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「年末年始に読みたいマネー本」お金の教科書Vol.33 #リアルボイス

  • 2023.12.12

毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「年末年始に読みたいマネー本」です。

年末年始に読みたいマネー本

三省堂書店池袋本店・杉山 学さん 静岡県出身。約80万冊が揃う都内最大規模の書店、三省堂書店池袋本店に勤務して約2年。実用書担当歴は約1年半。趣味は音楽。最近読んで面白かった本は月村了衛の『半暮刻』(双葉社)。

散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 5年交際中の彼と同棲中。貯めたい意思はありつつも、推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。好きな本のジャンルはミステリー一択。宮部みゆきのファン。

売り上げ好調のマネー本。“お金初心者”なら何を?

好美:先日、ふらっと三省堂書店池袋本店に立ち寄ったら、驚きました。今、お金にまつわる本って、たくさん出ているんですね!

杉山:そうですね。池袋本店だけでも節約含むマネー系の実用書は50~100冊前後、ビジネス書では300~500冊はあるかと思います。ビジネス書に金融関連の専門書をマネー系として含めた場合は、もっと増えます。

好美:その中でも2023年は、どういったジャンルのマネー系の実用書、ビジネス書が多く売れたという印象ですか?

杉山:今年は特に投資系の書籍の動きがいいですね。来年から新NISAが始まることもあり、その準備をしていると思われる方も多いです。また、急激な物価高で節約関連の書籍も動きがありました。“節電”に特化した書籍も発売になったり。時勢を表しているな、と思います。

好美:ヒットするマネー系の実用書、ビジネス書に共通する点は何かありますか?

杉山:わかりやすさですね。以前より、若い世代を中心に貯蓄から投資への意識が強くなっていましたが、その流れが少しずつ上の世代に移行してきている印象があります。そのため、投資初心者向けの本は一年中売れている感じです。

好美:確かに、私みたいな投資初心者がまず本で勉強しようと思ったら、マネー全般を把握できるような一冊に手が伸びるかも。でも、YouTubeやSNSでもお金のことを学べる時代に、書籍を購入する人というのは、どんな人が多い印象ですか?

杉山:やはり30代より上の世代でしょうか。勉強するなら書籍、という意識を持っている人が多いからだと思います。

好美:わかる~(苦笑)。YouTubeやSNSもチェックはしてみるけど、情報があふれすぎていて……。きちんとイチから学びたいと思うと、内容が整理された本を読みたくなりますね。

杉山:マネー系の本は、女性の購入も増えましたよ。

好美:切実な問題ですからね~。でも、今日お聞きしたかったのは、節電や新NISAといったピンポイントなものではなく、売れているマネー本の中でも、特に私が読むのにぴったりな本なんです。

杉山:好美さんのような“お金初心者”が興味を持てるような本、ということですよね?

好美:難しすぎて眠くならずに読めると、嬉しいです(笑)。

杉山:と思い、広いジャンルから、3冊を選んでみました。

好美:どれもタイトルからして惹かれます!

書店員がおすすめする“2023マネー本”3選

『新版 正しい家計管理』林 總 1485円 すみれ書房
「節約・貯金」をしようとしても、結果的にストレスが溜まって挫折…。そんな方も多いかと思いますが、この書籍は「家族と自分が今も、未来も幸せになること」が家計管理の真の目的とし、そのための「黒字の仕組み」を作ることを重視しているのが特徴です。方法論だけでなく「家計」に対する価値観を変えることで、「節約・貯金」ができる体質へと導いてくれる。これまで節約や家計簿に挫折した方に手に取っていただきたい一冊です。

『本当の自由を手に入れる お金の大学』両@リベ大学長 1540円 朝日新聞出版
お金を“貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う”と大きく5つにテーマを区切り、基礎知識を網羅的に説明。本文もイラスト主体で記載され、活字が苦手な方でも手に取りやすいはず。著者はYouTubeで情報を発信しているため、読んでみて深掘りしたいところがあれば動画を見るという活用もできますし、動画を見たことはあるけどアップされている量が多すぎて離脱した方が、逆に書籍で全体像を把握するという活用方法もありですね。

『三千円の使いかた』原田ひ香 770円 中公文庫
節約をテーマにした“家族小説”なので、楽しみながら読めて、節約の知識も深まる。こんなにお得な書籍はなかなかありません。また、日本人はどこかお金に関する話をすると「はしたない」「恥ずかしい」という意識を持っている人が多く、一人で悩んでしまいがちですよね。この作品の登場人物たちも同じで、さまざまな立場でお金について悩んでいる。でも最後には、一歩踏み出すその姿に励まされるのではないでしょうか。

次回は、2378号(2023年12月20日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年12月13日号より。写真・中島慶子 イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)

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