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育てやすい! 耐暑性・耐寒性のある植物を、シチュエーション別にご紹介!

  • 2023.12.15
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園芸やガーデニングをする際、できることならあまり手をかけずに綺麗な庭づくりをしたり、もっと気軽に室内で観葉植物を育てられたりしたらいいなと思っている人も多いのではないでしょうか。管理が楽な植物を選ぶ基準の一つとして、その植物の「耐暑性」や「耐寒性」の程度を知り、性質の強いものを選択するということが挙げられます。今回はシチュエーション別に、おすすめの植物をそれぞれご紹介します。

耐暑性・耐寒性とは

気温
Dmitry Kovalchuk/Shutterstock.com

耐暑性・耐寒性の強弱に明確な基準はありません。一般的な目安として、一日を通しての最低気温が25℃以上でも生理障害を起こさずに育てることができる植物は耐暑性が強い植物、また一日を通しての最低気温が0℃以下になっても問題なく栽培、越冬ができる植物は耐寒性の強い植物とされています。宿根草などはかなりの低温にも耐えることができる種が多いですが、栽培地域によって環境はさまざまで、「耐寒性がある」と表記されている植物でも、西日本では育つものの北日本では難しいという場合もあるので注意が必要です。

大切なことは、育てたい植物が何度までの低温、あるいは高温に耐えられるかを知ること。その際、とても参考になるのが「耐寒性ゾーンマップ(Hardiness zone map)」です。もともとはアメリカの農水省(USDA)によって作成されたマップで、各地の土地の寒さをゾーン分けし、数値化することで耐寒性のランク付けがなされました。日本では気象庁のデータを元に作成、運用されています。日本中の各地域の寒さが数値で分かるようになっているので、とても参考になります。

花壇に取り入れたい耐暑性・耐寒性が強いおすすめの宿根草

耐寒性・耐暑性
LilKar/Shutterstock.com

ここでは、地植えでも通年育てることができる耐暑性・耐寒性ともに強い宿根草を3種類ご紹介します。

耐暑性・耐寒性ともに強く、夏に鮮やかな花を咲かせるエキナセア

エキナセア
Simon Groewe/Shutterstock.com

エキナセアはキク科ムラサキバレンギク属の多年草。開花期が6~8月と長く、大輪のキク科らしい花を多数付けます。品種によって花色や咲き方がさまざまで、猛暑でも問題なく咲いてくれます。花後のシードヘッドもとても造形的なため、花がらを刈り取らず、そのままにして楽しむ人も。冬は葉を落とし、地上部はなくなってしまいますが、気温の上昇とともに芽吹きます。薬用効果もあり、ハーブティーやサプリメントにも利用されています。総じて耐暑性・耐寒性は強いですが、品種によって若干のばらつきがあるため注意しましょう。

種類が豊富で耐暑性・耐寒性ともに強い宿根フロックスの仲間

フロックス
arazu/Shutterstock.com

フロックスはハナシノブ科クサキョウチクトウ属の植物で、一年草のものと多年草のものがあります。ここでおすすめしたい宿根フロックスは多年草のもの。春咲きと夏咲きのタイプがあり、どちらも耐暑性・耐寒性ともに強いです。春咲きの花期は3~5月。ちなみに、春に咲くグラウンドカバープランツとして人気のシバザクラもフロックスの仲間です。夏咲きは6月から10月くらいまで咲き続け、2タイプ揃えることで長期間花を楽しむことができますよ。真夏の花の少ない時期でも、ビビッドな花色で一面に咲いてくれるので重宝します。品種によっては草丈が60~100cmになるため、種類をよく確認し、大きくなるタイプは花壇の後方に植えるとよいでしょう。

耐寒性が強く日陰でも育つシュウメイギク

シュウメイギク
High Mountain/Shutterstock.com

シュウメイギクはキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。キクと名前が付いていますが、アネモネの仲間です。耐寒性が強く、冬には地上部を枯らして越冬しますが、翌春はまた芽を吹いてくれます。白花や八重咲き、草丈の小さいものなど、姿もさまざま。開花期は9~11月です。日陰でもたくさん開花し、花が風に揺れる様がとても風情があります。地下茎でよく増えるので、はびこるようなら適宜間引きましょう。

