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ヒトの心は狩猟採集時代のまま 「進化心理学」が悩まない生き方を教える

  • 2023.12.16

2023年11月17日、『進歩した文明と進化しない心 進化心理学で読み解く、私たちの心の本性』(カンゼン)が発売された。監修は、明治大学情報コミュニケーション学部教授の石川幹人さんが担当している。

文明と人間のミスマッチ

「進化心理学」は、人間の心理を進化生物学の観点から解き明かそうとする心理学の一分野。比較的新しい学問だが、近年、大きな注目を浴びている。

本書では、「進化心理学とは何か?」という基礎知識から、人間の心が進化してきた過程を解説。さらに、急激に進歩した文明と進化しない人間の心のミスマッチについても取り上げている。

たとえば、人間の心は、農耕が始まる前に200万年続いた「狩猟採集時代」に形成されたもので、現代の私たちが住む文明社会に適合したものではない。そのため、大都会に住んでいても、心は「小さな集落で暮らしていた時代」の生活のあり方を求めてしまうのだという。

文明と人間のミスマッチから生じた、私たちの"心の問題"にフォーカスし、その解決策となる「時代に合わせた心のあり方」をレクチャーする1冊だ。

ヒトの本能からわかる「心のしくみ」
◆現代を気楽に生きるヒトとしての正しい諦め方
◆承認欲求に依存しないための思考のコツ
◆ヒトの本能が求める幸せの最適解とは?
◆一万年進化しない価値観との向き合い方
◆悩みの原因は同居している「3つの心」

【本書の内容】
はじめに 多様な環境から選べる社会を進化心理学が実現する
第1章 生き残った者だけが残る! 適応と自然選択
キリンの首が長い理由、それこそが〝進化〟の証拠/首の長いキリンは生き残り、首の短いキリンは死んでしまった!首の長いキリンが生まれた理由、それが突然変異! ...など
第2章 協力と信頼の誕生 狩猟採集で形づくられた人間の心
約600万年前に誕生した人類の祖先/人類は200万年もの間、狩猟と採集で生き延びてきた/小規模な集団で暮らしていた狩猟採集時代/密な協力を結べる人間関係は最大で150人!?/自分の能力を活かして集団を支えることが最も重要だった! ...など
第3章 一万年前と変わらない心 現代社会と心の不適合
1万年前から進化していない人間の心/農耕牧畜生活が心と体に苦しみをもたらした!?/現代社会と人間の心はミスマッチになっている!?/学校も会社も本当の意味での協力集団ではない!/やるべき仕事がなくなったが故の苦悩/働かずに暮らすニートはなぜ生まれた? ...など
第4章 悩んでも仕方ない これからの時代を生きていくために
その悩み実は人類共通のものかも?/〝承認〟されなくても不安になる必要はない/仲間はずれにされてしまっても別の仲間がいると考えよう!/学校の成績だけがあなたのすべてではない!/自分の可能性を積極的に探ろう/〝だらしない〟のは人間の性 ...など
監修者・石川幹人インタビュー
①遺伝子からわかることとは?
②サイコパスはなぜ淘汰されなかったのか?
③人はなぜ争うのか?
④進化心理学の今後

■石川幹人さんプロフィール
いしかわ・まさと/1959年、東京都生まれ。進化心理学者、明治大学情報コミュニケーション学部教授、博士(工学)。東京工業大学理学部応用物理学科(生物物理学)卒。同大学院物理情報工学専攻を経て、松下電器産業(現・パナソニック)で映像情報システムの設計開発に、新世代コンピュータ技術開発機構で人工知能研究に従事。1997年明治大学文学部助教授、2002年に教授に就任し、同年米国デューク大学に客員研究員として滞在。2004年、明治大学に新設された情報コミュニケーション学部に移籍し、その後同学部長、同大大学院長を歴任。2007年に情報文化学会賞、2013年に国際生命情報科学会賞、2015年に科学技術社会論学会実践賞を受賞。専門は認知情報論及び科学基礎論。主な著書に、『だからフェイクにだまされる ─進化心理学から読み解く』(筑摩書房)、『いい人なのに嫌われるわけ』(扶桑社)、『その悩み「9割が勘違い」 科学的に不安は消せる』(KADOKAWA)ほか多数。

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