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大人が意外と分からない「もう一方が男の子である確率」は?→1/2じゃないよ!

  • 2024.1.23
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「確率」というのは、しばしば直感とは異なる結果になることがあります。

直感では「これくらいの確率だろう」と思っても、きちんと計算すると、実は違っているのです。

しかし、きちんと整理して、数式を交えて考えることで、その理由も納得できるはず。今回は、そのような確率の問題に挑戦してみましょう。

問題

ある家庭に子どもが2人います。そのうちのどちらか一方は男の子です。このとき、もう一方の子どもが男の子である確率は?
(男の子と女の子とが生まれる確率は等しいとする)

子どもが男の子なのか、女の子なのか、という問題です。

「一方が男か女かなのは関係なく、生まれる確率は1/2だ」と考えなかったでしょうか。実は答えは1/2ではありません。

 

さて、今回の問題の答えは「1/3」です。

解説

今回の問題のポイントは、「一方の子どもが男の子」ということです。「一方の子ども」と言われているだけで、これが上の子なのか、下の子なのかが明言されていません。

つまり、2人の子どもの男女の組み合わせとして考えられるのは、以下のようになります。

「兄弟」
「兄妹」
「姉弟」
「姉妹」

このうち、「一方が男」と言われているので、「姉妹」という可能性はありません。

「一方が男のとき、もう一方も男」ということは「2人とも男」ということですね。

したがって、「兄弟」「兄妹」「姉弟」の3パターンのうち、条件を満たすのは「兄弟」の場合のみということになります。

よって、求める確率は「1/3」です。

 

ちなみに、問題文が以下のように変わると、確率の結果も変わります。

ある家庭に子どもが2人います。そのうちの上の子どもは男の子です。このとき、もう一方の子どもが男の子である確率は?

「上の子どもは男の子」ということは、男女の組み合わせは「兄弟」「兄妹」のどちらか、ということになります。

このうち、もう一方(下の子ども)が男の子なので、「兄弟」が条件を満たすものです。したがって、この場合の答えは、「1/2」となります。

 

「どちらか一方が男の子のとき」や「上の子どもが男の子のとき」などのように、ある条件が与えられた場合には、確率が変化することがあります。

これを数学では「条件付き確率」と言います。

単純に「子どもが男か女か」だけなら、もちろん1/2の確率ですが、条件が加わるだけで、考え方が変わるので注意が必要です。

まとめ

確率が直感とは異なる結果になってしまうときは、条件を見逃していることがよくあります。

どのような前提条件があるのかをしっかり見極める必要がありますね。

日常生活でもよく利用する「確率」だからこそ、しっかりと計算できるようになりたいです。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」