グラウンドカバーに向く耐暑性・耐寒性が強いおすすめの植物

グラウンドカバー
Vitalii_Mamchuk/Shutterstock.com

続いて、グラウンドカバーに向くおすすめの植物を3種類ご紹介します。

乾燥に強く屋上緑化にも使われるセダム

セダム
Gerry Bishop/Shutterstock.com

セダムはベンケイソウ科マンネングサ属の多肉植物です。寒さはもちろん、暑さにもかなりの耐性があります。高温や乾燥に強く、かつ用土が少なくても一面に広がって育つことから、グラウンドカバーだけでなく屋上緑化植物としても活用され、さまざまな場所で植栽されています。セダムには多数の種や品種があり、葉の形や大小などバリエーションもさまざまです。お気に入りの種を選び、組み合わせてグラウンドカバーにすると楽しめるでしょう。

日陰でも育つ! 丸く可愛い葉が特徴のリシマキア

リシマキア
Anatoliy Berislavskiy/Shutterstock.com

リシマキアはサクラソウ科オカトラノオ属の多年草です。生育旺盛で、丸い葉を多数付けながら地面を這うように広がります。5月から6月には黄色い星形の花が一面に咲きます。やや湿り気のある環境を好み、耐暑性・耐寒性に強いのはもちろん、日向だけでなく日陰でも育つため、グラウンドカバーやカラーリーフとして汎用性が高い人気の植物です。

グラウンドカバーの定番! 冬も葉が美しいヤブラン

ヤブラン
ToriNim/Shutterstock.com

ヤブランはキジカクシ科ヤブラン属の多年草です。耐暑性・耐寒性ともに強く、乾燥にも強いため、植える場所を選びません。8~10月にかけて紫色の花を咲かせ、やがて濃紺の実を房状に実らせます。丈夫で日向、日陰を選ばず生育し、常緑で冬期でも青々と茂ることから、和風の庭やロックガーデンの定番種となっています。基本種の他に斑入り種もあり、日陰に植えれば暗くなりがちな一角を明るくしてくれるため、こちらも人気があります。ヤブランは草丈30cmほどになりますが、近縁種のジャノヒゲ(リュウノヒゲ)は草丈も低く、踏みつけにも強いため、こちらもグラウンドカバーとしてよく使われています。

室内でも気軽に楽しめる耐暑性・耐寒性が強いおすすめ観葉植物

観葉植物
New Africa/Shutterstock.com

インテリアの彩りとしておすすめの観葉植物には、耐暑性が強いものが多いですが、その中でもある程度耐寒性が強い観葉植物を3種類ご紹介します。

観葉植物としてはもちろんグラウンドカバーにも使えるアイビー

アイビー
Amnuay Kaewkatmanee/Shutterstock.com

アイビーはウコギ科のつる植物。耐寒性、耐暑性ともに強く、丈夫で育てやすいです。観葉植物としても人気がありますが、グラウンドカバープランツとして雑草よけにも使われたり、フェンスなどに這わせることもできます。ただし、外壁に這わせると気根を出して壁を傷める原因にもなるので注意しましょう。寄せ植えやハンギング、リースの素材としても活用でき、耐陰性もあることから、屋外、屋内を問わず使えます。葉の形や斑の入り方の異なる多様な品種があり、暗い場所に明るい斑入り品種を選べばその場所を明るくしてくれますし、変わった葉の形の物を選べばフォーカルポイントにもできます。植栽や飾る場所によって、いろいろな表情を作り出すことができます。

