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絶対にやめて!【エアコンの放置】パナソニックに訊いた『想定外のリスク』と『正しい試運転』とは?

  • 2024.5.24
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写真:PIXTA

2024年2月20日に発表された気象庁の暖候期予報によると、今年の夏(6月〜8月)は暖かい空気に覆われやすく、全国的に気温が高くなるそうです。記録的猛暑となった昨年に引き続き、2024年もエアコンを使用する頻度は高くなるかもしれません。

とはいえ、それはまだ先の話。「今エアコンを点ける必要はない」「夏になったら使ってみて、不具合があったら修理してもらおう」なんて考えてはいませんか?もしかしたら、その想定はかなりリスクが高いかもしれません。

そこで今回は、“夏本番になってからじゃ遅い!今すぐエアコンを試運転させるべき理由”について、パナソニック エアーマイスター 福田風子さんに詳しく教えていただきました!

「暑くなってからつける」はやめて〜!

なぜ6月になってからではなく、今のうちにエアコンを試運転させるべきなのでしょうか?

それは、エアコンに不具合があった時に依頼する修理業者は、7・8月に超繁忙期を迎えてしまうから。福田さんによると、「パナソニックのエアコンに関する問い合わせ受付件数は例年、6月から急増します。過去4年(2020年~2023年)の平均では、4月のお問い合わせ件数と比較すると6月が2.7倍、7月が3.8倍、8月が3.9倍と3倍〜4倍近くまで急増しています」とのこと。

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データをもとにTRILLが作成

それだけではありません。パナソニックの調査によると、夏本番(6月〜8月)に修理や設置を依頼してから、使用できるまでに約3割が「2週間以上待った」と回答したそうです。

6月、エアコンが動かないのは死活問題

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写真:PIXTA

みなさんの中には、「それでも、本格的に暑くなるのは7月以降だよね」「6月になってから修理を依頼しても、ギリギリ間に合うんじゃない?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、それは大間違い。消防庁のデータによると、昨年6月の熱中症による救急搬送人員は、なんと7,235人。この記録は、6月の調査を開始して以来2番目に多い搬送人員だったそうです。

そう…実は、6月にエアコンが動かないことは死活問題になる可能性があります。もちろん、7月・8月に使えないのはもってのほか。だからこそ、福田さんは「エアコンがしっかり作動するかどうか、早めにチェックしておくことが大切です」と指摘しています。

エアコン試運転の正しいステップ3!

しかし、「でも、エアコンの試運転って、具体的にどうすればいいの…?」と困ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。それでは、正しい手順をステップごとに確認していきましょう。

【ステップ1】電源を入れる前にブレーカーやコンセントを確認

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写真:PIXTA

「リモコンで電源をオフにすればいいよね」と手を抜くのはNG!福田さんによると、「ホコリが溜まっていると発火の危険性があるので要注意!」とのこと。リスクを回避するために試運転をするのに、かえって事故を引き起こす原因になってしまったら嫌ですよね。

正しい手順として、「エアコンのブレーカーが「入」になっていて、電源プラグやコンセント周りにホコリが溜まっていないことを確認してから電源を入れてください」と福田さんは説明してくれました。

【ステップ2】運転モードを「冷房」にして運転開始

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写真:PIXTA

冷房シーズン前の試運転は、運転モードを「冷房」にする必要があるそうです。その際、「室内温度より3℃以上低く設定して」と指摘する福田さん。例えば、室温が24度なら21度に設定しましょう。その後、「エアコンがしっかり動くまで30分以上継続して運転し、様子を見ます」(福田さん)とのこと。これを守れば、問題なく試運転を行うことができますよ。

【ステップ3】リモコンや本体に不具合がないか確認

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写真:PIXTA

不具合の有無を調べるために、リモコンや本体を確認しましょう。その際のチェックポイントとして、福田さんは下記の6つを挙げてくれました。

6つのチェックポイント

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データをもとにTRILLが作成

チェックポイントに当てはまったら?業者を呼ぶ前の対処法!

