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【広尾】山種美術館【特別展】「癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛― 」

  • 2023.12.18
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日本美術のゆるかわ、モフモフ、ほっこりに癒やされる

山種美術館で開催中の【特別展】「癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛― 」[2023年12月2日(土)~2024年2月4日(日)]を見て来ました。

あたりまえの日常が揺らいで、変化変転の激しい世界情勢の中で、自らの内面を見つめ心を癒やすことが求められているのかもしれません。

こんな時は、素朴でカワイイ動物やあどけない表情の子供たち、美しい自然を描いた日本美術で、心癒やされるひとときを体験してみませんか。

 

出典:リビング東京Web

山種美術館【特別展】「癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛― 」

伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、ゆるキャラみたいな《布袋図(ほていず)》、長沢芦雪(ながさわろせつ)、カワイイが大渋滞《菊花子犬図(きっかこいぬず)》

国宝《動植綵絵(どうしょくさいえ)》(皇居三の丸尚蔵館蔵)などの色鮮やかで精密な作品で知られる伊藤若冲。

豪放磊落、大胆な筆致で描いた重文《龍図襖》と重文《虎図襖》(無量寺・串本応挙芦雪館蔵)の障壁画が有名な長沢芦雪。

江戸時代、歴史に残る名作傑作を残した絵師たちが描いた、ゆるやかな表情の布袋様やユーモラスな目の鶏、カワイイ子犬たちに思わず笑みがこぼれます。

伊藤若冲《布袋図》

会場入り口で出迎えてくれたのは、七福神の1人でもある《布袋図》(個人蔵)。濃墨と淡墨を使い分けたユーモラスなゆるキャラのような姿にほっこり。

 

出典:リビング東京Web

伊藤若冲 《布袋図》 (無染浄善 賛) 1762(宝暦 12)年賛 紙本・墨画 個人蔵

おとぼけ目玉の《鶏図》と《蜻蛉と鶏図》、素朴な《伏見人形図》

くるんと弧を描く尾羽、とぼけた丸い目が愛嬌の《鶏図》と《蜻蛉と鶏図》(いずれも個人蔵)。鶏の動きを素早く捉える軽快な筆運びです。

若冲は身近な花や鳥、虫などもよく描きました。鶏は、若冲の得意な画題で、自宅で飼って写生に励んだそうです。

右は、《伏見人形図(ふしみにんぎょうず)》。縦長に並ぶ布袋の素朴な表情と、伏見人形の土の質感を意識した色使いに温かみを感じます。

 

出典:リビング東京Web

左から、伊藤若冲 《鶏図》 18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵、《蜻蛉と鶏図》 18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵、《伏見人形図》 1799(寛政11)年 紙本・彩色 山種美術館蔵

モフモフの子犬たち、長沢芦雪《菊花子犬図》

愛らしい姿の9匹の子犬たちに見ているだけで心が癒やされます。1匹1匹が違う表情でじゃれあっています。

芦雪の障壁画にあるような雷鳴轟く龍や迫力ある虎の絵とは違い、優しい菊の花と明るく生き生きとした子犬たちの姿です。

 

出典:リビング東京Web

長沢芦雪 《菊花子犬図》 18世紀(江戸時代) 絹本・彩色 個人蔵

癒やしの風景画、鳥の声、水の音、あふれる光

上村松園(うえむらしょうえん)《杜鵑(ほととぎす)を聴く》、川合玉堂(かわいぎょくどう)《渓雨紅樹(けいうこうじゅ)》

日本髪に着物姿の女性がふと耳を澄まして聞くのは杜鵑の鳴き声。鳥の姿は見えませんが、耳に手を当てる女性の仕草が鳥の声を感じさせる上村松園《杜鵑を聴く》(左)。

右側は、川合玉堂《渓雨紅樹》。紅葉に染まる山間の細道。渓流の水車を回す水音が響き渡ります。

 

出典:リビング東京Web

左から、上村松園 《杜鵑を聴く》 1948(昭和 23)年 絹本・彩色、川合玉堂 《渓雨紅樹》 1946(昭和 21)年 絹本・彩色 どちらも山種美術館蔵

千住博(せんじゅひろし)《光》輝く世界へ

千住博《光》。屛風図(びょうぶず)は、見る位置により風景が変わるのも見どころの1つ。会場の順路に沿って、はじめに目に入るのは青々とした深い森。 左に移動すると、やがて視界が開け、目の前に広がるのは湖面に反射する朝の光でしょうか。