乾燥にも強い! 丸みのある葉の形が可愛いシェフレラ

シェフレラ
Liga Cerina/Shutterstock.com

シェフレラは中国南部から台湾原産のウコギ科の植物です。掌を広げたような丸い葉を多数付けます。乾燥や蒸れにも強く、可愛らしさと丈夫さが両立した人気の観葉植物です。葉が似ているパンヤ科の植物と混同され、カポックという名で流通していることもあります。耐陰性が高いので通年室内管理ができます。耐暑性は高いですが、室内管理していたものを急に外に出すと葉焼けしてしまうので、しばらくは日陰や遮光するなどして徐々に光に慣らしながら移動しましょう。また耐寒性はある程度ありますが、0℃以下では枯死の可能性があります。冬に外で管理する場合は雪や霜を避け、防寒対策をするか室内管理が望ましいです。

病気に強く、和風やアジアンテイストの空間に似合うシュロチク

シュロチク
Lamyai/Shutterstock.com

シュロチクは中国南部から東南アジアにかけて分布するヤシ科の植物です。亜熱帯に生育する植物ですが、耐暑性はもちろん、比較的耐寒性も高いです。0℃以下にならない場所で管理しましょう。耐陰性もあり、通年室内で管理できます。日本での栽培の歴史は古く、古典園芸植物として今でも和風やアジアンテイストの家屋によく合い、定番の一つです。

香りや料理が楽しめる耐暑性・耐寒性が強いおすすめハーブ

ハーブ
stockcreations/Shutterstock.com

ここでは香りを楽しんだり、料理に使えるおすすめの丈夫なハーブのうち、特に耐寒性が強く冬越ししやすい3種をご紹介します。

料理に使えるものからグラウンドカバーまで! タイムは用途で選ぶ

タイム
Julitt/Shutterstock.com

タイムはシソ科の多年生植物で、その多くは葉に香りがあり、ハーブとして活用されています。タイムの樹形は大きく分けて、木立性と匍匐性があります。木立性のコモンタイムはブーケガルニの素材として料理に使われ、匍匐性のクリーピングタイムはグラウンドカバーとして活躍します。触ると香りもよく、葉の色や形も種類豊富で、雑草防除やカラーリーフのように活用することもできます。管理も伸びたら刈り込む程度で手間も掛かりません。

香りが楽しめるラベンダー! 北海道でも育つほど耐寒性が強い

ラベンダー
ESstock/Shutterstock.com

ラベンダーは地中海沿岸が原産のシソ科の半木本性植物です。紫色の花が基本ですが、現在はさまざまな系統や品種があり、花色も多様です。とても爽やかな香りがあり、人気のハーブです。北海道などでも育つ耐寒性がある反面、夏の暑さや蒸れに弱い性質のものも多いです。

中でもポピュラーなのはイングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)系の品種やその交配種です。‘オカムラサキ’やラバンディン‘グロッソ’という品種は香りが強くおすすめです。またフレンチラベンダー系統の品種も人気があります。耐寒性はイングリッシュラベンダーより劣りますが、耐暑性は強く、夏越ししやすいのが特徴。花の先端にウサギの耳のような可愛い苞があります。近年は耐寒性、耐暑性ともに優れる品種も登場し、日本中の広い地域で楽しめる花になってきています。

観賞用から料理に使うものまで種類が豊富なセージとサルビア

サルビア
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サルビアはシソ科の多年生植物です。学名ではサルビアと呼ばれ、英語名ではセージと呼ばれています。種類が豊富で、料理用に使われる種もあれば、観賞用として栽培される種もあります。夏の多湿は苦手なので、乾燥気味に管理しましょう。真夏の直射日光は苦手な種もありますが、ほとんどの種は耐寒性が強く、関東以南では特に防寒対策を必要としません。

耐暑性・耐寒性が強い植物を育てて楽しもう!

ガーデニング
Ground Picture/shutterstock.com

それぞれの植物は栽培しやすい適温があります。植える場所や置き場所などシチュエーションに応じた耐暑性・耐寒性を把握することが大切です。紹介したおすすめの植物以外にもまだまだ耐寒性、耐暑性が強いものがあります。お気に入りの植物を見つけてガーデニングや生活空間の中に取り入れて楽しみましょう。

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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