「不具合が見つかった!すぐに修理業者を呼ばないと…」と焦らなくても大丈夫!症状によっては、自分で直すことができるかもしれません。チェックポイントごとに、修理業者を呼ぶ前の対処法を確認していきましょう。

(1)異音がする

異音がすると「どこか壊れた!?」とびっくりしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一概にそうではないのだそう。

福田さんによると、「ポコポコ(ボコボコ)、ブシュッ、ピシッなどの音は運転などにより生じる音で故障ではありません」とのこと。また、「カタカタ、カチカチという音はおそうじノズルがフィルターにあたる音」なのだとか。この音がする場合、エアフィルターを正しく取り付けたら改善するかもしれません。

(2)風が匂う

風が匂う」のも、必ずしもエアコンの不具合ではありません。福田さん曰く、「エアコンに付着した室内のチリやホコリ、生活臭やカビがにおいの原因」の可能性があるそうです。もし変な匂いがしたら、エアフィルターのお手入れをしてみましょう。

(3)冷たい風が出ない、すぐ止まる

「冷たい風が出ない、すぐ止まる」場合は、「設定温度を下げて再度お試しを」と指摘する福田さん。しかし、もしかしたら改善しないこともあるでしょう。しかし、それでもすぐに修理業者を呼ぶ必要はありません。その場合の対処法として、福田さんは「リモコンの『本体リセット』ボタンを押すか電源プラグを抜く、またはエアコンのブレーカーを落としてみましょう」と語ります。

(4)リモコンの液晶画面が見えにくい、エアコンがつかない

いかにもエアコンの不具合に思われますが、福田さんによると「リモコンの電池が消耗している可能性があります」とのこと。ただし、電池を交換しても改善しない場合もあるでしょう。

その際の対処法として、福田さんは「電池を抜いた状態でリモコンのボタンをどれか1つ、10秒以上押し続けてリモコンをリセットし、電池を入れなおしてみましょう」と推奨します。ちなみに、乾電池の寿命は約1年とのこと。

(5)タイマーランプが点滅する

残念ながら、この場合「故障の可能性が高いです」と語る福田さん。なお、タイマーランプの点滅を確認する方法として、「リモコンから診断コードを確認する方法」「本体から診断コードを確認する方法」の2種類があるそうです。パナソニック製品の場合、診断コードの意味と対処方法はパナソニックのウェブサイトで確認できるそうですよ。

(6)エアコン本体から水漏れしている

エアコン本体から水漏れしている」場合、その箇所によって対処法が変わるそうです。

吹出口に水滴がついて落ちる場合」、それは結露が原因かもしれません。福田さんによると、「お部屋を冷やしている最中に換気を行ったり、設定温度が19℃以下になっていると結露が発生しやすくなります」とのこと。対処法として、福田さんは「窓やドアを閉める設定温度を20度以上にしてしばらく様子をみてください」とアドバイスしてくださりました。

吹出口からボタボタと水漏れしている場合」、福田さんは「まずはドレンホースから水が出ているかご確認ください」と説明します。ドレンホースに水が通りにくい状態になっていたり、エアフィルターやエアコン本体内部が汚れていることにより、結露水がうまく排出できていない可能性があるそうです。

それでは、「背面から水漏れしている場合」は…?

もしかしたら、事態は少し深刻かもしれません。福田さん曰く、「室内機の設置やドレンホースのトラブル、本体の故障などによる故障が考えられます」とのこと。このようなトラブルが生じたら、お買い上げの販売店やメーカーに相談した方がよいそうです。

備えあれば憂いなし!

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写真:PIXTA

これから暑くなるにつれて、エアコンに頼る日々も多くなるはず。しかし、夏になってから不具合が見つかったら大問題。いつまでたっても修理業者に来てもらえず、運が悪いと熱中症になってしまう可能性もあるかもしれません。

そのような不幸を避けるためにも、備えあれば憂いなし!今のうちにエアコンの試運転を済ませてみてはいかがでしょうか?


協力:パナソニック

2月20日 気象庁 暖候期予報 「夏の天候の見通し 全国(06月〜08月)」