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【ホテル雅叙園東京】カラフルでレトロでキュート!「古今東西ニッポンの風景」で架空の温泉街を体験|2024年1月14日まで

  • 2023.12.13

若者には新しく、その上の世代には懐かしさを感じさせる“レトロ”。東京・目黒にある日本の美のミュージアムホテル「ホテル雅叙園東京」では、東京都指定有形文化財「百段階段」(以外、文化財「百段階段」)にて、2023年12月2日(土)〜2024年1月14日(日)まで「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」を開催中。愛らしさと郷愁が重なる架空の街を旅してみたのでお伝えします。

2024年1月14日まで「古今東西ニッポンの風景×百段階段」

創業から90年以上も歴史のある、日本の美のミュージアムホテル「ホテル雅叙園東京」。

1935(昭和10)年に建てられた現存する唯一の木造建築である文化財「百段階段」では様々な赴きある企画展を開催し、99段の階段廊下や趣向の異なる7つの宴会会場は圧倒的な存在感があり、コロナ禍を経て、国内外から一層注目されています。

2023年12月2日(土)~2023年12月24日(日)、2024年1月1日(月祝)~2024年1月14日(日)まで期間限定で開催している「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」。ネオン輝く架空の温泉街、日本の祭り、こけしといった伝統文化や工芸、ご当地パンなど、今昔をワープするような旅へと誘う企画展です。

懐かしのニッポンの風景へ!

江戸時代末期に創業した旅籠「雅」が前身の「旅亭 雅楼(みやびろう)」の入口で、私たち旅人を迎えてくれました。提灯には「丸に三つ格子扇に牡丹」の旅亭の家紋を入れ、訪れる人の不老長寿を願っています。こちらの家紋は展示内でも見かけるので見つけてみてください!

「懐かしく新しいニッポンの風景」をテーマに、プロムナードは旅館の玄関を想わせます。木彫りの熊、黒電話、棚、古時計などを展示し、チクタク……チクタク……と進む時計の秒針が一気に懐かしい気持ちへと引き込んでいきます……。

旅館と日常を垣間見る・十畝の間

最初の「十畝の間」。扇形の衝立の先には風情ある旅館の光景が広がっています。

座卓、広縁、書斎、身支度の部屋が部屋全体にぎゅっとまとまって、まるで舞台のセットみたいです!

鏡台の前でさっきまで支度をしていた息遣いを感じます。鏡や櫛など、今見ても素敵なデザイン。

旅人のトランクやバッグ。いっぱい旅行してきたんですね、年季が入っています。

火鉢を隣に置いた書斎。映画のワンシーンのような雰囲気があります。

絵に描きたくなるほど情緒ある広縁。椅子には実際に座れるので、お庭を眺めながら、しばし憩いの時間を過ごせます。

赤と金が眩しい・漁樵の間

「お祭り・祝祭」をテーマにした「漁樵の間」には、縁日に遊びに来た感覚で、祭り提灯が並ぶ廊下をぐるりと回り込むと到着します。

純金、色彩木彫り、菊池華秋の日本画に囲まれた豪華絢爛なお部屋に、祝いを象徴する赤と朱の色を射して、息を飲むほどに眩しく輝いています……。左から、神事や祝いの席で欠かせない「角樽」「米俵と鯛」「菰樽と桝」が並んで、盆と正月がまとめてきたようなめでたい風景!

米俵の装飾は、12月は「五穀豊穣」、1月は「新年の寿ぎ」のデザインに変わるそう。

烏天狗や稲荷狐などのお面も飾って、昔話みたいなお祭りの雰囲気に。

達磨、恵比寿さん、鯛、熊手、羽子板など、古今東西の縁起のよい民芸品も飾っていて、特に外国の方の興味を引いているようです。

こけし愛・草丘の間

四季の風景を描いた「草丘の間」では、東北のこけしと民芸人形と出会えるレトロ玩具旅を楽しめます。

イラストレーターで郷土玩具蒐集家の佐々木一澄さんの著書『こけし図譜』(誠文堂新光社 刊)に掲載されている原画や、東北6県で11系統に分類されるこけし約200体をメインに、東北地方の郷土玩具も展示しています。

江戸時代後期頃から東北6県の温泉地で作られている、丸い頭と細い体が特徴的な人形「こけし」。こけしの分布図、姿や描彩などをイラストと解説付きでパネル展示しています。分かりやすくて、こけしの新発見の連続でした。

イタヤカエデやミズキなどの木で作られたこけしは、表情、銅から頭頂部まで、産地によって特徴も千差万別。じっくり時間をかけて見入ってしまいます!

