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大人が分からない算数「60kmを往復→平均の速さは?」→時速16kmじゃないよ!《小学校で習う》

  • 2024.1.26
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「速さ」や「平均」は、小学校で習う算数であり、日常生活でもよく使います。

しかし、それらを組み合わせた「平均の速さ」について、正確に理解をしているでしょうか。

意外と間違えることの多い「平均の速さ」について考えてみましょう。

問題

60kmの道のりを行きは時速20km、帰りは時速12kmで進みます。このとき、往復の「平均の速さ」は時速何kmですか?

「平均ということは足して2で割ればいいから(20+12)÷2=16」と考えた方はいませんか?

実は、時速16kmというのは間違いです。

 

さて、今回の問題の答えは「時速15km」です。

解説

往復の「平均の速さ」を求める問題ですが、そもそも「速さ」というのは「すでに平均化されているもの」と考えることができます。

どういうことかと言うと、例えば時速20kmで走るというとき、現実では常に一定の速さで走っている訳ではありませんよね。

途中で止まることもあれば、少し速くなったり、遅くなったり、速さは刻々と変化します。

それを「1時間あたり平均してどれだけ進んだか」を表したのが「時速」ということになります。

 

「平均の速さ」というのは、「速さの数値を平均する」という意味ではありません。

(平均の速さ)=(移動した総距離)÷(移動にかかった総時間)

と言うことで、「移動した総距離」と「移動にかかった総時間」を考えてみましょう。

「移動した総距離」は簡単ですね。60kmの道のりを往復しているので、60×2=120kmです。

次に「移動にかかった総時間」は、行きと帰りでそれぞれ求めましょう。

行きは、60kmの道のりを時速20kmで進むので、60÷20=3時間、
帰りは、60kmの道のりを時速12kmで進むので、60÷12=5時間、
つまり、合計8時間かかります。

したがって、120kmの道のりを8時間かけて進むことになります。

その「平均の速さ」は、120÷8=15なので、時速15kmとなります。

まとめ

「平均の速さ」は、日常生活でもよく利用する一方、間違えた計算をしてしまうことが多い問題のひとつです。

「速さ」というものが、どのように考えられているかを理解していないといけません。

間違えてしまった方は、ぜひ学び直しをしてみてください。

 

※解き方は複数ある場合がございます


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」