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南仏からモンマルトルへ。珍しい柑橘類を集めたエピスリー、レモンストーリー。

  • 2023.12.18
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かつてピカソやマティスやモディリアーニといった芸術家たちの共同アトリエ兼住宅「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」が13番地にあったモンマルトルのラヴィニャン通り。観光客があふれるアベス通りからこのラヴィニャン通りに入ってしばらく歩くと、左にクッキーの店「Gilles Marchal(ジル・マルシャル)」が。その角を曲がってすぐの場所に小さなエピスリーの「Lemon Story(レモン・ストーリー)」が見つかる。ここは日常の食の楽しみを倍増させてくれる品々との出合いが待つ新しいブティックだ。

モンマルトルの坂の小道にマリオン・ラペルシュがオープンしたレモン・ストーリー。

セドラとポメロの交配でレモンより酸っぱくないマイヤーレモン(右)をはじめ、パリでは入手しづらい柑橘類が南仏からモンマルトルに届く。

昨年10月にこの店を開いたのは、レモンキャビア、カラマンシー、マイヤーレモン、柚子......といった、フランスでは珍しい10種類くらいの柑橘類を南仏の5000㎡の農場で育てているマリオン・ラペルシュである。この農場は彼女の義父がアルストロメリアや牡丹などの花を栽培をしていた時代にマリオンの夫が関わっていたパティシエのためにレモンキャビア、コンバワ(コブミカン)の栽培を始めた。これがきっかけとなり、6年前、義父の引退を機に、食関係の仕事に就いていた彼女のイニシアチブで柑橘類に特化するようになったのだ。そこでは2月末から6月までを除く1年中、何かしら柑橘類が実っているという。

左: マイヤーレモンの上に乗っているのがセドラの1種のブッダの手(手仏手柑)。ブッダの手はピクルスにして魚料理やサラダに。右: 手前がレモンキャビア。小さなビーズのようなプチプチした果肉が中に詰まっている。photos:Mariko Omura

左: 柚子。料理、パティスリーに人気の柑橘類だ。右: インドネシアがルーツの柑橘類、コンバワ(コブミカン)。シトロネラが香るゼストをミックスしたソルトも商品化している。photo:(右)Mariko Omura

小さな店内、見たことのないフォルムや色のフレッシュな柑橘類にまず目がゆく。巨大なセドラや、指がたくさん生えてるようなブッダの手......レモン・ストーリーの客に若いシェフやパティシエたちが多いというのも頷ける。レモンキャビアは牡蠣や魚のカルパッチョなどに合う、というように、それぞれ味わい方もさまざま。知らない柑橘類の発見を楽しみたい。

左: キンカンより少し大きめのカラマンシー。レモン・ストーリーが扱うほかの柑橘類同様、果肉だけでなく皮まで味わう。右: レモンキャビア。

こうしたフレッシュな柑橘類とそれらをベースにしたジャム、クッキー、レモンチェロ、塩、蜂蜜などをブティックでは扱っていて、目移りするほど。果実の皮がたっぷりと入ったジャムはトーストはもちろんだが、フロマージュ・ブランやフィセルといったチーズに合わせるとそのテクスチャーと皮の味わいをより堪能できる。価格は決して安くはないけれど、おいしいもの好きなら通り過ぎることのできないエピスリーだ。

果肉と皮がたっぷり詰まったジャムは約10種(各9.50ユーロ)。パティスリー作りにも役立ちそう。いまの季節はカラマンシーとパンデピスのノエルのジャムも。

左: 柚子のジャムを詰めたビスキュイ(1袋12ユーロ)。カラマンシーのジャムのビスキュイもある。右: タヒチのライムや柚子、カラマンシーなどリモンチェロの種類は豊富。10clのミニサイズもあるのがうれしい。

Lemon Story1, rue Garreau75018 Paris営)11:00~13:00、13:30~19:00(水〜土)11:00~13:00、13:30~18:00(日)休)月、火、12月25日、1月1日www.lemon-story.com @marion.lemonstory

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