郷土玩具も伝統と風土によって、素材も形も色々あり、めでたいものばかり。見ているだけでほっこり。佐々木さんのこけしと郷土玩具への愛でいっぱいの博物館のような空間です。

白狐が遊ぶ世界・静水の間

他のお部屋に比べたら小さめのお部屋「静水の間」には、京都出身・在住のイラストレーター中村杏子さんが描く、ショッキングピンク、キイロ、アオと、ビビッドカラーのイラストとレトロアイテムが彩っています。

学生時代から昭和レトロに惹かれたと言う中村さんが理想とする空想上の商店街や建物を描いていて、すべてカラフルでレトロでキュートです。細かいところまでみっちり埋め尽くされた絵の街の中で白狐があちらこちらと登場していて、見ていると一緒に絵の中を冒険したくなりました!

奥は、大正モダンな喫茶店風の空間に。

テーブルには、プリンとクリームソーダの“THE 純喫茶メニュー”も飾られ、レトロ感もアップ! こんな和室の喫茶店、行ってみたいです!

ネオンの温泉街・星光の間

次は、アーティストでデザイナーのはらわたちゅん子さんが描く“架空の温泉街”へ。作品のタペストリーが並ぶ、裏路地のような廊下から、すでに不思議な湯の街は始まっています……!

少し暗い部屋の「星光の間」は、ネオンが灯る架空の温泉街「ゆのまちネオン」の世界になっています。ネオン画を、アクリルパネルとライトでネオンのように発色させていたり、実際のネオン管で立体展示として再現しています。作品には着物姿や湯上りの女性を描き、「雲仙」「鶴巻」といった実際の温泉地の名称も書いて、架空の温泉街もリアリティが増しています!

本物のネオン街のように看板は明暗をゆるりと繰り返し、格子造りの和室が“ゆのまちネオンの光の間”となって妖艶に包みこんでいます。

旧目黒雅叙園の歴史・清方の間

「清方の間」では、1931(昭和6)年に開業した、ホテル雅叙園東京の前身「目黒雅叙園」時代のパンフレットや広告、当時の庭園を描いた絵葉書など、様々な貴重な資料を展示しています。

1936年発行「アサヒグラフ」にも当時の角隠しの花嫁さんを起用し、「ホテル雅叙園東京」となった今も昔も、当施設の豪華絢爛な和装ウエディングは憧れであることを感じます。創業から90年以上、日本の美と伝統を脈々と伝えてきていることに感慨深くなりました。

尚、「清方の間」の“欄間と天井の絵画”は著作権の都合上撮影不可なのでお気を付けください。

ご当地パン・頂上の間

最後の「頂上の間」は、地域で愛されるご当地パンのコレクションが大集結しています。文筆家・甲斐みのりさんが全国各地で出会った、地域に根付くパン屋さんとご当地パン500個以上を収録した書籍『日本全国 地元パン』(エクスナレッジ 刊)から、47都道府県すべてを大紹介!

各パンの特徴を綴ったパネル展示と、甲斐さんが蒐集したパン袋100点が所せましと並んでいて、ワクワクする空間に! 筆者も食べたことがあるパンを見つけるのも楽しくて、来館者のみなさんも自分の出身県のパン袋を見つけたり、「あった、これおいしいんだよ!」と大盛り上がり!

レトロキュートなものから斬新なものまで、イラストやロゴは各地のパン屋さんの自由な発想で生まれ、パンと同じくすべて唯一無二!

ご当地パンをそのまま小さくしたミニチュアのオモチャや、パン袋のデザインを描いたミニレターセットなど文具雑貨も展示されています。食べておいしい、グッズで可愛らしい各地の魅力を生かしたご当地パン。筆者も旅した時はチェックしていますが、まだ知らぬパンがいっぱいで、パン巡りに増々気合が入ります!

物販でレトログッズ収集も!

今回の企画展のアート作品は物販でもいろいろなグッズとなって販売されています。筆者が訪問した時は、特に「地元パン」グッズに人が集まっていました。

流行り廃りの波が早い現代社会でも、人の心を温かくしてくれるものの本質は変わらずに、昔の姿のまま、今風の姿に変えて、ちゃんと人の心に届くことを感じた企画展。ほんの少し前の古き良き時代に思いを馳せるだけでなく、その時に一緒に生きた人たちの鼓動も改めて思い出させてくれました。

「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」

開催期間:2023年12月2日(土)~2023年12月24日(日)、2024年1月1日(月・祝)~2024年1月14日(日)

休館日:2023年12月25日(月)~2023年12月31日(日)

開場時間:11:00~18:00(最終入館17:30)

料金(税込):当日券・大人1,500円、学生800円

*未就学児無料、学生は要学生証呈示

問合せ(10:00~18:00):03-5434-3140

会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」

住所:東京都目黒区下目黒1-8-1

交通:「目黒駅」から徒歩約3分

[all photos by kurisencho]

 

 

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