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夏の甲子園が中止に...「頭が真っ白」「ずっと目標だったのに」。3年後のいま、元高校野球球児たちが再集結したワケ

  • 2023.12.13

HBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。

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2020年夏、新型コロナウイルスの流行によって、中止となってしまった甲子園。
あれから3年。先月29日、全国の元高校球児たちが、季節外れの甲子園に集いました。そのワケとは?
球児たちの物語に注目します。

幻の甲子園 あの夏を取り戻せ!

Sitakke

全野球少年の憧れの地“甲子園”。 数々のスターと名場面を生み出してきました。
この場所に立つことを夢見る球児も多いでしょう。

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札幌大学3年生・西正真也さんも甲子園に憧れる球児です。

小学生の時には北海道選抜に選ばれ、さらに中学では全国大会での優勝経験もある西正さん。
憧れの甲子園を目指し、選んだ高校は、甲子園出場回数通算6回の札幌第一高校。

西正さん:「甲子園でホームランを打ちたくて野球をしていた」

強豪校で仲間としのぎを削り、3年生4番主砲として迎えた2020年・勝負の夏。
それは、あまりにも残酷な結末でした。

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戦後初となる夏の甲子園 中止。
憧れの甲子園への道を戦わずして閉ざされた高校球児たち。

西正さんもその一人です。

西正さん:「ずっと目指してきたものだったので、本当に苦しかった。現実逃避をしてしまった自分がいて、頭が真っ白に。しばらくは何もしたくなかった」

奪われた最後の夏。

高校野球にけじめをつけられぬまま3年が経ち、大学生になった今でもあの夏は止まったままです。

西正さん:「今でも甲子園でプレーする高校生を正面から見られない。“本当は自分がそこに立っていたのに”という気持ちがある」

今でも甲子園でプレーする高校球児を見るとやりきれない悔しさがこみ上げてきます。

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中止になったその年、都道府県ごとに独自大会が開催。
青春のすべてをかけ、札幌第一は並みいる強豪を相手に決勝まで進出。
西正選手は独自大会自身3本目となる豪快なスリーランホームランでチームを優勝へと導きました。
しかし、その先に甲子園の道はありませんでした。

あれから3年、同じ悔しさを味わった全国の元高校球児たちが集合し、あの夏叶わなかった、甲子園でプレーできるプロジェクトが動きだします。

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その名も“あの夏を取り戻せ!”プロジェクト。

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発起人は、当時東京の高校でプレーしていた、あの夏の高校球児。

実行委員長 大武さん「あの夏を取り戻して、次に向かえるように…」

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このプロジェクトには、当時出場するはずだった、2020年の独自大会で優勝した全国の高校のうち、42チームおよそ700人の元高校球児から参加表明がありました。
北海道からはクラーク記念国際高校、そして札幌第一高校の2校が出場。

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西正さん:「当時の監督とメンバーで甲子園にたてるのでうれしかった」

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このプロジェクトでは、参加選手の宿泊費や交通費・球場使用料など、およそ7000万円の資金をクラウドファンディングなどで調達。

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スケジュール面から甲子園では、セレモニーと各校5分間のノック練習のみを行い、交流試合は兵庫県内の各球場で行うことになりました。
それでもあの夏にけじめをつけるには、これ以上ない舞台が整いました。

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西正さん:「2020年独自大会決勝で自分たちの夏は終わったと思っていたが、甲子園で区切りをつけられる」

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高校卒業後、道内に残ったあの夏の仲間が再集合。3年越しに一緒にトレーニングします。

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さらに、今回の甲子園大会に向けて、当時の監督が激励会を開催。

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監督監督:「あの夏を思い出すとやりきれない気持ちになる。当時の世代には必要なプロジェクト」

たくさんの応援を受け、再びあの夏のあのメンバーであの場所へ…

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甲子園当日。
当時の3年生23人中13人が再び集合。
憧れの甲子園に、球児たちの笑みがこぼれます。

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この日、甲子園でプレーするために集まったのは、全42の強豪チーム。
見た目はあの時より少し大人びたものの、少年に戻ったような、屈託のない笑顔があふれます。
札幌第一高校も、あの夏踏むことができなった甲子園の地を一歩一歩進みます。

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この日ばかりは監督も特別に学校を休み、教え子たちの晴れ姿を見届けます。

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いよいよ今回のプロジェクトの醍醐味です。
甲子園での5分間のシートノック練習がスタート。
次々と入れ替わりで練習していきます。

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たった5分のその時間は、元高校球児にとってはあの夏の青春の続き。

そして、ついに札幌第一シートノックスタート。
監督から1本1本送られるノックを丁寧にさばく選手たち。 甲子園の土を踏みしめながら、あの夏のように笑顔でプレーしています。

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西正さん:「本当に楽しかったです!甲子園の地に立ててプレーできて、本当に最高の思い出になりました」

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翌日、兵庫県内の各球場で交流試合が行われました。
札幌第一高校のユニフォームに袖を通し、このメンバーでの本当に最後の試合です。
相手は甲子園出場回数 通算9回の強豪。鶴岡東。

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晴天のもと試合開始。
札幌第一の攻撃はランナー一塁の場面で不動の4番主砲 西正真也。
3年間の思いを込めて第一打席に立ちます。

高めの球が続く中、迎えた4球目。
振り抜いた1球は1塁線を破りヒット!
チームの中心として役割を果たします。

ランナー1・3塁で続く5番高木、変化球をうまくとらえライト方向にチーム初タイムリー。
西正選手もホームに突入し2点目! 札幌第一に2得点が生まれました。

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さらに、1番金野の豪快な一発!
ライトスタンドへ勝ち越しのソロホームランです。
これにはチームも大盛り上がり。

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同点で迎えた最終回、札幌第一の攻撃は先頭打者・4番 西正。
泣いても笑ってもこれが高校野球最後の打席です。

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試合結果は同点でした。

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みんなで最後笑って終われた。人生の宝物になりました。高校野球の悔いはもうない。これからそれぞれの道に進んでいく!

西正さんは、力強いまなざしで話していました。

※掲載の内容は番組放送時(2023年12月7日)の情報に基づきます。

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