水のほとりには睡蓮の葉のような水草が金色の水面に浮いています。 少し青みを帯びた金箔が作り出す光輝く風景。あふれる光がダイレクトに届いて心洗われる清々しさを感じさせる作品です。

 

出典:リビング東京Web

千住博 《光》 1989(平成元)年 紙本金地・彩色 山種美術館蔵

あどけない子に注がれた画家の温かな眼差し《子供立像》

小出楢重(こいでならしげ)が5歳になる長男を描いた《子供立像》。洒落た衣服を着せて毬を持ちポーズをとらせています。

じっとしていない子供にご褒美をちらつかせたり物語を聞かせたりして制作をしたとか。子供のぷっくりした頬やあどけない表情、厚みのある衣服の質感。画家の温かな子供への眼差しを感じます。

小さいお子さんやお孫さんを思い浮かべる方もいるかもしれません。「頑張ったね。えらいね。」と思わず褒めてあげたくなります。

 

出典:リビング東京Web

小出楢重 《子供立像》 1923(大正 12)年 カンヴァス・油彩 山種美術館蔵

奥村土牛(おくむらとぎゅう)《浄心(じょうしん)》《蓮(はす)》画家の心を癒やした仏の慈悲

あまねく衆生に慈悲のまなざしを向ける仏の光を感じさせる《浄心》。極楽浄土を思わせる《蓮》。

亡き恩師・小林古径を偲び制作された奥村土牛《浄心》は、画家自らが心癒やされる仏画となったそうです。仏様のお姿から穏やかに広がる後光と光背の光。

心の湖面の波立ちが静まり、平静心と平安が心に訪れるような作品です。

 

出典:リビング東京Web

奥村土牛《浄心》 1957(昭和 32)年 紙本・彩色、《蓮》 1961(昭和 36)年 紙本・彩色 いずれも山種美術館蔵

日本美術でリラックス、心安らぐ癒やしのひとときを

山種美術館【特別展】「癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛― 」は2024年2月4日(日)まで。

ゆるやかで優しくほのぼのとした日本美術の名品優品が並ぶ展示会場。今年1年の疲れを取り、心安らぐ癒やしのひとときが味わえる展覧会です。 師走の候、ちょっとしたリラックスタイムを味わいに是非お出かけください。

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、長沢芦雪《菊花子犬図》のクリアファイルA4(385円)、和風マシュマロ 芦雪犬ほうずい〈こし餡〉(1‚404円)、《菊花子犬図》と伊藤若冲《伏見人形図》のポストカード(1枚110円)を購入。

ほうずいはマシュマロのフワフワが芦雪の子犬をイメージさせます。

ミュージアムショップには、子犬のポーチも。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 山種美術館

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップ 山種美術館

Cafe 椿 展覧会の作品にちなんだオリジナル和菓子

Cafe 椿では、青山・菊家のオリジナル和菓子、展覧会作品にちなんだ伊藤若冲《伏見人形図》の布袋様をモチーフにした「富貴」(1個710円)をいただきました。

和菓子は、上質な黒糖の大島あんの甘み。お抹茶セットでいただくと(1,350円)です。

Cafe 椿 営業時間:10:30-17:00

※文中のうち、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館所蔵です。※価格は税込価格です。

 

出典:リビング東京Web

Cafe 椿 オリジナル和菓子「富貴」 山種美術館

〇山種美術館 URL:https://www.yamatane-museum.jp/ 住所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36 TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル) 開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで) ※今後の状況により、開館時間は変更になることがあります。 交通:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分 恵比寿駅西口1番乗り場より日赤医療センター前行都バス(学06番)に乗車、「広尾高校前」下車徒歩1分 渋谷駅東口ターミナル54番乗り場より日赤医療センター前行都バス(学03番)に乗車、「東4丁目」下車徒歩2分

〇【特別展】癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛― 会 期:2023年12月2日(土)~2024年2月4日(日) 休館日:月曜日[1/8(月・祝)は開館、1/9(火)は休館、12/29(金)~1/2(火)は年末年始休館] 入館料:一般1‚400円、〔冬の学割〕大学生・高校生500円、中学生以下無料(付添者の同伴が必要です) ※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)一般1200円 〔きもの特典〕きものでご来館のお客様は、一般200円引きの料金となります。 ※複数の割引・特典の併用はできません。 ※入館日時のオンライン予約も可能です(詳細は山種美術館Webサイトをご覧ください)。

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