劇の新境地を切り開いている。登場人物たちが明るく魅力的で、視聴者を引き込むこのドラマは、今までになかった新しいタイプの時代劇と言えるだろう。

文=大地 康

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