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大人が意外と間違える「塩4g、水40gの食塩水に6gの塩を混ぜたら…」→濃度、分かりますか?

  • 2024.1.28
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「濃度」という考え方は、日常生活でもよく使うはずです。

料理のときに、醤油をどれくらい入れるか、塩をどれくらい入れるかは、1人前の料理を作っているときと、2人前の料理を作っているときでは異なります。

これは「割合(濃度)」の考え方が元になっていますよね。

しかし、算数・数学の問題としては、苦手な方も多いのではないでしょうか。

今回はそのような「濃度」に関する問題に挑戦し、学び直しをしてみましょう!

問題

食塩4g、水40gを混ぜた食塩水があります。
ここに、さらに6gの食塩を混ぜたとき、食塩水の濃度はいくらですか。

混ぜ合わせた食塩水は、合計で食塩10gと水40gですね。

よくある間違いは、10÷40=0.25なので25%というもの。実はこれは違います!

 

さて、今回の問題の答えは「20%」です。

解説

「濃度」というのは、「溶かした物質の重さ」が「溶けてできた液体全体の重さ」のうち何パーセントをしめるのかを表したものです。

要するに「食塩水全体のうち、食塩が何グラム溶けているか」ということです。

式で表すと、次のようになります。

濃度(%)= 食塩(g)÷食塩水(g)×100

 

今回の問題の場合、次のように考えます。

混ぜ合わせた食塩水は、食塩10gと水40gです。つまり、食塩水全体では50gとなります。

計算をする際に、元にする量を「水40g」ではなく、「食塩水50g」として考えなければいけません。

したがって、計算は10÷50×100=20%となります。

 

ちなみに、日常生活でよく用いる所謂「濃度」は、正しくは「質量パーセント濃度」と言い、その名の通り「質量(重さ)」を使って考えています。

この言葉や次の公式は、中学校の理科の授業で学習したのではないでしょうか。

質量パーセント濃度(%)= 溶質(g)÷溶液(g)×100

溶質というは「溶けている物質」(食塩水の例では、食塩)、
溶液というのは「物質が溶けた液体」(食塩水の例では、食塩水)を表します。

まとめ

「濃度」というのは、目で見て分かるものでないだけにイメージが難しいかもしれませんが、計算自体は難しくありません。

「溶けている食塩」と「食塩水全体」のそれぞれの重さが分かれば計算可能ですね。

算数・数学の文章題としては必ず押さえておきたい「濃度計算」。ぜひ問題にたくさん挑戦して、解けるようになってください!

※解き方は複数ある場合がございます


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」