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年金を早く受給したい!60歳から受け取る時のメリットデメリット

  • 2023.12.17

年金は通常65歳から受け取り始めますが、受け取る時期を早めたり遅くしたりすることができます。

中には60歳で定年退職して、すぐに年金を受け取りたいという方も多いはず。では、年金を早く受け取る繰上げ受給をすると、どうなるでしょうか?

■年金の繰上げ受給とは?

年金は1カ月単位で受け取り時期を早めることができます。これが「年金の繰上げ受給」です。最大で60カ月繰上げできるので、早ければ60歳から年金を受け取ることが可能です。

ただ、繰上げ受給をすると年金が1カ月当たり0.4%~0.5%減額されます。減額率が0.4%となるのは1962年4月2日以降生まれの人で、1962年4月1日以前生まれの人は0.5%です。

なお、繰上げ受給とは反対の繰下げ受給をすると、年金が1カ月当たり0.7%増額されます。繰下げは75歳まで可能です。

■繰上げのシミュレーション

繰上げ受給をすると、どれくらい年金が減額されるかをシミュレーションしました。

下記の表は、22歳~65歳まで厚生年金に加入した年収500万円の会社員の年金額を基にしています。

年金を早く受給したい!60歳から受け取る時のメリットデメリット

■年金繰上げ受給のメリット

最大のメリットは、65歳までの収入が増えることでしょう。定年を迎えたり、定年後の再就職で収入が大幅に減ったりした人にとって、生活費を補えるのは大きな利点です。

また、健康上の理由で先々が不安な人は、早くから年金を貰うことで受給期間を長くすることに繋がります。

■年金繰上げ受給のデメリット

デメリットは、年間の年金額が減ってしまうので長生きをしたときに総受給額が少なくなる可能性があるということです。長生きをすればするほど総受給額が少なくなります。

また、遺族厚生年金との併給ができない、寡婦年金の受給権がなくなる、障害年金の請求ができなくなるなど、ほかの公的年金の受給が制限されます。

60歳以降も国民年金に加入できる任意加入制度が利用できなくなったり、保険料の追納もできなくなったりするので、繰上げの請求をする前に保険料納付状況を確認しましょう。

■年金繰上げは慎重に

年金が早く受け取れるに越したことはありませんが、時期を早めれば早めるほど年金額が減ります。

年金の繰上げの請求は取消しや修正ができず、減額された年金を生涯受け取り続けることになるので、繰上げをする場合は慎重に検討しましょう。

阪田順子(ファイナンシャル・プランナー) FP1級、CFP保有。保険会社での営業、一般企業の経理職などを経て、2020年にファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用や株式投資の講座を開講。投資を中心にお金にまつわる記事の執筆・監修を行う。

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